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この場所を撮りたいと思ったのは、「身軽」だったからかもしれない。
とある日曜日、私はバンコクの街を早足で歩いていた。すっかり忘れていたOasis Spaのバウチャーを使い「至極の2時間」を堪能した後、短時間でやりたいことを全てやらねば、と焦る気持ちを抑えながら。
雨季のじめじめとしたバンコクで、颯爽と肩で風を切って歩く。マッサージで体が軽くなったからだろうか。いや、普段こんなスピードで歩くことなんてないからだ。こんなことを書くと気分を害する人がいるかもしれない。我が子がかわいくないのか?と。
全力で言おう。可愛くないわけがない。なんなら世界一可愛い存在だ。一瞬一瞬が愛おしく、10キロを超えた今も「抱っこ」と言われればすぐに抱っこしてしまうくらいには親バカをしている。
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が堪能できるLanna secret (2時間)コースでしっかり癒されてきた。
でも、今日は1人だ。贅沢な2時間を過ごした後、身も心も軽くなり、頭の中までクリアになっている。いつも我が子と歩く場所がまるで違って見える。プロンポン駅直結のEMQUARTIERなんて、数えきれないほど歩いてきたはずなのに。
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CHANELの広告がかっこいい
あんなに緑が生い茂っていたっけ? あんなに深い緑だったのか? いつからDiorの広告が出ていたんだろう? 白がきれいだな。景色を見ていると、次々と頭の中に浮かぶ独り言が止まらない。
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この絵が目に飛び込んできた。白と緑、美しい。
一方、子どもと一緒の時は景色が目に入ってこない。危なっかしい予測不可能な行動をとる我が子を追うので精一杯だ。それでも、本能なのか?"今この瞬間" に出会うことがある。しかし、そんな瞬間が訪れても、「カメラを持っていない」「抱っこしていて撮れない」「スマホのカメラが間に合わない」と、常に悲しい理由がセットに。子どもが生まれてからは、しょうがないと自分自身に言い聞かせるルーティンができあがっていた。
もう一度言おう、我が子は可愛い。
そして、我が子の可愛さとは別のベクトルの話だ。
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身軽な私は夢中でシャッターを切る。設定を変えながら何枚も何枚も撮り続ける。きっと通りすがりの何人もの人が「何をそんなに撮っているんだ?」と思ったに違いない。しかし、当の本人は、ただ撮りたいと思った瞬間を切り取れる幸せを噛みしめているだけなのだ。
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DIORのRが隠れている。だから、少し移動して撮影する。写真が趣味なら、ごく当たり前にやる数歩の移動だ。色々なことを思い出しながら、心が躍る数分を過ごした。ゆっくりとカメラを構える時間はなかったけれど、それでもこの瞬間が心を潤し、笑顔を増やしてくれる。一旦、カメラの勉強や技術の話は置いといて、こう言いたい。やっぱり写真を撮るのが好きだ。
これでまた、笑顔で母親に戻れる。
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