映画日記〜Night on Earth〜
大型連休終了。通勤列車は何時も通りぎゅうぎゅう詰め。当たり前。今日も憂鬱はしっとりと絡み付き、次に梅雨を連れて来る。
気圧は不安定。心持ちにも揺らぎの多い季節。みんなの毎日に少しでもカラッとした幸福があるように。私は有難い。ぱたぱたと忙しい。やろうと思って買ったゲーム、も、読み返そうと思って枕元に置いた『夜間飛行/サン・テグジュペリ』手を付けられない。1月以上がすいすいと自動で進む日々の中。
夜間飛行はとても眩しく美しい景色中を生きる1冊。詳細を掘り出す。緻密すぎる程に緻密。飛行士達と監督の仕事の在り方。
誰もの生活を浮かび上がらせる仕事。一緒に考える。新卒入社で間もなく6年。此処最近、急にやる気が湧かなくなり尽きる。精神的に疲弊。身体にストレス、疲れがこびり付く。顧客からお金を貰う以上、今の自分の姿勢ではいけない。頭では分かっている。身体、心がついてこれない。見ていると仕事に対してとても誠実。常に生き生きと取り組む。見える。羨ましく、自分が情けない。
私は会社に所属し、正社員として毎日働いた経験はない。偉そうなこと、信頼して貰える話しできる自信は一切ない。小娘なりに光を探る。お付き合い頂けたら嬉しい。
働くのは何の為?仕事は何の為にする?自身、家族の生活の為、世の中の為、精神的安定の為、趣味が何時の間にか仕事になる人。十人十色の理由で働く。
仕事をしている人に言う。日々の働きが業種、取引先を支える以前に、自身の生活に安寧を齎す。
6年間働いた今、悩みを抱える。私、子供からすると、毎日きちんと朝早く出社。日付が変わるまで働き、真剣に仕事と向き合う。自分、周囲の人の生活の安定を守る。純粋にとても格好いい。
お金を稼ぎ、自分、守りたい誰か、何かに使用。あなたはあなた。小さな国に平穏を齎すヒーロー。裏付ける。退屈になる。あなたが仕事に慣れる。言うなら、ヒーローは仕事を飼い馴らすことに成功。
バッドエンドの演劇は終わる。日常は続く。何にでも言える。出会ったときのtkmk、驚き、慣れるまでパチパチと弾ける沢山の小さな事件。映画、演劇に描かれる起承転結。実際は先の特別なことは起こらない日々。人生の中では圧倒的に長い。哀しくも何でもない。普通の人生の在り方。
始まりの衝撃は必ず薄まり、日々に溶ける。繰り返した行為はあなたに必ず慣れを授ける。転んだくらいでは泣かず、同じ芸では笑えない。
私も大袈裟な物語にばかり憧れる子。今でも毎日新しく好きな香りの風が自動的に吹く。いい。我儘な想像。誰に話しても物語が成立する毎日。素敵。
誰かに素敵と伝える。言葉では上手く伝わらない。本当にsmjm良さを持ち続ける映画。紹介「Night on Earth」監督・ジム・ジャームッシュ。本作は、夜に5都市で起こった出来事をオムニバス形式で描く。共通事項は全てタクシー運転手、乗客の会話の物語展開。
ロス、NY、パリ、ローマ、ヘルシンキ。舞台が変わり、各地で毛色の違うそれぞれの挿話。共有不可能な愛おしさ。日々を照らす時、登場する運転手。ガムを噛み運転する口の悪い女、運転不可能な道化師の露人、一方通行を逆走し高速で乗り回す伊人。客も個性的。何処か愛おしいキャラを持った人ばかり描かれる。
同業種の人々を描く。浮かび上がる人生観は多様。十人十色に冷笑的で何処か愛嬌のある生き方。何も特別な事件は起きない。
会話、空間の妙。声を出し笑う展開。危険な映像、夜の都市を切り取った美しい映像。化粧っけのないウィノナ・ライダーは美しい。ベアトリス・ダルは神秘的。ロベルト・ベニーニの振る舞い。見るだけで生が喜劇に変わる。物語は言語化可能な分かりやすい魅力になり得るものは描かれていない。
言語化し、共有。凄いと言い沢山の反応を求める。当たり前。SNS主流の時代の中。場にいなかった人には伝え難いほんのりとした小さな事件。蔑ろにされがち。
生きるあなた。くすりと笑う瞬間が本当は日常。愛おしさ。TLに流れる普遍的な美しさ。もっと心を照らし出せる。私は思う。あなたの中に眠る活力配分を治す。本作を見た時、感じる何も起こらないけど愛おしい感覚。全く現れない。
日常全ての習慣に慣れる。先の世界では何かしらの夢、目標、揺るぎない愛。胸に灯していない限り、灯台の無い夜の海を泳ぎ続ける。次に目指すべき光は。何時まで脚をばたつかせる。前後感も分からず泳ぎ続ける。辛い。
文章から見受けるに責任感が強く理性的。泳ぎ続けなければ。頭に日々辛さが蓄積。身体が乖離。心配になる。頭、身体の両方。片方が動かしづらくなった時、一旦心の窓の換気を試みることを約束。
社会が求める限界より私の身体、心に設定された限界の方が遥かに近い。当たり前。多い。繊細さ、真摯さ。あなたの個性。無理をし引き延ばすのは身体に毒。如何して私は今、仕事をする?瞬間は誰にでも来る。
考える時間が多くなった時、あなたの中に眠る活力の使用配分をあなたが新しく自分で決め直して。仕事、趣味、日常生活、恋愛、友情、家族。全てに全力を注ぐ。真摯な生き方ではない。
自分は何に、どの位、活力を振り分けたい。命、最低限の生活を維持。働くことに幾らか時間、活力を支払わなければならない。含め、あなたはあなた。命をより楽しむ。最適な活力配分を考える。面白い。
例えば、本作に出る道化師の露人運転手。金をちゃんと数えろと言われ語る。金は必要。重要じゃない。金に限らず人生には必要。魂にとって重要という訳ではない事柄。少なからず存在。最適配分を考えた時、既に情熱が鎮火した仕事。振り分ける活力をなるべく少なくする。大丈夫。
既に6年分の経験、余裕がある。ドキドキ新卒の頃より少し狡いことが可能。嫌な体育の持久走大会。大好きな歌を口ずさみながらこっそり近道を使うあなた。1人のヒーロー。学生時代の私は表向き真面目。本当いい子ぶるのが得意な狡賢い子。親の就寝後、朝までこっそりYouTubeで音楽をよく聴く。TVでは聞く機会のない少し前の時代の音楽にハマる。
授業では教科書を読むふりをし居眠り、学校ぇは仮病を使用。毎週保健室で眠た。小心者の私。眠気がどんよりと襲ってくる度に怒られる。想像し俄に怯える学校時代の私。知らない曲を探し、朝までネットを彷徨う方が授業より自分の命を潤わせた。『BOY MEETS GIRL/RTF』口ずさみながら夜が明ける窓の外。自分で喜びを探す未来。直ぐそこまで昇る。
本作は最終都市で少し暗い会話を経て陽が昇る。何処にでもある一夜の終わり。あなたは自分の生きやすい場所を探し、彷徨う日々。果てに本作みたいな何時も通りの新しく眩しい陽。昇ってきた時、当たり前に立つ自分の脚を誇らしく思う。あなたはあなた。平穏を与える1人のヒーロー。