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続きがあった、下鴨納涼古本まつり
この夏、どうしても行きたかったところ、それが、下鴨納涼古本まつりです。
これは、下鴨神社で毎年行われている古本市で、以前、開催されているところを見かけたことはありました。
どういうわけか、私はいつも、7月や8月の暑い時期に、この神社を訪れることが多いのです。
というのも、やっぱり、夏の寺社仏閣の中では、あの糺の森がいちばん涼しそうだ、行くならここしかない、と思えてくるからでしょうね。
でも、なにしろこれまで本に興味がなかったので、テントが並んでいても、あぁ、古本?くらいで素通りしてしまっていたのですが、今年は違います。
ちゃんと開催日を調べ、少し賑わってくると思われる昼過ぎを目指し、出かけました。
下鴨神社は、参道が長く、一の鳥居は本殿からかなり離れたところにあります。
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古本まつり会場は、河合神社へいく手前あたりから始まっていました。
ちゃんと見たことがなかったのですが、こんなにたくさんのテントが張られ、所狭しと本が並べられているのですね!
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正直、圧倒されました。
最初はちょっと、遠慮気味に、ちらちらと背表紙を目で追うばかりでしたが、せっかく来たのです。
この本の山の中から、どうやって自分に合う本を見つけ出そうかと、くまなくゆっくり、棚を見て歩くことにしました。
それはまるで、宝探しのようでした。
糺の森の木陰のせいか、熱中していたからか、暑さもあまり感じず、かえって木漏れ日が涼しげに感じたほどです。
ただ、砂埃はすごくて、もうもうと景色を白くしていました。
並べられている本に、細かい砂が被ってしまい、手触りも少々ざらついていましたが、それが余計、何かを発掘しているような楽しさを思い起こされ、夢中になりました。
実は埃のアレルギーがあり、私にとって決して良い環境ではなかったのですが、帽子とマスクと腕カバーで防御しつつ、気づけば2時間も会場をさまよってしまいました。
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あぁ、楽しかった!と胸をいっぱいにしながら抱えて帰ったのは、この5冊の本たち。
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何十万冊の中から選び抜いたという満足感と、たった800円で買えたという、お値打ち感がたまりません。
愛着もひとしおです。
ですが、私、正直に言うと、お参りをせず、先に古本まつりへ参戦してしまったのです。
まさか2時間も見て回ることになるとは思ってもおらず、後でゆっくり、noteに書くための写真なんかも撮りながらお参りしたらいいや、と安易に考えていたのですが、さすがに会場を出るころにはへとへとになっていました。
しかも、日も少し傾きかけています。
そうなってくると、急に鬱蒼さを増すのが糺の森です。
今日はごめんなさい、また!とお参りはせずに、そのまま帰路についたのでした。
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ここでこのお話は終わる予定だったのですが、なんとそれから5日後、続きができてしまいました。
この下鴨神社の近くに、いせはん、という甘味処があり、そこへ行くことになり、ついでに下鴨神社も行こう、という話になったのです。
このお店は、なんといっても小豆が秀逸です。
豆の風味を生かしながら炊き上げた、甘すぎない大粒の小豆は、他ではなかなか食べられません。
クリームあんみつが私の推しなのですが、暑いので今回はクリーム金時にしました。
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本当は、お参り後に一杯、とすべきところ、人気のお店でもあり、混み合う時間帯を避けるため、またしても先に寄り道をしてしまいました。
なに、またか!と神様も呆れていたかもしれません。
そんなことを思いつつ、また下鴨神社へ舞い戻ってきたのですが、奇しくもその日は古本まつり最終日。
様子を見てみたいというので、足を運ぶと、どのお店も初日には棚やケースぎっしり詰まっていた本が、だいぶ売れて隙間が見えるようになっていました。
あぁ、よかった、たくさん売れて。
持ち帰る荷物が軽くなって。
その分だけ、多くの人の心を豊かにするのだろうな。
なんだかそんな、嬉しい気持ちに包まれたのでした。
寄り道ばかりして、なかなか参拝できない私でしたが、ようやくお参りできたので、境内の写真を少し、並べます。
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先日、「また来ます!」なんて横着なことして帰ってしまったから、ちゃんとお参りしなさいよ、ともしかしたら神様に呼ばれたのかもしれません。
こんなに早く、再訪することになったのだものね。
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帰り道の、夏空の鴨川デルタ。
亀石を渡って遊ぶ人たち。
なんだかいいなぁ。
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出かけるまでは、暑いしなぁ、と少し億劫がっている自分がいましたが、こんなに楽しい散策になるとは思いませんでした。
頭で考えるより、まず行動してみることの大切さも学んだ気がします。
積読もたくさんできました。
何から読みましょうか。
夏のお土産を開く楽しみは、これからです。