今度、大学院で授業をする。
――なんで「多様性」や「ジェンダー」という文脈で僕に白羽の矢が立ったんだって話なんですが、これにはちゃんと訳があります。僕が大学卒業間近に開催した「BOOK TALK LIVE ”桃太郎”」というイベントが、事の発端でした。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「今度、大学院で授業をする。」というテーマで話していこうと思います。
🏨今度、大学院で授業をする。
つい先日、母校の大学の先生から連絡がありまして、今度、大学院で授業をすることになりました。ちょっと先の話なんですが、今回はこの件について話していこうと思います。
数日前、LINEでゼミでお世話になった教授から久しぶりに連絡がありました。別の先生が僕のことを知ってくれて、大学院の授業への登壇を依頼してくれたんです。その先生のことは知らなかったんですが、どうやら大学院の授業で「多様性」や「ジェンダー」について展開されている方らしいんです。
その授業の一環で、僕に登壇してもらいたいという話をいただいたというわけです。
なんで「多様性」や「ジェンダー」という文脈で僕に白羽の矢が立ったんだって話なんですが、これにはちゃんと訳があります。僕が大学卒業間近に開催した「BOOK TALK LIVE ”桃太郎”」というイベントが、事の発端でした。
🏨桃太郎とダイバーシティ
僕の卒業論文のテーマは「桃太郎」でした。
もっと細かくいえば、芥川龍之介の『桃太郎』という作品を中心に研究していき、芥川文学の魅力を論じていったのですが、前提として、いわゆる昔話の「桃太郎」がどのように変遷していったのかを研究し、論じたんです。
そこで特に印象深く思ったのは、「時代と共に物語が変わっている」ということでした。
戦の時代が終わり文化や娯楽が隆盛した江戸時代にはパロディが多く作られたし、強い国づくりを目指した明治時代には強く勇ましい桃太郎が描かれました。労働運動が起こった大正末期には地主を退治しにいく労働者としての桃太郎がいたし、太平洋戦争が勃発した昭和の戦争時代には外国という鬼が島へ向かう兵隊としての桃太郎がいました。
その時代に求められている英雄像が桃太郎に重ねられ、伝えたいメッセージが物語に込められていたのです。
じゃあ、今はどんな桃太郎がいるのでしょうか。どんな物語が展開されているのでしょうか。
たとえば、数年前に出版された『ふたりのももたろう』という絵本では、人間に育てられた桃太郎と、鬼に育てられた桃太郎のふたつの物語が展開されます。後者の物語の中では、個性や多様性といった言葉がキーワードなんです。
まわりに鬼がいる環境で育って桃太郎は、なんで自分に角が生えていないんだろうとコンプレックスを感じてしまうんです。それを観た鬼は、「おまえのちょんまげだってかっこいいじゃねえか!」と違いを受け止める言葉をかけてあげたんですね。
それに勇気づけられた桃太郎は、ひとりひとりの「好き」という気持ちが尊重されて、誰もが自分らしく生きられる世界をつくりたいと志すことになるんです。
一言でいえば、今の桃太郎は「多様性を尊重する存在」なのです。自分との違いを忌み嫌って相手を退治する存在ではなく、その違いを受け入れて共に生きていこうとする存在こそ、この時代のヒーローなのです。
🏨仲間は新たな仲間を呼び...
せっかく1年研究したのに卒業論文を書いて終わりじゃもったいないからと思って、僕が企画したのが「BOOK TALK LIVE ”桃太郎”」というイベントでした。言うなれば、個人的な卒論発表会です(笑)
ただ、トークライブといっているくらいですから、ちゃんと演出面にもこだわりました。オープニング映像もつくったし、照明や音楽、配信の準備もしました。大学最後に、集大成のようなイベントをつくりにいったんです。
結果は想像以上のものでした。
47人のお客さんに恵まれ、noteで集めたプチスポンサーは17人、当日手伝ってくれたスタッフは7人いました。それこそ今回連絡してくれたゼミの先生には特別顧問に立ってもらい、いろいろとお世話になったものです。
その反響は意外なところに現れました。大学のダイバーシティ推進室という部署からお声をいただいて、取材を受けることになったんです。あれは大学の卒業式の翌日だったかな。
さっきも触れたように今の桃太郎には「多様性」という要素が孕んでいることもあり、桃太郎を題材に「多様性」について語る機会をいただいたというわけです。
「ダイバーシティ推進室」の記事はこちらから↓↓↓
https://www.ibaraki.ac.jp/diversity/uploads/2024/05/ibadai_diversity_NL31_2.pdf
で、この記事を見てくれたのが、今回登壇の依頼をしてくれた「多様性」や「ジェンダー」の授業を展開されている先生だったんです。この記事を読んで興味を持ってくれて、僕をゲストティーチャーとして迎え入れようと思ってくれたというわけです。
大学を卒業して半年後、母校の大学院で授業をすることになるとは夢にも思っていませんでした。こんな風に、自分のやってきたことが新たな縁を生んで、自分の活動の幅を広げるきっかけになっていることを思うと、感慨深いものがありますね。
仲間を引き連れた先で、見たこともない景色と出逢い、そしてその向こうで、また新たな仲間が見つかる。きっと今度やる授業も、また新たな仲間や景色と出逢えるきっかけになるんだろうな。
授業自体は少し先になりますので、終えた際にはまた記事にして残すことにします。どんな話をしようか、今から楽しみです。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240917 横山黎
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?