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JAIST社会人セミナー「価値を生み出す伝え方」

JAIST社会人セミナー2018 地域人材育成セミナー【水曜学ぶでしょう】。
第2回。2018年5月23日開催の講座に参加しました。

この日開催されたのは「価値を生み出す伝え方」。
講師は、フリーアナウンサーの宮川俊二さん。
NHKのアナウンサーを経てフリーに転向。「ニュースJAPAN」やその他情報番組、バラエティ番組などに出演され、現在は大学講師を務めたり執筆活動を活発に行われておられます。

セミナー参加の動機

今回の参加動機もまた、至ってシンプル。

情報発信。
これからの時代、なにをしていくにしても、とても大切な能力と習慣であるということを1年ちょっと前くらいから感じ始めていました。

ブランディング。
情報を発信したい、それをしていくことが大切だ。そういう「思い」だけあってもダメで、如何にして伝えたい相手に対して「伝わるような」発信をするか。そのあたりはほとんど学んだことはありません。

JAISTセミナーでは、しばしば「どのように伝えるのか」ということがテーマに含まれるように感じていますが、その機会でしか触れたことはなく。
自分の考えや想いを効果的に伝えるために必要なスキル、その磨き方。その一端でも知ってみたいというほどの目的をもって、参加してみました。

講義の内容

情報発信におけるブランディング、すなわち「効果的な伝え方」とは...

『他の誰にもない自分だけ』のものを
『誰にもわかるように』伝えること

誰にもわかるような伝え方は、自分ではない誰かから教えてもらって身につけることはできます。

しかし、他の誰にもない自分だけのものは、自分でしか思い出せない、見い出せない。だから、ここに気づくことが大切。そして、それはできるだけ、他者の追随を許さないほどのぶっちぎりのものであること。

…そうは言っても、そんなぶっちぎりのものを誰もが持っているわけではありません。たいていの人は「ぶっちぎり」なものを最初から持ち合わせてはいなくて、自分のできることなり持ち味なりを少しずつ探りながら生きてきたはずである、と。うん、確かにそのとおり。自分もそう。

そこで、自分の持っているものを、ひとつだけではなく、ふたつみっつ、複数組み合わせることで、自分独自のものを組み立てていって「他の誰にもない自分だけのもの」とする。そう考えて見い出していってもいいわけです。

周りとの差別化ポイントがすぐに見い出せなくなったときに「咄嗟になにが言えるか」。そこが非常に大事なところ。
ただし、そのような「自分独自の、他者との差異点を素早く見つけ出すための観察力」を発揮するだけではまだダメで、他者へ話して伝える以上は「着地点」へ持っていかなければいけない
それこそが、咄嗟にでもほんとうに伝えたい自分のこと。

さらには「時間感覚」も大切。
ここで言う時間感覚とは、自分が話す時間は、自分の話を聴いてもらうために相手からいただいた時間なんだという意識
「相手の時間を奪っている」。そうまでして、自分は相手になにかを伝える。だからこそ、如何にコンパクトに、誰にもわかるように伝えるのかが大切わかるように伝えるのかが大切ということ。
それは、話す内容もさることながら、声の調子や言葉の並べ方にも現れる。もちろん、話しているときの表情やしぐさも多分に影響しているでしょう。

こういうことを踏まえて「エッジの効いたキャッチ」を持つこと。それが、自分をブランディングするということであって、伝え方を磨くということである。

如何に常日頃からそれを実践していっているか、なのでしょう。実際に人に伝える機会があるかどうかに関わらず。

「エッジの効いたキャッチ」を考える!

講義の後半では実際に「エッジの効いたキャッチ」を考えるワークを。

自己PRの内容を30秒程度で言えるようにまとめる

30秒で話せる量とは、おおよそ160~170文字程度
基準は1分間で300文字。このことは以前に別の場で聞いたことがあって、知っていました。ちなみに、自己紹介は30秒(160文字程度)。祝辞のスピーチは3分(900文字程度)。このくらいがちょうどよい量とされているようです。

