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文章にとって、一番限られているリソースは読者の思考体力

文章を読んでもらう時、一番意識する要件。
大体の人は、読みやすさって答えると思うし、俺も以前だったらそう答えると思う。しかし、なぜ読みやすさが重要か、もう一段掘り下げて考えるようになった。

文章は読みやすくないといけない、その本質は読者の読解するための体力は有限のリソースだからで、特に過労不眠不休が蔓延している日本社会では、読解体力とでも言うべき思考能力は枯渇しているのが標準だ。

これは半分は読者の状態に依存するため、書く側にとってはアンコントローラブル、制御不能なパラメーターである。が、もう半分は書く側が制御可能でもある。読解体力は、文章の読みやすさに応じて減り方が低減するためである。

それらは単に文章が読みやすい構成になっている、という要素にとどまらない。特に小説では、書く側は読書狂であることがほとんどのため、ちょっとやそっと情報過多でもするっと読み下せてしまうので冒頭に要素を盛りがちであろう(自己紹介)。

その辺は書く側に裁量はあるものの、現実的に幅広く読んでもらおうと思うと、どの程度未知の概念や表現を組み込んでいくか悩ましい要素となる。

基本的に、一般的でない概念を一つ入れるたびに読者の読解体力がそれらに削がれるため、情報量が多くなるほど(これは文字数が多いという意味ではなく、一文辺りに読み取れる情報量が多いという意味)読むのに必要な読解力と思考体力が多く要求される。結果、読むのが大変になり、読む人を選別してしまう。

もちろん、作品にあった情報量の割り振りがあり、文体があり、概念があるためとにかく平易な語彙と表現に落とせばいい、というわけでもないのが難しいところだ。

俺個人の好みでいうと、序盤からバシバシとんでも胡乱概念が飛び交うくらいゴージャスな表現の方が好みだし、実際過去作はそういう感じの冒頭からロケットスタートキメる作品が多かった。

が、それだと読む人を選びすぎてしまうため、今後はもうちょっと冒頭からの内容の情報量とか、開示される設定などについては注意を払った内容にしたい。

戦場へ

とまあ、小賢しい事考えても筆力があれば無理やり読ませられるんですけどね。資産と時間と筆力は無限にほしい。ほしくない?おれはほしい。

今回はここまで、またな。

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