【教育論】一斉研究授業を終えて。
一斉研究授業の終わり、号令がかかり礼をした後、頭を上げた僕はハイになっていました。確かな手ごたえを感じたからです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「一斉研究授業の内容と反省」というテーマで話していこうと思います。
◆一斉研究授業
普段は創作に関する記事を投稿しているんですが、実は僕は教育学部の大学生でして、現在教育実習中ということもあり、教育に関する記事を投稿しています。
僕は中学校の1年生のクラスに配属されています。教科は国語。2クラス分の国語の授業を担当し、『森には魔法つかいがいる』という教材を取り扱いました。
今日は、一斉研究授業の日でした。
他の実習生、実習先の教諭、大学の教授が授業観察に来るのです。実習の一番の山場といっていいでしょう。
ということで、今回はどんな内容の授業を行い、何が上手くいったのか、あるいは上手くいかなかったのか述べていこうと思います。
授業をするためには、学習指導案という「授業の計画書」をつくらなければいけません。それをもとに授業をしていくのです。僕ら実習生は担当する授業全ての展開を考え、指導案をつくっていきました。次の表は、今回紹介する授業の展開です。
これを見ればなんとなく授業の流れが分かるのではないでしょうか。補足説明をしながら、僕がどんな授業を展開していったのか話していきます。
今回の授業のメインは、「ワイドショーをやろう」という言語活動でした。4人1組のグループになって、司会者、筆者、コメンテーター、視聴者の役割に分かれ、ワイドショーのように意見を言い合う活動です。
前半はグループでワイドショー活動を行い、それが終わったら、聴き手を納得させることができたのかを確認します。
以上のような発問をし、生徒たちの思考を掻き立てます。
さて、僕はどうしてこのような発問をしたのでしょう。そして、このワイドショーという言語活動のねらいは何でしょう?
◆この授業のゴールはどこか
この授業のゴールは「生徒が自分の考えを確かなものにすること」です。考えを確かなものにするとは分かりにくい表現です。具体的に何をすれば目標達成になるかっていうと、三角ロジックシートを十分に成立させることです。
三角ロジックシートとは、「主張」「理由」「事実、根拠」の3要素のつながりを明確にすることで論理的な考えの形成をはかるフレームワークのひとつです。僕の授業ではこれを導入し、生徒たちに自分の考えを書かせました。
自分の考えを確かなものにするためには、「主張」「理由」「事実、根拠」それぞれの要素が密接につながっていなければいけません。また、「主張」を支える「理由」「事実、根拠」が複数あると、より説得力のある考えを形成することができます。
確かなものにするためには、他者の存在が必要です。他者に自分の考えを伝えたら、相手は感想を持ちます。それをフィードバックし、自らの考えを振り返ることで、三角ロジックシートの脆い部分を見つけ、書き換えたり、書き直したりすることができるわけです。
以上のプロセスを経れば、その人の三角ロジックシートはより論理的でより客観性のあるものになっています。ここに辿り着けたら、A評価です。
◆ワイドショー活動のねらい
この学習の流れに、僕はワイドショーという言語活動を取り入れました。
突然ですが、「ニュース」と「ワイドショー」って何が違うのでしょう?
簡潔にいえばこんな感じです。ニュースは、現実に起こった出来事をそのまま伝えます。そこに私情を挟もうものなら、即刻クビでしょう。一方で、ワイドショーでは「主張」をすることが求められます。タレントや評論家、大学の教授などがゲストとしてスタジオに呼ばれ、現実に起こった出来事を受け、「私はこう思う」「いや、僕はこう思う」と主張し合うことで成り立っているのです。
今回、僕が生徒たちにやらせたいのは、「自分の考えを確かなものにする」活動です。三角ロジックシートをより良いものに仕上げることです。つまり、「事実」ではなく、「主張」を扱う授業なのです。
先ほど、「納得させる」ことを強調したといいましたが、「納得させる」場面をつくりたかったからというのも、ワイドショー活動を取り入れた理由の一つです。
「相手を納得させることができた」ということは、「主張」と「理由」と「根拠」が密接に繋がっていたからです。あるいは、「理由」と「根拠」が複数あったからです。つまり、「良い三角ロジックシートが書けていた」からです。
逆に、「あんまり納得させることができなかった」ということは、三角ロジックシートのどこかに不十分なところがあるということですよね。
生徒たちにもう一度三角ロジックシートに目を向けさせ、加筆修正に臨ませます。生徒は自分の考えをより良いものにしようとペンを走らせ、三角ロジックシートをよりよいものにしていくのです。自分の考えを確かなものにしていくのです。
◆反省と考察、喜びと疲労
一斉研究授業の終わり、号令がかかり礼をした後、頭を上げた僕はハイになっていました。確かな手ごたえを感じたからです。
大学の教諭からも他の実習生からも、そして長く指導してくださった実習先の国語教諭からも、一言目には「良かった」「面白かった」「素晴らしかった」と、嬉しい言葉をいただけました。
もちろん課題はいくつもあります。授業中に気付くこともあったし、終わってからの教科指導で気付かされることもありました。それでも僕は無事に研究授業を終えることができたし、ありがたい言葉をもらえたので、良しとします。
詳しくはあらためていくつかの記事に分けて書くつもりですが、思い付くかぎり、ココニ良かった点と反省点を残しておこうと思います。
こんなところですかね。
とにもかくにもめちゃくちゃ良い経験だったので、ここに記録することになりました。実習後の疲れた身体なのに3000文字の記事を書くくらいに、熱くなっています(笑)
実習は明日で最後です。気を抜かずに、最後まで楽しみたいなと思います。
読んで下さりありがとうございました。
20220915 横山黎