自己PRの構成は以下の3段階。

1.キャッチ
 いわば、自分の「見出し」
 9~13文字くらいの短いセンテンスで、体言止めで言い切る。
 そうすると強いキャッチになる。

2.具体的なエピソード
 そのキャッチとしたココロは?というところを、
 聞き手に、映像や音を伴ったイメージをさせられるように、
 だけども短めに説明する。

3.着地点
 自分の「セールス(アピール)ポイント」
 ここも体言止めでバシッと言い切る。

これだけを30秒(160~170文字)の範囲で収めるわけです。

まずは字数を意識するのが基本ということで、自己PR内容を160文字くらいに収まるように考えていったわけですが…なかなか大変!
内容を減らして減らして、削って削って、なんとかひねりだすことはできました。

PRすることを所定の文字数に収めることはなんとかできた。それはいいとして、果たしてその内容が「エッジの効いたキャッチ」になっているのかどうか…そこまでは、セミナーの時間の中では確かめることは叶いませんでした。

ですが、参加者のいくつかの実例を聴いてみるととても参考になるものです。宮川さんからのアドバイスも添えられることで、具体的に気をつける勘どころを知ることができる。こういうことは、その場に参加しないと感じることができない。貴重ですね。

所感

非常に知名度の高い方が講師としてやってきたこともあってか、自分が知る限りではいつもの倍ほどの参加者の人数。多くの参加者の中へ開始ギリギリのタイミングで駆け込み…

宮川さんが登場して講義が始まると、さすが有名フリーアナウンサー。非常にテンポがよく、淀みなく安定した話しぶり。話がとても聴き取りやすかったのが印象的。講義内容の合間に挟まれるエピソードも実に多種多彩。

セミナー終了後にJAISTの敷田さんがおっしゃったことですが、

宮川さんが話している間はずっと、話の間(ま)をつなぐ「えー…」がまったくなかった

言われてみたらそうでした。

話し方や伝え方を鍛えられてきたということももちろんあるでしょうが、きっと常日頃から、身の回りの日常のあらゆるものごとを「伝えるネタ」として取り込んでいて、ごく自然に話の構成に組み込むことができているからこそ、途中で「えー…」などと詰まることなく話せるのでしょう。

何ごとも「アウトプットすることを前提に」
自分自身はそのことをついこないだ意識してやり始めたクチで、曲がりなりにも習慣にすることができかけていますが、講義での宮川さんの話しぶり、そして敷田さんのコメントから、より一層その重要性を感じたのでした。

最後に、自己PRの必要性についてJAISTの坂村さんがコメントされたことから得たこともご紹介しましょう。

自己PRをする機会は増加している。
多くの協力を得るためには、初対面で自分を早く受け入れてもらう必要がある。それが自己PRの機会。

「伝える」から「伝わる」へ。

自分が伝えた情報を相手にアウトプットしてもらえると、伝わったかどうかがわかる。相手がアウトプットできる、聴いたことを思い出しやすい、ということは、相手の感情を動かす~心の距離を近づけることにつながる。

あらゆる場でどんな「キャッチ」が適しているのかを意識する。
いくつもある「自分の持っているもの」を、寄せ集めて組み合わせることで「他の人にないもの」を見い出すことが「他の人がやらないもの」を見い出していくことにつながる。

ちょっとした情報を発信するということひとつとっても、いろいろな発見があります。深いものですね…おもしろいです。

JAIST社会人セミナーについて

JAIST(ジャイスト)とは、北陸先端科学技術大学院大学の略称です。
この大学自体は石川県能美市にありますが、金沢駅前の日航ホテルに隣接する「ポルテ金沢」のオフィス棟の中に、金沢駅前オフィスとしてやや小規模な研修スペースがあります。

JAIST社会人セミナーは、毎月後半の水曜日に開催されています。
事前の申し込みは必要ですが、受講にあたっての前提知識や資格のようなものは特にありません。誰でも無料で参加できます。

北陸先端科学技術大学院大学ホームページ:
 https://www.jaist.ac.jp/index.html

JAIST社会人セミナー案内(事前申し込みはここからできます):
 https://www.social-jaist.com/

「地域人材育成セミナー」という別名のとおり、ここでの学びを、地元に、身近に展開して実践していくことで、地域の活性化に寄与することが主な目的ではありますけども...

あまり敷居が高いものと捉えずに、毎月後半あるいは月末の、水曜日の夕刻から夜にかけて。敷居の高い教育機関が提供する、気軽に参加できる学びの場。そこでひとときを過ごして学び楽しむのも悪くはないと思いました。

「水曜学ぶでしょう」試しに如何でしょう?

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