NPO法人コミュネット楽創就労支援委員会

札幌市のNPO法人/1998年小規模作業所からスタート/2つの就労移行支援事業所と就業…

NPO法人コミュネット楽創就労支援委員会

札幌市のNPO法人/1998年小規模作業所からスタート/2つの就労移行支援事業所と就業・生活相談室を運営/法人設立以後、1000名以上が一般企業に就職/IPSに準拠した支援を実施/就労支援に関するイベント・研究、市民活動も/法人理念:自分力をいかし、そしてわかちあう

最近の記事

IPS実践者研究会2024 「第3回 IPS実践経験者の話」+希望について

今回は、IPS就労支援を実践としている就労支援員と、支援を受けた元ユーザー、そして希望の話になります。 前回までの疑問や感想 3回目を迎えた研修会ですが、最初に講師から今までの感想や疑問などの振返りの問いかけがありました。 受講者の1人が「挑戦」について質問をしました。就活に踏み出せない方において、その人が考える「挑戦することのリスク」は何だろう、というものでした。   皆でディスカッションが始まり「その人は、まだ働く意志がないのではないだろうか?」との意見に、講師が「支

    • IPS実践研修者研修会2024 第2回 どうしたら就活に踏み出せるのか(支援者も含む)

      昨年度から当法人で行なっているIPSの研修会、前回に引き続き、今回は第2回目の様子を報告いたします。 まずはウォーミングアップ ①障害者が働くことの障壁って何だろう?障害者の障壁って何だろう? 【受講生からの意見】 ・みんなと違う ・偏見 ・商慣習、雇用常識 ・仕事の行き詰まりに対してどう対処するか、それに対処しにくい、特性上それを相談しにくい ・関係性の構築が難しい ②シェルタードワークショップとサポーテッドエンプロイメントは何が違うだろう? 【受講生からの意見】

      • 2024年度 IPS実践者研修会 第1回「障がい者が働けるという哲学」

        IPS実践者研修会とは IPS(個別職業紹介)とは、アメリカで開発された、精神障害者の一般就労が向上する、科学的に効果が証明された就労支援です。 私たちの法人では、IPSモデルに準拠した就労支援を長年取り組んでまいりました。   コミュネット楽創就労支援委員会では「IPS実践者研修会」として、昨年より就労支援に携わる実践者向けに、全5回に渡り、ディスカッション形式で研修会を企画・実施しております。 今回は、2024度の研修会の第1回目の様子をお伝えしたいと思います。   ※

        • NPO法人コミュネット楽創の2023年度支援報告会、無事終了いたしました。

          以前のnoteの記事でもご紹介させていただきました、当法人の支援報告会ですが今年も札幌エルプラザ 中研修室で開催され、約50名の方々が来てくださり無事に終えることができました。 今年も当法人の各事業所(就業・生活相談支援センターからびな、就労移行支援事業所コンポステラ、ホワイトストーン)とその他事業について、私たち就労支援委員会の活動報告をさせていただきました。 この支援報告会は、改めて私たちの支援内容や活動を振り返るきっかけとなるものであり、行った支援を外部に発信すること

        IPS実践者研究会2024 「第3回 IPS実践経験者の話」+希望について

          日本職業リハビリテーション学会 第51回島根大会へ参加しました

          職業リハビリテーションとは  8月23日、24日と「日本職業リハビリテーション学会」に参加するため、島根県の松江市に行ってきました。 「職業リハビリテーション」とは、障害をもっているが故に職業に就くことが困難になっていたり、維持していくことが難しくなっている人にも、職業を通じた社会参加と自己実現、経済的自立の機会を作りだしていく取り組みのことです。(日本職業リハビリテーション学会HPより引用)  今回の学会テーマは「職業リハビリテーションにおける『本人中心』を問い直す」です

          日本職業リハビリテーション学会 第51回島根大会へ参加しました

          NPO法人コミュネット楽創 2023年度事業・支援報告会

          当法人では、毎年、事業・支援報告会を開催しています。 各事業での様々な実践や支援について、市民の方に広く公開しているのが、この報告会になります。事業所として支援を行っている場合は、実際に支援を行った方の報告がされることがあります。この時には、支援を受けたご本人から報告会に出すことへの了承を得て、発表の準備をしています。 就労支援委員会では支援の報告ではありませんが、主に実際に行った研究や研修などについて報告することが多いです。 つまり、この報告会は当法人が何を行っているかが分

