医療系の学生&理科の先生へ🐣免疫学を深める読書リスト
皆さんこんにちは🐰
今日は免疫学に関する本を医療系の専門学校・大学生や理科の先生方に紹介します🎁
免疫学は私たちの体がどのように外部の脅威から守られているのかを理解するための重要な分野です🥰
生物進化の過程で築かれた複雑な免疫システムは日々私たちの健康を支えています🛡️
一方でアレルギーや自己免疫疾患など免疫の過剰反応による問題も理解が必要です🤧
さらにワクチンや分子標的薬の開発や抗体や血液型の検査など医薬品や検査技術においても重要な役割を果たしています💉
一般向けの書籍から専門書まで実際に自分の勉強や授業づくりで使ってよかったなーと思ったものを取り上げます📚
一つひとつにリンクを付けましたので参照ください📲
まずはイラストの多い本でイメージづくり🥚
安部良監修.『いちばんやさしい免疫学』成美堂出版.
医療系の専門学校・大学生や理科の先生のなかでこれから免疫学を学び始める・改めて学びなおす方向けの一冊です.
免疫学の基礎から応用までを段階的に理解できる構成になっています.
第1章 総論
免疫の基本概念や免疫細胞の種類,自然免疫と獲得免疫の違いを解説し,免疫学の全体像を把握します.第2章 自然免疫系
体のバリア機能や自然免疫の働きを具体的に説明します.
食細胞や炎症反応,補体の活性化などが含まれています.第3章 獲得免疫系
T細胞とB細胞の役割,記憶細胞の機能など,特異的な免疫応答について学びます.第4章 リンパ球
T 細胞と B 細胞の分化や免疫寛容,遺伝子再構成による多様性の創出を説明します.第5章 感染症の脅威
新興感染症やワクチン開発,集団免疫の重要性を学びます.第6章 免疫と病気
アレルギーや自己免疫疾患,免疫の異常と疾患の関係について解説します.
私は第 5 章の内容が大変学びになりました!
第 1~4 章に書かれた免疫のしくみの理解は踏まえつつ感染症の検査や公衆衛生の内容になっています.
見開き 1 テーマで文章による解説と図解がセットになっています.
赤シート対応でテスト対策にも使えます.
次は新書でストーリーを読む🐣
審良静男, 黒崎知博, 村上正晃.『新しい免疫入門 第2版 免疫の基本的なしくみ』講談社.
専門書ほど堅苦しくないけどしっかりした学術的な内容が盛り込まれています.
免疫システムの基本から最新の知見に基づいた応用までを学べる構成になっています.
第1章 自然免疫の初期対応
第2章 獲得免疫の始動
第3章 B 細胞による抗体産生
第4章 キラー T 細胞による感染細胞の破壊
第5章 複数の免疫ストーリー
第6章 遺伝子再構成と自己反応性細胞の除去
第7章 免疫反応の制御
第8章 免疫記憶
第9章 腸管免疫
第10章 自然炎症
第11章 がんと自己免疫疾患
第2章に出てくる樹状細胞の抗原提示では「平常時の樹状細胞の表面」と「活性化した樹状細胞の表面」をイラストで比較している点が秀逸と思いました!
吉村昭彦.『免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム』講談社.
もう一冊ブルーバックスからのご紹介!
免疫システムがいかに重要かをがん・老化・脳との関係から解説しています.
第1章 人類の宿命・病原体と免疫の戦い
第2章 ヒトに備わった、5つの感染防御機構
第3章 病原体との攻防
第4章 自己を攻撃する免疫―アレルギーはなぜ起こるのか
第5章 炎症とサイトカイン― さまざまな病気と免疫
第6章 免疫とがん
第7章 老化を免疫で止められるか
第8章 脳と免疫の深い関係
2023 年 11 年の出版ということで,本書が執筆された頃の状況と世界的な動きは変わっている部分があると思いますが,全体的に一人の研究者の切り口で免疫をとらえているところに学びがあると思います.
マット・リヒテル.『エレガントな免疫 (上)』『エレガントな免疫 (下)』ニュートンプレス.
(原書: Elegant Defense, An: The Extraordinary New Science of the Immune System: A Tale in Four Lives)
科学的な知見の紹介はもちろん,4 人の登場人物の実際の生活や闘病の物語を通じて免疫システムの働きを描き出しているドキュメンタリー的な要素が強い書籍です.
異なる健康問題 (Hodgkin リンパ腫,自己免疫疾患,HIV) に直面する 4 人の人物の物語を通じて免疫システムの複雑さを解説しています.
個々のストーリーを通じて免疫システムがどのように病原体に対抗し,同時に体を保護するためのバランスを保っているかが描かれています.
そして専門書としての教科書から学ぶ🐓
Peter Parham.『エッセンシャル免疫学 第4版』メディカル・サイエンス・インターナショナル.
(原著: The Immune System, 5th ed.)
専門的な内容に踏み込みたい方には,大学レベルの教科書がおススメです.
(大学によっては免疫学の講義の教科書に指定されているかもしれません)
原著が 2021年,訳本が 2023 年の出版なので,いわゆるアフターコロナの学びを後押しするといわれています (実際この手の専門書ではかなり新しい).
基礎医学としての免疫学の基礎から応用まで幅広いトピックを網羅しています.
第1章 免疫系の構成要素と生体防御における役割
第2章 自然免疫:感染に対する迅速な応答
第3章 自然免疫:感染に対する誘導応答
第4章 抗体の構造と B 細胞の多様性
第5章 T 細胞による抗原認識
第6章 B 細胞の分化
第7章 T 細胞の分化
第8章 T 細胞を介した免疫
第9章 B 細胞と抗体による免疫
第10章 粘膜表面における感染制御
第11章 免疫記憶とワクチン接種
第12章 自然免疫と適応免疫の共進化
第13章 生体防御機構の破綻
第14章 アレルギーと寄生虫に対する免疫応答
第15章 組織と臓器の移植
第16章 適応免疫応答による健常組織の破壊
第17章 がん,腫瘍免疫,免疫療法
本書の特徴は一貫した描かれ方の図表 (挿絵) です.
ヒトの免疫に関わる重要な分子の立体構造図や作用機序の模式図など,分子レベルで免疫システムを理解するための図表が充実しています.
また出版社 (メディカル・サイエンス・インターナショナル) の web ページから演習問題と解答の PDF ファイルをダウンロードできます.
演習問題によるアウトプットは特に専門学校生・学部生には重要ですね.
一言二言
免疫学は少し難しいかもしれません🥺
自分の学習段階に沿って必要な本を読んでいく中で…
免疫のアウトラインから奥深さを少しずつ見えてくるのではないかと思います✨
今回は私の視点で 5 点に絞りましたが学んでいく中で自分のレベルにあったものと出会えることが一番と思います!
ここに上げたものが皆さんの免疫学の学びに役立てば幸いです🐰