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自分の地図を書き換えながら。

――「地図」というメタファーも、地図を持って目的地に到達することよりも、自分の青い点の動きを自覚し、地図に裏切られながら書き換える営みのほうが大切なんだと思っています。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「自分の地図を書き換えながら。」というテーマで話していこうと思います。


🏨クラフトビールと夜読書

昨夜、光嶋裕介さんと青木真兵さんによる共著『つくる人になるために 若き建築家と思想家の往復書簡』という本を読んでいました。

僕は今、木の家ゲストハウスのマネージャーとしてメインで活動しているんですが、昨日も昨日で何かと忙しく、夜晩くまで仕事をしていました。閑散期に突入したといえばそうなのだけれど、もちろんお客さんが全く来ないわけではないし、来年の春以降に向けて、運営体制を整えるフェーズに突入しています。

そんなこんなで仕事も落ち着いて、昨日の分のnoteを書き終えたのが日付が回る頃。そしたら一度席を外していたオーナーが戻ってきて、クラフトビールを飲みながら読書をし始めたので、僕もそれにのっかることにしました。オーナーからクラフトビールを1本譲り受けたので、それを嗜みながら、深夜の読書を楽しんでいました。

そう、そのときに僕が手に取った本が、『つくる人になるために』という本だったのです。

手紙を模した装丁がいいよね。

この本は以前、東京上野の「ROUTE BOOKS」というブックカフェで購入したものでした。タイトルと、装丁と、ぺらぺらと試し読みをした内容が僕好みだったので衝動買いすることにしました。

積読本化していたし、今日、明日とゲストハウスの仕事もおやすみなので、この数日で読み切ろうと思い至り、ページを開きました。予想通り、僕の胸にくる内容だったので、今日はそれにまつわる記事です。


🏨『つくる人になるために』

一級建築士の光嶋さんと「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーターの青木さんが日常の些細な話題を綴り合う往復書簡を1冊にしたもの。

ひとつずつの手紙の最後にちゃんと日付が書かれているのですが、2021年3月9日に始まり、2022年の12月21日に終わっています。したがってコロナ禍に書かれたものと分かりますね。

いってしまえば、ただの手紙のやりとりなのですが、すごく考えさせられるし、心を揺さぶられるんです。まだ読み途中ではありますが、僕が特に印象的に残ったフレーズについて、今回は語っていこうと思います。

自分のなかにある「地図」の話です。


「地図」というメタファーも、地図を持って目的地に到達することよりも、自分の青い点の動きを自覚し、地図に裏切られながら書き換える営みのほうが大切なんだと思っています。いつだって自分の地図を更新し続けることで、世界と自分を相互投影し、その関係性をより良くするように、しなやかな意志をもって行動したいものですね。

光嶋裕介 青木真兵『つくる人になるために 若き建築家と思想家の往復書簡』

「建築とはなにか」の手紙に最後に書かれてあるフレーズです。ここでいう「地図」は、「自分の人生の未来予想図」と言い換えることができます。また、「青い点」とは、Googleマップでよくみるあれです。現在地です。

光嶋さんは、「自分の地図」にとって重要なのは、「青い点」、現在地だといいます。自分が目指したいと志した目的地に辿り着くことよりも、その地図に広がる世界のなかで動き続けることを重視すべきだというのです。

時代が移ろえば、世界は変わるし、自分という存在にも変化が生じます。だからこそ、絶対的な目的地を定めるのではなく、行きたい方角を目指しながらも、自分の現在地を常に確かめながら動き続ける意義を説いているのです。


🏨自分の地図を書き換えながら。

僭越ながら、僕も似たようなことを考えていました。ちゃんと言語化できていなかったけれど、僕の人生を捉える視点に通じるものがあると思いました。

ちょっと前まで、ゲストハウスのマネージャーをやるなんて夢想だにしていませんでした。ちょうど1年くらい前にこの未来を選択したんですが、それより前には選択肢の候補にも挙がっていなかったのです。

僕はずっと創作をしていたい人だけれど、一応教育学部生だったし、教育方面の道に行くことになるのかなとぼんやり考えていました。ただ、どうしても学校教育の道を進むことに、少なくとも今のタイミングでは抵抗がありました。

将来の不安を抱えながらも人と会い、いろんな大人と出逢い、様々な仕事や生き方に触れて、気が付けばゲストハウスで仕事をする選択をしていました。

今、振り返ると、このnoteの記事の存在は大きかったんだと思います。僕は20歳のときから毎日記事を書いてきているんですが、日記のような内容を残し続けてきているので、毎日自分の現在地を言語化しているといえるんですよね。

今日はここにいて、誰と会って、どういう思いを抱き、どんな未来へ踏み出そうとしているのか、どんな夢を持ったのか。それをひたすらに記事に綴り、残し続けてきました。

僕の「青い点」は、このnoteだったのです。

そして、その「青い点」の動いた先でゲストハウスの仕事をする未来が待っていたのです。

そんなことを思うと、自分の現在地を記すことをないがしろにしてはいけないし、過去に目指すと決めた目的地に絶対に辿り着こうとする意識は捨てた方がいいし、変わり続ける姿勢を持つべき。旅をするように生きることこそ、豊かな人生をつくることになるのではないでしょうか。

自分が自分らしく前のめりになって歩んでいる人生の方が良いし、その生き様が誰かの心を動かしたり、しあわせにつながったりするはず。そんな人生をつくる人になるために、これからも「青い点」を残し続けていきます。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20241211 横山黎









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