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おだんご
2022年12月14日 16:11
第8話 青柳、水泳部だろ今までのお話はこちらから。あのさ、結婚するんだって。久しぶりの電話口の望月の声は、少し大人びていた。私も望月も高校2年生になった、冬の入り口にそのニュースは唐突にやってきた。椿山中学校の生徒会仲間であり、かつて恋焦がれた望月とは、別の高校に進学した。舞子ともハムとも、進学を機にみなバラバラになって、顔を合わせることは少なくなった。でさ、サプライズ
2022年12月4日 10:29
7話 近田くん、あなた変わりすぎよ。これまでのお話はこちらから。夕方5時。虹子が奥で仕込みのスープを味見しているとカランコロンと扉が開き、陶子の声がした。珍しく陶子が舞子ちゃんと敬君と、近田君を連れてきた。一気に店内が明るくなった。虹子には人の背中に色が見える。それは別に特別な力ではない。賑やかに言葉を交わす一同の色は、綺麗に混じり合って調和していて、見ている虹子を幸せ
2022年9月18日 15:52
6話 陶子、それって奇跡だよ前話までのお話はこちらから望月に彼女ができた。体育祭の盛り上がりの後、夏休みを終えて新学期が始まると、望月は剣道部のゆみちゃんと付き合っていた。寝耳に水。とはこれか。2人は別にイチャイチャベタベタもしていない。ただ、生徒会の終わる頃に、ゆみちゃんが生徒会室に望月を迎えに来るようになった。中学生の付き合うとは?登下校を2人ですることにほかな
2022年6月15日 13:35
5話 先生、たまにはいいとこあるよね。前話はこちら。部活動対抗リレーの実施が決まり、1番に連絡したのは京子先輩だった。京子先輩は、電話の向こうで弾んだ声を出して陶子、えらい。よく頑張ったなあ。ありがとう。もう!ほんとに!わしゃわしゃしたい!(私の頭を子犬のように撫で回す京子先輩の愛情表現)あやめと観に行くね。あとさ、写真買った子と話ができたんだよ!陶子、驚くよ!その子はさ、
2022年6月2日 17:32
4話 校長、近田先生のあれは演技です。前話はこちら椿山中学校のモットーは自主自立。これからの時代は、あなたたちが考えて発信して新たな価値観を創造することが求められます。既存のルールや慣習にとらわれすぎず、自分に生まれるイメージやこだわりを自由に表現してほしい。私はそう思います。と、小山田校長は5月8日の朝会でそう仰られましたよね。ハムが一言一句淀むことなく、その校長先生の言
2022年4月26日 08:27
3話 望月、ここは絶対譲れません。1話はこちら2話はこちら私、青柳 陶子。15歳の中学3年生。今、土曜日の13時を回ったところ。歯に青のりがついているよ。とあろうことか私を好きだと告白してくる非常識な28歳の理科教師に指摘され、廊下の水飲み場で絶賛歯磨き中。私が口を濯ぐためにプラのカップを口元によせるまさにその時、生徒会室から舞子が走ってきた。口を真一文字に
2022年4月11日 13:56
第2話 舞子、さすがにやりすぎです。1話はこちらどうも。私、青柳 陶子《あおやぎ とうこ》15歳。ご興味あれば↑あちらをクリック。詳細は1話に。土曜日の12時半。私は生徒会室で舞子とお弁当を食べていた。舞子とは。同級生の木更 舞子《きさら まいこ》だ。身長160センチ、漆黒の長い髪は艶めいている。舞子は生徒会副会長。ちなみに私は書記。バスケットボール部に所属している
2022年4月4日 22:58
1話 先生、漫画の読みすぎです私、青柳 陶子。椿山中学校の3年生。身長155センチ。体重は言うわけない。部活は水泳部。生徒会の役員をしている。今、私の目の前にいるこの人。近田 武志、28歳。椿山中学校の理科教師。身長175センチ。体重なんかしらないが痩せ型。部活は囲碁将棋部顧問。生徒会の担当教師。今、ここは生徒会室。私は来月の学年行事の栞を下書きしていて、近田は、隣で