
「これ無理」シリーズ代謝編 その2 糖の特性
前回の「その1」では代謝経路全体像について、書きました。
前回のおさらい
・前回、細胞の膜は脂肪(厳密には脂質による二重構造)でできている。
なぜなら、水に溶けてしまわないように。
・細胞の栄養は、血液からもらってATPを作ってる。
ということをお話ししました。
今回は「その2」として、細胞が作るATP。
その原料(栄養素)の一つである糖についてお話しします。
糖とはなにか
糖は炭水化物から食物繊維を引いたものです。
そのなかでも、今回お話するのはブドウ糖(グルコース)について。
ブドウ糖(グルコース)とは、これ以上細かく砕けない形(単糖類)のこと。
血液の中を移動し、細胞のエネルギー源となれる状態のことです。
ご飯などのデンプン(多糖類)は、ブドウ糖(グルコース)がいっぱいくっついた状態だと思ってください。
口から食べたご飯は、様々な消化酵素により分解されていきます。
最終的にブドウ糖(グルコース)になり、血液中に流れ込み、細胞へ届けてくれます。
糖の特性
前回、お話ししたように、脂肪は水には溶けません。
糖はどうでしょうか。
バリバリ溶けます。
なので、血液中にもグルコースは入りたい放題です。
それはそれで、血管を傷つけたり、糖を薄めるために水分とくっついたりと カラダにとってあまり良くないことが多いです。
なので、カラダにはグルコースを別の形でたくわえる機能がついています。
グリコーゲンの出番
グルコースはグルコーゲンという形に変えて、カラダに蓄えておくことができます。
グルコースやら、グリコーゲンやら、ややこしいですが、要はグルコースをグリコーゲンという形にして、貯めておくというだけです。
まとめ
今回のまとめです。
・ATPを作るための原料として糖がある。
・糖とは、炭水化物から食物繊維を引いたもので最終的にブドウ糖(グルコース)になり、細胞に届けられる。
・グルコースは血液の中に溶けやすいため、グリコーゲンという形でカラダに蓄えれれる。
次回は、糖についてもう少し詳しく、運動との関わりをみていきたいと思います。
【 参考書籍 】
・スポーツ栄養学: 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる、寺田新、東京大学出版会、2017
・ アスリートのための最新栄養学(上)、山本義徳、NextPublishing Authors Press、2017
・入門運動生理学第3版、勝田茂(編)、杏林書院、2014
・新版 乳酸を活かしたスポーツトレーニング、八田 秀雄、講談社、2015