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運動能力を測る新たな指標【足趾把持力】に注目

超高齢社会を迎えた日本では、要介護の原因となる転倒や運動機能の低下が深刻な問題となっています。これらのリスクを減らし、高齢者の健康寿命を延ばすためには、適切な評価方法と効果的なトレーニングが欠かせません。

そんな中で注目されているのが「足趾把持力(そくしはじりょく)」。足の指で物をつかむ力を指し、この能力が高齢者のバランスや歩行能力に大きく関係していることがわかってきました。本記事では、足趾把持力の重要性を科学的データをもとに詳しく解説します。



1. 足趾把持力とは?


足趾把持力とは、足の指で物をつかむ力のこと。この力が強いと、バランスを保ちやすくなり、歩行時の安定性も高まります。具体的には以下のような場面で役立ちます。

• 歩行中のバランス維持:つまずきや転倒を防ぐ
• 立位姿勢の安定:片脚立ちや方向転換がスムーズ
• 日常動作の安定性:階段の上り下りや段差の乗り越えがしやすい


2. 年齢による足趾把持力の低下


足趾把持力は、加齢とともに大きく低下します。以下は、ある研究で得られた年齢別の足趾把持力の平均値です(単位:kg)。



上記のデータから、特に85歳以上では大幅に低下していることがわかります。このように、足趾把持力は高齢者の運動機能を測る指標として非常に有用です。


3. 足趾把持力と他の運動機能との関連性

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