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ほぼほぼ日刊パルプ冊子

パルプスリンガー、遊行剣禅のパルプ小説個人誌です。 ほぼ一日一回、1200字程度の小説かコラムが届きます。 気分に寄っておやすみするので、大体月間10回~20回程度の投稿になりま…
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#小説

No Books, No Energy #むつぎ大賞2024

 かつて、図書館とは知の殿堂であった。今では、図書館が示す語義とは書力発電所の事である。…

異世界遭難ライフ #AKBDC

「腹……減ったな……」  アクヅメは遭難していた。それも人生で通算四度か五度目の異世界遭…

デリシャス・イン・ツキジダンジョン

寒々しい打ちっぱなしのコンクリート通路を、寒風が吹き抜けていく。 そこに転がる、場違いな…

このズレた世界にようこそ #むつぎ大賞2023

 ノイズ、次にパッションピンクとイエロー、それから白く濁った半透明。 それが彼女が瞳を開…

パルプアドベントカレンダー2022開催中です!

今年もこの季節がやってまいりました…すでに逆噴射小説大賞と並んでnoteの風物詩っぽいやつに…

逆噴射小説大賞&パルプアドベントカレンダーライナーノーツ

逆噴射小説大賞も残すところ結果発表を待つばかり、パルプアドベントカレンダー2022も担当の日…

文章にとって、一番限られているリソースは読者の思考体力

文章を読んでもらう時、一番意識する要件。 大体の人は、読みやすさって答えると思うし、俺も以前だったらそう答えると思う。しかし、なぜ読みやすさが重要か、もう一段掘り下げて考えるようになった。 文章は読みやすくないといけない、その本質は読者の読解するための体力は有限のリソースだからで、特に過労不眠不休が蔓延している日本社会では、読解体力とでも言うべき思考能力は枯渇しているのが標準だ。 これは半分は読者の状態に依存するため、書く側にとってはアンコントローラブル、制御不能なパラメ

2022年度、逆噴射小説大賞、始まる!

10月、それはハロウィーン…チェイテピラミッド姫路城…そして、InkOctober…Noteで毎年最も盛…

今年も逆噴射小説大賞の季節がやってきた2022

今年もそろそろ逆噴射小説大賞の季節が来てしまった。 なんかふんわり調子が悪くて冴えなくて…

五十億の死、幾万の骸

 骸、骸、骸。 銀の骸、緋の骸、緑の骸、桃の骸、灰の骸。 おおよそ、黎明期のAIによって描画…

全裸の呼び声 -60- #ppslgr

「ハァ?」  レイヴンはとうとう、相方がこの異常空間におけるSAN値チェックに失敗し、狂気…

全裸の呼び声 -59- #ppslgr

『プロポーションッ!』  熱い露出誇示咆哮と共に闇の露出者はダブルバイセップスを、光の露…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ おまとめ版 第五話 #DDDVM

「ふんふん、物見の術がマニピュレーターとしても使えることにはどうやって気づいたんだい?」…

冥竜探偵かく語りき~生体迷宮停滞事件~ おまとめ版 第四話 #DDDVM

「ここですね」 立ち止まったリューノ殿が指し示した文字盤は、確かに私が指示した記号と一致していた。身震いを隠さないシャンティカ君。 「ここは危険物あるの?」 「いや、ここに保管されているのは比較的安全な遺物だよ」 「わかったわ、でも違う物に手を出さないようどれが対象なのかちゃんと指示してよね」 「もちろん」 黒灰の板によって塞がれている様にしか見えない出入り口は、リューノ殿が目の前に立った事でシュッという軽い駆動音を立てて右にスライド、そして来訪者を迎え入れる。 「わ