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『なにがわからないかがわからない』がわかるようになる、4つのポイント
石川県金沢市。石川県庁と金沢港の間のあたりにあるコミュニティハウス・シェアマインド金沢で、月に一度開催されているセルフケアセミナー「ゆらっく」。2017年12月開催のセミナーへ参加したときの話です。
このときのテーマは「『なにがわからないかがわからない』がわかるようになる、4つのポイント」。
こういうの大好き!ソクラテスの「無知の知」にも相通じそうな言い回しのするテーマ、この場ではいったいどんなことを感じ取れるのか。好奇心たっぷりワクワク感満載で食いつきました!
セミナーの流れ
最初は【チェックイン】。
いろいろな問いが書かれている50枚ほどのカードから1枚だけ引いて、その問いに対する自分の気持ちや感覚を自己紹介を兼ねて言い表してみる。これがこころの声をきくウォーミングアップになる感じがします。そして…
◇
引き続き【マインドフルネス】に入ります。
各自、心地よく落ち着ける場所へ移って、静かにゆっくりと自分の呼吸を整えて集中します。
<マインドフルネスで自分の呼吸に集中>
ここでは約3分間、20まで呼吸を数え続けることに意識を向けます。違うものへ意識が向かってしまってもOKです。そのことに気がついたら「ああ!集中できてない!だめだめ!」などと否定をしないで、違うものへ向かった自分をそのまま認めて、ふたたび呼吸へ意識を戻せばよいです。あくまでも「自分の感覚と思考の流れに気がつく」ことを大切にします。
最初は意識が違う方へ飛ぶ飛ぶ!
それでもこの場へ参加していって、月に一度たったこれだけ実践するだけでも、だんだんと呼吸への集中が持続するようになってきました。
◇
そして、セミナーのメイン【テーマワーク】へ 。
今回のテーマ「『なにがわからないかがわからない』がわかるようになる、4つのポイント」。なにがわからないかわからない。それがわかるようになる。なにがわからないのかわからない…それがわかるように…なにがわからないのか?それがわからない…えーと…
もうええわ!早う先にいかんかい!
…という絡みがセミナーの場で勃発したわけではありません。念のため(汗)
<なんやて?ハゲ割でインすると500円浮く?>
なんかわかったようなわからないようなモヤモヤするものごと。そんな感覚をクリアにしていく「なにがわからないかがわかるようになってくる」ワークを
ハゲ割でインすると500円浮くげんて!
という、なんかシュールな響きのするお題で実践していきました。どうよこの秀逸なお題!この「なにがわからないかがわからない」ような説明!
考える力とコミュニケーション力を育むという「教育のためのTOC(TOCfE)」という思考ツールを用いて、①ものの見かたや捉えかた~視点~を点検して、②因果関係や論理が誰が見ても「なにを指しているかがわかる」ように整合性のある順序になっているかを確認して、③ときには修正していきます。
そういう、ひとがものごとを見て自分の決定や結論を引き出すまでのつながりの過程を細分化・可視化することで
「ハゲ割でインすると500円浮く」ってなんやねん!
の、この「なんかよくわからない感」をクリアにしていくのでした。
<モワンとするものごとを点検する視点・順序>
前段の①②③をしていくわけですが、具体的には以下のような質問をしていきます。
1. 文章の中に含まれている単語や部分の意味するところがわかるだろうか?(明瞭性の確認)
2. 言っていることは本当に存在するのだろうか?本当に実現するのだろうか?→それは本当にそうなのだろうか?本当にそうなるのだろうか?常にそうなるのだろうか?(存在の妥当性の確認)
3. 言っていることに含まれる前提や条件と結論は、互いのつながりがしっくりくるだろうか?それとこれは直結するだろうか?(因果関係の妥当性の確認)
4. 他には必要なことはないだろうか?(必要条件)
1. 「ハゲ割」ってどういう意味や…?「インする」ってどういう意味や…?「500円浮く」ってなんや…?(明瞭性の確認)
2. 「ハゲ割」って本当にあるんか…?「ハゲ割でインする」ってそもそもできることなんか…?「インすると500円浮く」って本当にそうなることなんか…?それ必ずそうなるんか…?(存在の妥当性の確認)
3. 「ハゲ割」と「インする」と「500円」と「浮く」が一体どうつながるんや…?なんで「ハゲ割」で「イン」できるんや…?「500円」と「浮く」ってつながるんか…?(因果関係の妥当性の確認)
4.「ハゲ割」で「インする」にはどういう条件があったらそうなるんや…?「500円」はなにをどうしたら「浮く」んや…?(必要条件)
ウンヌンカンヌンと点検・確認をしていって、
ハゲ割でインすると500円浮くげんて!
というのが、一体どういう前提で何のことを指して言っているのかを理解できる ~「なにがわからないかがわからない」がわかる~ ようになっていくわけです。
さて
ハゲ割でインすると500円浮くげんて!
結局のところどういうことなんや…?
その答えは、ここでは割愛しましょう…イッヒッヒ。
セミナーの場では、
ハゲ割でインすると500円浮くげんて!
が、前段の確認と点検のプロセスを体験することによって
ああ…そういうことな?
と、わたしを含め全員がちゃんとわかった、とだけ申し上げておきましょう。
所感:わかるようにするということ
漠然と、なんとなく、ぼんやりと、ふんわりとしていることを、ひとつひとつ丁寧に解きほぐして、わかるようにすること。それは、細かくてめんどくさいことのようでいて、実はとても「相手の言うことを尊重して気遣う」のに必要な大切なことであることをあらためて感じました。
・会話の(暗黙の)前提条件をあわせる。
相手と会話や議論をするときに、
まず互いに同じ土俵に立つ。
・相手の意図を汲み取る。たしかめる。
理解に徹する。
・問題点や、問題の構造を可視化する。
こういうことは、重箱の隅をつつくようなことでは決してなくて、親しい、近しい、馴れ合った相手であればあるほど、怠りがちな、手を抜きがちな「気遣い」である。めんどくさがることなくこういう「気遣い」をしていくことが、自分も相手も互いに認め合える...信頼を築いて持続させていくことにつながるのだと思います。
コミュニケーションでも、こういう「ちょっとしたひと手間」。結局のところは、その積み重ねが「ゆらっく=あなたがラク」。
あなたがラクであれば、わたしもラクになる。
ひときわおもしろく、十二分に味わうことができました。
「ゆらっく」セミナーについて
ゆらっく とは…
ゆらっく:『あなた(You)』が、『楽に』なれる場所
「自分としっかり共にいる」
「自分の声に耳を傾ける」
「自分とゆっくり対話する」
講師は福多唯(ふくだゆい)さん。
女性護身術「Wen-Do(ウェンドー)」の、日本人初、かつ唯一のマスターインストラクターとして、女性専用のセルフディフェンスの普及活動に取り組んでおられます。企業や教育機関などでの教育・講演も多くの実績を残されています。
セルフディフェンスから派生した「いろんなパワー(外圧)に対する心的防御」として、日頃の自分の心持ちを整理する、また、自分の内なる声に耳を向けて、自分の思いや感覚を大切にすることが、日頃のセルフケアとしてスムーズに取り入れられるようになるためのセミナーでもある、とわたしは捉えています。
日常のこころのセルフケアのヒントをやさしく知って体験することができる。それにはうってつけの場であると思います。