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この料理家のレシピが天才すぎる⑱キチントさん編/高山惠

私はフリーライターとして仕事をするかたわら、夫と高校生と小学生の子どもとともに生活しています。ありがたいことに原稿などの締め切りに追われる毎日ですが、夜になるととりあえず仕事を切り上げ、台所に立って夕食をつくっています。

そんな自分にとって日々助けになっているのが、SNSなどでみかける「誰かが作った美味しそうなレシピ」。簡単で美味しそうなレシピをみつけては「いいね」を押して、いつでも確認できるようにするのがライフワークとなっています。

【高山惠 プロフィール】
ライターとして雑誌「DIME」「BE-PAL」「kufura」(小学館)、「週刊プレイボーイ」(集英社)、他さまざまなWEB媒体で執筆。
フードコーディネーターの資格を取得し、「食」のコーディネートも行う。
この連載は、2023年12月以来の第5弾となります。 

焼きたての手作りクッキーが大好きなんです

2023年6月26日に配信した記事「この料理家のレシピが天才すぎる⑫つくりおき食堂まりえさん編」の中で、「お菓子作りは苦手」ということを書きました。お菓子作り温度や材料の計測などはレシピ通りにきっちり守らなければ化学反応に狂いが生じ、狙い通りにはいかない。しかし、自分は温度や材料の計測などはレシピ通り正確に守ることが得意ではない……そんな内容です。

ところが考えてみれば、自分が幼い頃に初めて「料理」というものに挑戦した原点はお菓子作りでした。私の母親は昭和世代としては少数派だった“兼業主婦”で、普段の料理支度はいつもバタバタと忙しそう。そこに幼い自分がお手伝いをしたり、代わりに料理を作るという余地はありませんでした。自分が子どもを育ててみると分かりますが、子どもに料理を手伝ってもらうのは多くの場合“お手伝い”にはなりません。包丁で何かを切ってもらうのも、手を切らないかをしっかり監視したり、時には手助けをしなくてはいけない。多くの場合は自分でやった方が断然早いし楽なのです。

でもそんな母も休日になると、たまにお菓子作りを一緒に付き合ってくれました。その中で特に大好きだったのはクッキー作り。バターを室温に戻して砂糖と卵を混ぜる。そこに粉ふるいでサラサラにした小麦粉を少しずつ入れて、木べらでさっくりと混ぜれば、クッキー生地のでき上がり。生地は冷蔵庫に入れると固くなり、型を抜いたり包丁で好きな形に切って、オーブンで焼く。私は焼き上がりのアツアツでちょっと柔らかいクッキーが大好きでした。好きすぎて「できたてのアツアツクッキーを売っているお店があればいいのに」と考えたこともあり、実は今でもちょっと思っています。

チョコレートと小麦粉だけでクッキーが作れる!?

しかし大人になると、手作りのクッキーを作ることはほぼなくなりました。一番の理由はけっこう面倒くさいこと。先に述べた通り、お菓子作りはきちんと材料を計測する必要があり、それだけで怠け者の私にとってのハードルが上がります。そしてクッキーを作るのには大量のバターが必要で、その量を目の当たりにすると「わー、太りそう……」と悲しい気持ちになるのです。

そういった理由で手作りクッキーから遠ざかってたのですが、今年に入ってみつけたこのレシピに心を奪われました。

「キチントさん@楽うまレシピを紹介」を運営しているのは、「クレラップ」でおなじみの化学メーカー「クレハ」。ユーザー名通り、クレラップを使った楽につくれて美味しいレシピを発信しています。

そこで見つけたこの「焼きチョコ」。クッキーとは違うのかもしれませんが、見た目はほぼチョコクッキーです。そして材料はまさかのチョコレート(100g)と小麦粉(50g)だけ。いくらズボラな自分でも、さすがにこれだけを準備するのは簡単です。これを混ぜたら、本当にこんなチョコクッキーのようになるんだろうか? さっそく板チョコを購入し、作ってみることに。

今回初めて知ったのですが、スーパーやコンビニなどでよく売られているタイプの板チョコはたいてい1枚50g。つまり100gなら2枚購入すればOKです。板チョコをぽきぽきと手で割り、電子レンジで溶かす。そこに小麦粉50gを入れて混ぜ合わせれば生地は完成。

ちゃんとクレラップでまとめましたよ!

おお! ちゃんとクッキー生地っぽくなりました。これをラップにくるんで棒状に伸ばし、冷蔵庫で休ませて包丁でカット。150度のオーブンで20分焼いたら完成です。

ちゃんとクッキーっぽくなりました! これは感動! さっそく食べてみましたが、焼き立てクッキー特有のちょっと柔らかい感じはありません。ただあの焼きたてのホカホカ感とホクホク感がちゃんとあり、これだけで幸せな気持ちに。こんなに簡単なら、もっと作りたい! そんな風に思った素晴らしいレシピでした。

またまた千切りキャベツが登場…

そしてもうひとつ。「キチントさん@楽うまレシピを紹介」でよく作るレシピはこちらの「千切りキャベツとツナのサラダ」。前回に続き、また千切りキャベツが登場です。私、どれだけ千切りキャベツを愛用しているのでしょうか……。

千切りキャベツはスーパーはもちろんコンビニでも手に入るのがポイント。個人的にはもっと評価されてもいい食材です。千切りキャベツをテーマにしたレシピ本があれば、私は絶対に買いますよ。
 
(つづく)
 

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