
日本人全員読むべき!『さっさと不況を終わらせろ』 Byポール・クルーグマン!
日本は数十年経済成長していません。
いったいいつになったら不況が終わるのでしょうか?
ノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマン氏は、著書『さっさと不況を終わらせろ』の中で、現在の経済状況を分析し、具体的な解決策を提示しています。
本書は、経済学の専門家だけでなく、一般の読者にも理解しやすいように書かれており、世界経済の現状と未来を考える上で必読の書と言えるでしょう。
この記事では、『さっさと不況を終わらせろ』の内容を、以下の構成で詳しく紹介します。
本の概要:著者、出版年、出版社などの基本情報と、本書の構成を紹介します。
不況の現状分析:クルーグマン氏が本書で示す、世界経済の現状分析を紹介します。
不況からの脱却:クルーグマン氏が提唱する、不況脱却のための具体的な政策を紹介します。
本書の意義:本書が経済学や社会に与える影響について考察します。
本の概要
『さっさと不況を終わらせろ』は、2012年7月に早川書房から出版された、ポール・クルーグマン氏による経済学書です。
原題は "End This Depression Now!" で、山形浩生氏によって翻訳されました。
本書は、リーマンショック後の世界経済の現状を分析し、不況から脱却するための具体的な政策を提言しています。
クルーグマン氏は、ケインズ経済学の立場から、政府による積極的な財政政策の必要性を主張し、緊縮財政や金融政策の限界を指摘しています。
不況の現状分析
クルーグマン氏は、リーマンショック後の世界経済について、需要不足が深刻化し、デフレに陥るリスクが高いと分析しています。
世界経済で何がおかしくなったかを理解するための決定的な特徴は、「あなたの支出はぼくの収入であり、ぼくの支出はあなたの収入」となるという事実です。
これは、経済活動が相互に依存していることを示しており、一人の支出が他の人の収入に繋がり、その収入がまた別の人の支出に繋がるという循環構造を形成しています。
特に、アメリカでは失業率が上昇し、雇用情勢が悪化していることを指摘しています。
求職者一人に対して、4つの求人があるという状況であり、一度失業すると次の仕事を見つけるのが困難になっています。
ただアメリカは、2025年にこの状況を脱しましたが、日本はまだこの本に書いてあることを全般的に脱していないので、日本においては参考になります。
また、長期失業者が増加していることも問題視しています。6か月以上仕事を探している人が600万人、1年以上探している人が400万人おり、これは2007年の5倍に相当します。
さらに、アメリカでは失業すると健康保険を失うケースが多く、社会的なセーフティネットが脆弱であることも指摘しています。
不況からの脱却
クルーグマン氏は、不況から脱却するためには、政府による積極的な財政政策が必要であると主張しています。
財政政策
具体的には、公共事業への投資や減税などによって、需要を創出し、経済を活性化させるべきだと述べています。
これは、政府が積極的に支出することで、企業の投資や雇用を促進し、経済全体の需要を増加させるという考え方です。
金融政策
金融政策の限界も指摘しています。中央銀行による金融緩和は、一定の効果はあるものの、需要不足を解消するには不十分であると述べています。
金融緩和は、金利を引き下げることで企業の投資を促進する効果がありますが、需要不足が深刻な場合には、企業は金利が低くても投資を控える傾向があるため、効果が限定的になる可能性があります。
歴史的成功例
クルーグマン氏は、過去の事例として、真珠湾攻撃を受けたアメリカが、戦争準備のために政府支出を大幅に増やし、不況から脱却したことを挙げています。
これは、政府支出の増加が、経済活動を活性化させ、雇用を創出し、不況から脱却する効果があることを示す歴史的な事例です。
日本の経済状況
クルーグマン氏は、日本の国債発行が多く財政赤字が大きいが、欧州(英国やユーロを使用していない国は除く)と異なって、自国通貨で自国民相手に発行しているので問題ないという見解を示しています。
これは、自国通貨建ての国債は、政府が通貨発行権を持っているため、デフォルト(債務不履行)のリスクが低いという考えに基づいています。
本書の意義
『さっさと不況を終わらせろ』は、リーマンショック後の世界経済の現状と課題を、分かりやすく解説した書です。
クルーグマン氏の主張は、経済学界だけでなく、政治や社会にも大きな影響を与えました。
本書は、不況対策を考える上で重要な視点を提供しており、経済学を学ぶ学生や、経済問題に関心のある一般読者にとって必読の書と言えるでしょう。
結論
この記事では、ポール・クルーグマン著『さっさと不況を終わらせろ』の内容を紹介しました。
本書は、リーマンショック後の世界経済の現状を分析し、需要不足の深刻化とデフレのリスクを指摘しています。
特に、アメリカにおける失業率の上昇、雇用情勢の悪化、長期失業者の増加、社会的なセーフティネットの脆弱性などを具体的に示しています。
そして、不況から脱却するためには、政府による積極的な財政政策、すなわち公共事業への投資や減税などによって需要を創出し、経済を活性化させるべきだと主張しています。
また、金融政策の限界も指摘し、中央銀行による金融緩和だけでは需要不足を解消するには不十分であると述べています。
さらに、クルーグマン氏は、真珠湾攻撃を受けたアメリカが、戦争準備のための政府支出によって不況から脱却したという歴史的事例を挙げ、財政政策の有効性を示唆しています。
本書は、クルーグマン氏の明快な分析と主張によって、経済学の専門家だけでなく、一般の読者にも理解しやすい内容となっています。
リーマンショック後の世界経済の現状と課題、そして不況脱却のための処方箋を学ぶことができる本書は、経済学を学ぶ学生や、経済問題に関心のあるすべての人にとって必読の書と言えるでしょう。
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