ソーシャルメディアにおける古代史の政治利用:ネガティブな炎上が過去を喰らう?
はじめに
近年の政治議論において、歴史的事実や過去の出来事を引用するケースが増加しており、ソーシャルメディア上ではその傾向が顕著です。しかし、このような「過去の政治利用」は、しばしば偏った解釈や極端な意見を助長する危険性をはらんでいます。本稿では、Bonacchiら(2024)の研究を基盤として、ソーシャルメディアにおける古代史の政治利用がネガティブかつ極端な方向に傾きやすいことを実証的に分析し、さらに日本古代史と比較しながら、現代社会における歴史認識の適切なあり方について