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鬱病の救済措置・アルコールについて

アルコールは全てを解決する…とまではいかないが、全ての悲しみを包み込み、悠久の丘へと誘うだろう。そしてアルコールが切れたら、わたしはまた酒を浴びるように飲むのだろう。
──玉井すあま(1996〜)

どうも、酒クズです。
以前銀座で飲んだ赤玉スイートワインの味が忘れられず、近所のスーパーで買ってはガブガブ飲んでいる。安酒なのがありがたい。550mlで622円という破格でベロベロに酔えるのだから世話はない。葡萄ジュースのような甘さと飲みやすさ、ストゼロと違って発泡酒ではない(わたしは発泡酒がどちらかというと苦手である)ので手軽に飲める、そして悪酔いしない、それでストゼロより度数が高い、こんな素晴らしい酒が今まであったのか!?というくらいの衝撃。百均で買ったそれっぽいワイングラスに注いで飲むだけでハイソな気分になってくるが所詮は安酒である。わたしはアルコールに弱いので1杯でも飲めば数分で酔いが回ってベロベロになる。下戸のコストパフォーマンスの良さには我ながら目を見張るものがある。おまけにわたしは酒に慣れていないので舌が肥えていない。それゆえ、この酒はまずいとか、味がチープだとか、そういう感覚がそれほど身に付いていないのも大きなアドバンテージだろう。

突然ですが、皆さんはどんな時に酒を飲みますか?

仕事の疲れを癒すため、友達と盛り上がりたい時、一人で感傷に浸るため、自分へのご褒美、いろいろあると思うがわたしはもっぱら睡眠導入剤代わり(寝酒)とヤケ酒である。人生を減点方式で生きていると、どうしてもストレスが溜まるし生きづらい。それなら減点方式をやめたらいいのではないか、という意見は至極真っ当だが、生きる上で心に根深く刷り込まれた価値観はそう簡単に覆せる物ではないのだ。加点方式は甘やかしにしか見えないゆえ、ストイックに生きるうえでわたしは減点方式を採用している。減点対象は多岐に渡り、「知人を困らせてしまった」とか「目の前で電車が発車した」とかそういうポイントまで抑えて減点していると、100からスタートしたわたしのスコアは40くらいまで落ちている。昨日は特に酷くて10あったかどうかも怪しい。自分の落ち度によるものや、誰の落ち度でもない完全に運やタイミングによるものであったとしても自分に不利益がある以上減点して換算せざるを得ないためそれくらいにはなる。むしろならない方が珍しい。そんな時、たよりになるのが赤玉スイートワインというアルコールだ。

🍷「今日もつらかったね。思い通りにいかないことばかりで、昔からずっと人の悪意に晒されて、理不尽な目にあって大変だったね。でも僕(私)が一緒にいてあげるから、今はゆっくり休むといいよ」

意思を持った人間では到底なし得ないアルコールの優しさに涙が出そうになるが、現実に押し潰されそうになっているわたしに涙を流す力はない。ひとえにアルコールに甘えているほかないのだ。あとは抗うつ薬各種やデパスもスパイス程度に添えておく。
わたしは人生というものは地獄そのものであり、その中から少しでもマシな地獄を選んで苦痛に耐え忍び生きていくのが死ぬまでのタスクだと思っている。そんなわたしに、酒は心強い味方だ。
ただ、寝酒は太る。これは自明の理だ。
寝酒で1.5㎏増えた体重が寝酒をやめた途端綺麗に元に戻り、寝酒という文化の罪深さを感じたにもかかわらず、やはり睡眠薬だけでは心もとないためにアルコールに頼らざるを得ないわたしがいる。これがストゼロのような発泡酒なら、一時の気の迷いとして綺麗さっぱりやめていただろう。だが「炭酸抜きで」「甘くて飲みやすく」「何より安価」という良いとこ取りの酒を手に入れてしまった以上、わたしは寝酒という文化からそう簡単に足を洗えそうにない。現に「おつまみはやめよう」とか「一回で飲む量を減らせば太らないのでは?」とか試行錯誤しながら寝酒という文化に固執している。睡眠薬だけでは悪魔ばかり見てしまうのだ。高校時代、処女だったもののいじめの一環で「ビッチは死ね」と元彼をはじめとしたクラスの男子に囃し立てられたものだが、今でもその光景がありありと夢に出てきて、寝酒をしないとこんなものか、と嘆息したばかりである。メルカリの受け取り評価は来ない、体調は常に悪い、欲しいものは瞬きする間も無くすぐ売り切れる、人間は怖い、信号は目の前で赤に変わるし電車は目の前で発車する。梅雨による低気圧で意識を保っていられるのも危うい。軽い乱視が入っているから視界がおかしくなる時もあるし、何よりわたしは親の気まぐれなセックスから生まれた穀潰し系産廃なので突発的に自ら命を絶った時のための保険として、暇さえあれば遺書を書いている。そんな日々の地獄でしかない苦痛を和らげてくれるのがアルコールであり赤玉スイートワインなのだ。お分かりだろうが、酒は裏切らない。酒はわたしを罵倒しないし人格も否定しない。暴力も振るってこない。嬉しい限りだ。体重の増加だけには気をつけなければいけないが。

安酒に甘えさせてほしい。それに尽きる。何もかもが上手くいかないわたしが命を絶たずにいられる唯一のストッパーが酒なのだ。許してほしい。


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