いじられどころをつくる。
――途中から急に流行り出した僕に対するいじりがあります。「眼鏡はずして」です。
人生は物語。
どうも横山黎です。
大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。
最近は音声配信も始めました。毎週金曜日22:00から僕のお気に入りの本を紹介するライブ「FAVORITE!!」を開催しています。興味を持たれた方は是非遊びに来てください。
今回は「いじっていい人に思われるために、いじられどころをつくる」というテーマで話していこうと思います。
📚子どもたちに慕われた
先日まで僕は教育実習に行っていました。大学指定の小学校に2週間通っていたんです。
僕が配属されたのは3年3組だったんですが、やっぱり学級経営も授業運営も難しいものがある。苦悩することも少なくなかったんですが、それでも最後には心温まる瞬間がありましたし、3年3組でよかったなと思うことができました。
振り返ると、日増しに子どもたちに慕われていったなあと思います。実習生を楽しみにしてくれていたこともあり、はじめから気さくに話しかけてきてくれました。
休み時間になればトランプにカルタに鬼ごっこ。
実習生の仕事なんて一緒に遊ぶことといっても過言ではありませんから、全力でやりました。全力で勝ちにいったし、全力で走った。中休みも昼休みもそんな調子ですから、そのあとの授業観察は疲労困憊。立ってるのが精一杯の日もありました。
#単に体力がないのかもしれない
また、途中から急に流行り出した僕に対するいじりがあります。
「眼鏡はずして」
です。
今さら改めて言うことではありませんが、僕の特徴といえば眼鏡をかけていること。小4からの僕のアイデンティティです。それを外せと言われたわけですね。
だからといって別に眼鏡を外すことに何の躊躇いもないんだけれど、僕はあえて嫌がる素振りを見せました。いじられどころをつくるためです。
📚いじられどころをつくる
あれくらいの年齢の子どもたちには少し挑発するくらいがちょうどいいんですよね。下手に出すぎると反感を買うし、圧倒的力でねじ伏せるとすねてしまう。
また、全力でやって(いる素振りを見せて)、相手に勝たせてあげると相手の自信をつくることができる。自信がつくから「あいつともう一度やろう」と思い、また誘われるので、そんな子が増えれば一緒に過ごす子どもたちが集まる……という算段です。
さっきのメガネの話もそうで、別に僕はメガネを外すことに何の抵抗もないし、外せと言われたらいくらでも外してやります。なんなら、途中から「メガネ外した方がかっこいいよ」「コンタクトにしてよ」と言ってくれる子もいて、上機嫌になったくらいです。外して喜ばれるのだから、外した方がいいんです。
ただ、僕はメガネを取らなかった。
その結果、毎日のように、休み時間になる度に、「メガネ外してー!」と寄ってくる子どもたちであふれました。終いには、子どもたちの間で謎の結託が生まれ、僕の両腕をつかみ、胴にからみつき、メガネを外そうと手を伸ばし……という小戦争状態。そこでも、すぐに落城してしまえば面白くありません。四面楚歌のなか、全力で抵抗を続けます。で、結局取られるのが毎度のオチです。
#いやなんで
抵抗見せた方が良いんだろうなと予測はしていたけれど、ここまで反響を呼ぶとは思ってもいませんでした。
ちなみにですが、「もうこのへんでいいか」と見切りをつけて、僕が自らメガネを外すこともあったんですが、どんな過程を経ても、メガネを取ると、待っている結果は何とも言えぬ静けさです。さっき触れたように、「かっこいい」と言ってくれる人もいるけど、期待値が高まりすぎたのか、「ああ、まあ、そんな感じね……」という声なき声が聴こえてくるようで、盛り上がり切るわけではありませんでした。
つまり、子どもたちが夢中になる要素は、「横山先生がメガネを外さない状態」にあったのです。
#つまり「いじりどころ」
📚いじっていい人に思われるために
僕も気が付けば22歳の大人で、後輩も年下もそれ相応にいるわけですが、「いじられどころ」をつくっておいた方がいいなと思う瞬間が多々あります。
「先輩、何やってるんですか!」
と突っ込まれる部分を持っておくと、そこにひとつ関わりしろが生まれます。さらに、「あ、この人、いじっていい人なんだ」という意識を持たせることもできる。
僕はまだ若者だし、年上の人と関わっていくことの方が多くなってくるんだろうけど、後輩とか、職業によっては関わる子どもとか、そういった相手に対するコミュニケーションの取り方のひとつとして、「いじられどころをつくる」は大事。
年下に限らず、年上から、同い年相手にも通じる話かもしれません。「ここ、ねらって♡」という部分を見せておくことの意義を話していきました。最後まで読んで下さりありがとうございました。
20230919 横山黎