枝葉
時折、無性に大きな木を刺繍したくなる
根を張り 幹を伸ばし 枝を這わせ 芽を出し 葉がしげる
そのとおりに糸をさしていく。
下書きはしない。思うままに成長する木。
枝が増えると必然的に葉が増えて大変なのだけれど
無心で一枚一枚枝を追いかけながら葉をいれる作業は
ザワザワした心をニュートラルに戻してくれる不思議。
小さい頃から森が好きで
今でも近くのお気に入りの場所へ一人で出かける。
風が鳴り
それに応えるように枝葉を揺らし立つ大きな木を見上げる
それだけで心地よい
春の新芽 夏の木漏れ日をつくる葉、土に還る準備をする秋、
そして次の準備をする冬
木と風や日や雨を感じ
その空気感を布と糸で伝えたい
自分の心地よさを大切にしながら