不甲斐ない自分と紛失物について思うこと
誠に勝手ながら自意識過剰な発言を5行ほどお許しいただきたい。
※PCでの表示を基準として5行としています。スマートフォン等の小さなディスプレイの場合、行数には差異が発生する場合があります。予めご了承ください。
(自意識過剰発言、ここから。)
それなりの頻度で僕の記事を読んでくださる方からは、僕に対して「しっかりしている」「几帳面」「細かい」「ちゃんとしている」といったイメージを多かれ少なかれ持たれているように思う。
記事の内容であったり、重箱の隅をつつくような視点であったりという部分に由来し、良くも悪くもそういった印象を持って頂いているのではないだろうか。
(自意識過剰発言、ここまで。)
もちろん、人間である以上そういった性質を少なからず持ち合わせている可能性はあるが、実際のところ全くもってそうではない。
とにかく物を忘れる、落とす、といった愚行が多い。
※女友達についての記事を長々と書いてコメント欄でボヤ騒ぎが起きかけた、いや、起きた件については今回の愚行には含まない。
紛失物の件に絞る。
絞らせて下さい。
絞らせて頂けますと幸甚です。
X(Twitter)やnoteにエピソードして書いたこともあるが、それらは氷山の一角でしかない。
実際のところこの一年だけでも財布は4回ほど親切な方に拾って頂いているし、車や家、職場の鍵を含むキーケースも3回ほど野に放っている。
キーケースに関して言えば「結局バッグの奥底に入っていた」ようなこともあったが、本当に紛失していることがほとんど。
「この一年で」とは書いたが、「ここ10年」「ここ20年」というスパンで考えればその回数はもはや数えきれない。
僕の紛失物歴の中でもいまだに心の傷が完全に癒えないのは、高校生の時に所有していたCASIO DATA BANK HOTBIZ(腕時計)だろうか。
肌身離さず着けている腕時計を無くすという愚行を一度だけ…などと考えていて思い出した。
高価なものではないが、20年ほど前に結構気に入って休日に着けていたSwatchの赤いIRONY(腕時計)、そういえばアイツはどこに行ったんだ。
多くの場合において1円たりとも減ることなく親切な方の手によって奇跡的に手元に戻っては来てはいるが、仮に過去の落とし物が一切帰還することがなかったとすれば、現金換算で軽く10万円程度は僕の元を離れ、見ず知らずの人の体脂肪、煙草代、パチンコ代、家賃の一部等に化けていたことだろう。
これだけ持ち物を紛失していると「落とし物慣れ」のような現象も発生しそうなものだが、毎度新鮮に「ハッ…!」というような声を上げ、落とした同じだけ心臓が止まっている(ような気がしている)。
この件について、マンネリなど微塵も無い。
つい先日のこと。
営業で隣県に出掛け仕事をこなし、そろそろ帰るか、コーヒーでも買おう、などと考え車を降りる準備をした時のこと。
「ハッ…!」
来た。
何度味わっても慣れることのないこの感覚。
僕くらいのレベルの人間になればバッグを漁ることもなく、車のシート下を覗くこともなく、直感的に理解する。
財布を紛失したということを。
このあたり、一般の方とは出来が違うのだ。
こればかりはGoogleの検索ボックスに「財布 落した 場所 どこ?」などと入力したところで適切な解を得られる可能性は極めて低い。
無論アレクサやSiriあたりに訊いたとしても「すみません、わかりません、自分でどうにかしてください」などと返答されるのが関の山だろう。
どこそこのコンビニにあります、などと正確に答えが返ってくる方が余程怖い。
足りない頭脳をスパコン並に高速回転させ、立ち寄った場所、落としたであろうポイントを脳内で検索する。
今回、僕の導き出した検索結果はこうだ。
資格試験のためのテキストを買いに立ち寄った書店のトイレで、手を洗う際に適当に財布を置いてしまったのが今回の敗因だったというもの。
すぐさまその書店に電話を掛け、この検索結果がビンゴであることを確認し、来た道を逆戻りする。
道中、自分の不甲斐なさに涙をこぼしそうになりながら(こういう時に限って『泣きっ面に蜂』現象で事故ったりするから気を付けなきゃ…!)などと言い聞かせつつ、無事現場に到着、床に額を擦り付け(るような気持ちで)感謝の言葉を述べ、店員さんから財布を手渡して頂いた。
やり場のない情けなさから、半泣きでXにポストする。
背に腹は代えられぬ、ダサいウォレットチェーンでも着けてやろうかと本気で思った矢先、夏木凛さんからリプライを頂く。
ああ、この手のやつ、見たことある。
しかしながらちゃんと検討したことはなかった。
同カテゴリでいうと、AppleユーザーであればAirTagあたりが有名どころだろうか。
僕もiPhoneユーザーではあるものの社用携帯の為、プライベートで使用しているandroidでも上手い具合に動作するという観点でいくと、どうやらこのMAMORIOが良さそうだ。
ここから数日間、数あるメーカー・製品の中の情報を睨みつけながら熟慮を重ねたが、「買いなされ」との天命に逆らわず、夏木案を採用することに決定した。
届いた。
とりあえずは財布とキーケース用に2つ買った。
この小さな板状の物体をこれらに収納しておくのだ。
MAMORIO RE。
厚さは100円玉と同じくらいなので我慢の許容範囲内。
バッテリー使い切りの製品も多いが、今回は交換可能なものを選んだ。
電池切れ恐怖症の僕にとって打ってつけのものがあって安心。
電池寿命は約1年程度とのこと。
メーカーのHPを見て頂くのが一番なので詳細は割愛するが、大まかにいえばこんな製品だ。
概念としてはジーンズのベルトと財布をチェーンで繋ぐような感じだが、その鎖部分がワイヤレスになったこと、平成前半の中学生のファッションセンスの再現ではないこと、そこら辺の杭や棒にチェーンを引っ掛けて「はゔッ…!」とならないあたりがウォレットチェーンとは若干異なるところだ。
当記事での紹介はあくまで僕の認識している程度の仕様なので、気になる方は公式HPを見て頂き正確な情報を入手して頂きたい。
使い始めたばかりで今のところ物を落としてもいないため効果の程は定かではないが、精神的な安心感は多少なりとも得られている。
僕のように落とし物が多い方には、一考の価値があるアイテムかもしれない。
ちなみに、わざと鍵から距離を置いたところこんな通知が来た。
素晴らしい。
MAMORIOを導入したことで安心感を得つつも、それと同時に僕には新たな心配事が増えたのだが、それはまた、別の話。
(ドラマ『王様のレストラン』の森本レオの言い方で)
で、「別の話」はこちらから。
当記事「不甲斐ない自分と紛失物について思うこと」の外伝です。