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140文字小説に応募しました✨2本目


「寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処藪柑子の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助、お前も成人に…なんだ涙して。そんなに嬉しいかい」
「名前変えられるから」
(140字)



今回のお題は「長」という漢字。
長いものと聞いて、真っ先にこれを思いつきました。有名な寿限無という落語をベースにしたお話というかお噺です。1本目は少しシリアスだったので、2本目は気軽に楽しめる題材を選んで投稿することにしました。しかも落語なら芸術の秋…ということで季節感まで押さえています。

でも寿限無くんの名前だけでほぼ100文字使っちゃうんですよね。残り40文字でどうやってオチをつけられるか悩みましたが、現代落語でネタを擦ったらきっとキラキラネーム問題になるだろうなと思い、改名オチにしてみました。
またも小説というよりショートショートですが楽しんでいただけたら嬉しいです。

本当は
「(略)〜長助、お前も漸く成人…なんだ涙して。そんなに嬉しいかい」
「だって、名前変えられるから」
にしたかったのですが削っても削っても足りない。140文字の壁は手強かったです。

江戸時代の改名について

140文字では伝えきれなかったのですが、明治の立法以前、幼名は親がつける一方で、成人したり立身出世したりすると、自分でさらっと名前を変えることもあったようです。いわゆる「名乗り」です。現代でいえば、今日から作家と自称したら私は作家、という感じです。
当時の名前はその人の固有性よりも、職業や立場や年齢段階を示す役割が強かったのでしょう。

とりわけ江戸後期は身分制度が揺らいでいたため、武士に限らず農民が幼名から名前を変えたり、こっそり姓を名乗っていた例も多くあったそうです。ですので本当に寿限無くんのような長ーーい名前の子がいたら、これは不便だと成人や独立のタイミングで寿限無か長助に改名しているかもしれませんね。
なお、昔の成人の定義は元服(14~15歳頃)でしたが、現代でも改名の申立ては本人の意思で15歳からできるようです。昭和時代までは幼名から名前を変える慣習が一部でまだあったので、その名残りかもしれませんね。

素敵なコンテストを見つけました✨

そしてこの140文字小説を書くきっかけとなった企画はこちらです。面白そうだなと思ったらぜひみなさんも参加してみてくださいね!
いまnoteの創作大賞の発表がありましたが、何か創作してみたいけどいきなり長編はハードルが高いという方にも140文字小説はおすすめです!また創作大賞は1年に1回ですが、こちらは春夏秋冬に開催されているようです。コツコツ腕試ししたいという方にもおすすめです!


私の1作目(1本目)はこちらから
ぜひ読んでいただけたら嬉しいです☺️


私の3作目(3本目)はこちら


それではみなさんの作品も楽しみにしています✨☺️

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