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星新一という名の宇宙怪獣が地球にあたえたブラックユーモアをウルトラマンが倒してしまう話

ウルトラマンは宇宙怪獣を倒し地球を守る。でも宇宙怪獣よりも地上のビルを多く倒す。ぼくは小さいころから、そういう本質からずれたことばかり気にする。そのおかげで開く世界もあるわけだが、得はあまりない。



さて、僕はビートルズが好きだ。本当だよ。ファッションではなく、パッションで好きなんだ。たとえるなら情熱の赤い薔薇。燃えさかる真実の愛だ。(?)


先日(と言ってもずいぶんと前になってしまった)の『Let It Be』50周年記念盤の発売で、ビートルズのオリジナルアルバム50周年記念は一通り終わりを見せたように思う。


ぼくは低所得者層の代表的存在であるから、それらにお金を出すようなことはできなかった。でもいまやサブスクで聴ける時代。ちょっぴりさみしさはあるが、そちらで楽しませてもらっている。

音質を聞き分けられるほどの高級な耳は持たないので、5.1chであるかどうかは正直どうでもよくて、僕が欲しいのは未発表音源、未発表テイク。彼らのレコーディングの風景を想像できるし、息づかいを感じられる。彼らが僕と同じくらいの年齢のとき、いったいどのような魂を持っていたのだろう。ダブルミーニングで住んでいる世界が全く異なるわけだが、だからこそ、当時の彼らと対話をしたいのだ。

ぼくと彼らとのコミュニケーションに言葉は介在しない。ノンバーバルともわけが違う。一方的な妄想。想像の域を出ない「ゆめみごこち」の世界。体中に広がる充足、そして最後に残るもの悲しさ。


『これだ。これでいい。彼らとの対話はさみしさを残してこそさ。』



前々作になろうか『ホワイトアルバム』の50周年記念盤もよかった。それは何より僕の一番愛するジョージを感じるアルバムだったからだ。


でも、『ホワイトアルバム』のそれや『アビーロード』のそれよりも、今回はコレクションが充実しているように感じる。テイクの違いがはっきりしていて分かりやすいのもあるし、なにより本作のレコーディング時期は、タイミングがタイミングだっただけに、埋もれている音源がたくさんあったのではないか。(いや、よくも悪くもいろんなかたちで『Let It Be』は出ているから、そんなこともないのか?)

聴いていればはっきりと感じられる「発見」がこれまでよりも多くあり、マニアごころをちょうどよく刺激してくる、そんなアルバムである。





などと僕は本気で思っているのだが、レビューを見るとみんなあまり満足いっていないようだ。「やっぱり、フィルスペクターの○○のほうが良かった」という人もいて、たしかに一部で同情は禁じ得ないのだが…。




ま、なんでもいいのだ。彼らを感じることが重要で、良し悪しは僕には決められない。ビリープレストン君が楽しそうにしている様子も確認できたし、もとよりぼくには彼らの哲学を追いかけることしかできない。それが醍醐味で、それが「さみしさ」につながるわけである。




『Nothing from Nothing』であり、

『Nothing's gonna change my world』である。




憧れはちからなく、景色はただ彼らのそばにある。


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