日本うつ病学会2023③「当事者の視点から考える双極のリカバリー」(後編)
前の続きです。
私の理解の範囲で書いていきます。
また、学会でも全ての発表が全ての人に当てはまるわけではない、という説明がなされていました。
「当事者の視点から考える双極のリカバリー」(続き)
座長:加藤 忠史(順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学)
演者:高江洲 義和(琉球大学大学院医学研究科精神病態医学講座)
松浦 秀俊(双極はたらくラボ編集長/株式会社リヴァ)
〇高江洲義和先生、松浦秀俊さんのディスカッションから
せつな(刹那)的に考えると燃えつきるが、長期的視点を持つと短絡的な考えが減る
セルフモニタリングの難しさがある
記録をつける→自己理解→セルフモニタリング→セルフケア
どうしたら身につくのか、病院の心理教育なのか、自己チェックなのか、まだ調べられてはいない
〇松浦秀俊さんの日々気をつけていること
・「調子がいい」と「軽躁」はもはや区別をしていない。同じものだと思っている
・「フラットな状態」を目指さないようにしている
・「一寸先はウツ(鬱)」だと思っている
・やっていく中で楽しみを見出した仕事の中で、自分の関心事に寄せていって今の仕事がある
〇高江洲義和先生の説明
・平常時の感情が増幅されているのが軽躁。平常時 「うれしい1」と感じるものが、軽躁だと「うれしい3」になる
・「重症ではない」と「セルフモニタリングできている」に因果関係はない
最後のところで、加藤忠史先生(座長)が、
「何十年か前のヨーロッパの学会で、当事者の方がどんどん意見を言うのを見て驚いたものだが、今日はたくさんの当事者の方がマイクの前にお立ちになりお話しなさるのを見て、あぁ、日本の医療もやっとここまで来たと思いました」
と感慨深くお話しなさっていました。長い間患者とともに伴走してこられた加藤忠史先生やたくさんの医師たちの思いを感じたお言葉でした。
また、私たち当事者は受け手でいるばかりで、弱者な気がしていましたが、医師や研究者をほんの少し力づけることもできるんだなぁと、そういう場面を見られたなと思いました。
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