映画『MORE』感想
関連動画
なんか予告編動画などが存在しないっぽかったので、マーク・オズボーン監督が本作の制作について語っている動画を代わりに載せておきます。
……字幕などはありませんが。
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過去の感想文を投稿する記事【70】
過日、映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』感想文を投稿しましたが、本日は同じくマーク・オズボーン氏が監督した本作の感想文を投稿しますー。
本作は、ストップモーションによる短編クレイアニメ作品。……なんかYouTUBEでも観られるっぽいのですが、公式のものなのかどうかわからないので、本項ではリンクを載せておりません。
ちなみにですが、バーベット・シュローダー監督の『MORE モア』とは全くの別物です。普段と比べると短めの感想文ですが、よければどうぞー。
もしかすると『リトルプリンス 星の王子さまと私』と一緒に観ると面白いかも
『アメリカン・ショート・ショート2000』という短編作品集の中の一本。わざわざ鑑賞した理由は、監督がマーク・オズボーンだったから。同氏の監督作である『リトルプリンス 星の王子さまと私』を観た直後だったからかもしれませんが、同一人物による監督・脚本というだけで、考えさせられてしまう作品だったと思います。
本作は『リトルプリンス』と同様とも言えるテーマを孕みながら、それとは全く別のアプローチを仕掛けていた印象です。“童心を忘れないこと” を描いていたようにも見えた『リトルプリンス』に対し、“童心を忘れてしまったこと” に焦点が当てられていた本作『MORE』。“大人になる” ということの哀愁や葛藤を、主人公の環境の変化や時間経過といったフィルターを通して描くことで、その模様が摩擦や軋轢から寂寥や虚無感へとシフトしていく様が面白い。(「面白い」と言うと語弊があるかもしれませんが……)
音楽やキャラクターの質感などにも抜かりはありません。主人公の心情とリンクしたようなメロディ。そして、冒頭からエンドロールに至るまで音色のテイストは変化させながらも、メロディ自体は同じままにループさせるのは、物語の世界観ともリンクさせる狙いなのかもしれません。
クレイアニメに拘っているのも、色味の無い映像が続く中で時折流れる鮮やかなシーンとの差をつけるためだけではなく、人々が皆、渇いた相貌で同じ姿形という演出をより一層シビアに(或いはシニカルに)印象付けるためだったんじゃないかな。だとすれば、ドンピシャの表現だったと思います。
セリフが無いからこそ耳に痛いほど響く子供たちのはしゃぐ声や、色の無い世界だからこそ映える色鮮やかなイメージなども含め、余韻までをも深く味わえる、たかだか6分程度の作品とは思えないぐらい見どころが詰まった作品でした。
『映画.com』など映画サイトに、本作『MORE』の作品ページが見当たらなかったので、本作も含まれている『アメリカン・ショート・ショート2000』のページを載せておきます。↓
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