見出し画像

詩『あなたがいた道』

それはまるで 昨日のことのよう
駅までの歩道を 振り返りながら歩いた あの日

二度と通ることの無いと思っていたあの道に
今 私は 立っている

どんなに歩いて振り返っても
私を見送るあなたが見えた
どんどん小さくなっていくのに
笑顔はちゃんと届いてきた
聞こえるはずの無い言葉まで 聞こえた気がした
見えるはずの無い口元の笑みまで 心に感じた


今 私は 立っている
あなたが私を見送った この道に

街路樹 歩道橋 標識 看板

あなたがいない事を除けば
すべてあの頃のままなのに

あなたがいない事だけで
心に何も響いてこない


それはまるで 昨日のことのよう

あなたが私を見送った
今日の日へと見送った

私はあなたに見送られ
こうして 今日を迎えている

あなたがいない事だけで
心がこんなに 泣いている


※使用画像元サイズ

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?