          NPO法人コミュネット楽創 2023年度事業・支援報告会

          道議会議員の質問に関して情報提供をさせていただきました

          いつも、noteでは就労支援に関することを多く記事にしておりますが、我々は市民活動団体です。様々な方が生活しやすくなるために、特に障害のある方に関連することでは、いろいろな活動を行っております。   その一つに、北海道議会や各市町村の議員の方との情報交換があります。今回は、我々の情報提供が議会の質問につながった例として山根道議会議員の質問に関して、その回答も含め掲載させていただきます(掲載許可をいただきました山根道議会議員には深く感謝いたします)。なお、回答分に関しましては、

          道議会議員の質問に関して情報提供をさせていただきました

          架空事例で学ぶ:障がい者相談機関グループスーパービジョン

          支援において困難を感じている時にチームで問題解決にあたる、グループスーパービジョン(GSV)の事例動画を現在、コミュネット楽創のYouTubeチャンネルに公開しています。第一弾を3年前に公開しましたが、6月までに1,600回以上、再生されています。そして、今年に入り新たに撮影に入り、第二弾を今年4月から公開しました。   私たちは毎朝のミーティングで全ケースについてディスカッションを行い、チームとしての支援の方向性を確認しています。その中でもより困難を感じているケースがある場

          架空事例で学ぶ:障がい者相談機関グループスーパービジョン

          第9回IPS全国研修会in北海道キックオフミーティング

          6月28日に第9回IPS全国研修会in北海道のキックオフミーティングを開催ました。このIPSは、本noteの記事で何回も出てきている就労支援のIPSです。IPSをご存じではない方は、下記のYouTubeを見ていただけるとよいかなと思います。 今年の3月に東京で第8回IPS全国研修会が開催されましたが、次回の第9回は2026年に開催予定です。会期や場所も決めなければなりませんが、昨日は、まず、集まった方々で、どのようなことをやりたいかという話をしました。 「参加型がいいんじ

          第9回IPS全国研修会in北海道キックオフミーティング

          IPS型の就労支援の実践について思うこと

          IPS型の就労支援ってなに?と思われた方は以下を見ていただけると参考になるかと思います。 私が現在勤めている就労移行支援事業所では、以前は就労前訓練として毎日作業訓練を取り入れていました。コロナ明けから完全に作業をやめ、現在は就職活動をメインにし、それに必要と思われるプログラムを週に2日程度取り入れた就労支援を行なっています。 私たちの事業所は、過去には様々な作業を訓練として取り入れていました。そのため作業を残すか、なくすかについても職員から賛否両論がありました。作業をなく

          IPS型の就労支援の実践について思うこと

          どうして自分はIPSをいいなと思うようになったのか

          私たちのnoteで時々出てきているIPSという就労支援のモデルですが、今回は、少し、IPSをどうして自分が「いいな」と思うようになったのかについて書いてみたいと思います。IPSって何だろうと思った方は、下記のHPを読んでいただけるとクリアになるかなと思います。 IPSに出会う前 さかのぼること数十年前、精神科の医療関係で仕事をしていた自分は、すっかり、その当時の以下の考え方を信じていました。 「精神科の病気がある人は働かなくてもよい。だから年金があるんだ」 「健常者の60

          どうして自分はIPSをいいなと思うようになったのか

          からびな学習会「職業リハビリテーションの理念を問う」を終えて

          からびな学習会とは  NPO法人コミュネット楽創は2つの就労移行支援事業所と札幌市から委託を受けた障がいのある方の民間企業等への就職と雇用の継続を目的とした就業・生活相談事業(ナカポツ)を運営しています。後者にあたる就業・生活相談室からびなは札幌市の就労支援の向上に寄与することを目的とし、外部からの講師を招き、就労支援に関わる支援者や医療関係、当事者、家族の方々を対象に学習会を行ってきました。コロナ禍により2020年度以降は開催を中止していましたが、今年度新型コロナウイルス

          からびな学習会「職業リハビリテーションの理念を問う」を終えて

          キャリアチェンジ~自分の内なる声に正直に~

          寄稿にあたって 今回noteに投稿させていただくことになりましたじんのです。私は今年度まで札幌市で暮らしていましたが、大学院への進学とそれに伴う転職にあたって来年度から熊本県へと引っ越すことになりました。コミュネット楽創には5年程前から出会い、以降色々な形でお世話になっています。就労支援委員会にも今年度から携わらせていただきましたが、何をしていたかと言えば就労に関わる事を何か手伝った訳でもなく、遊びに行くような感覚でお菓子を食べて皆さんとただ話していただけのような気がします

          キャリアチェンジ~自分の内なる声に正直に~

          「働く」ことができなくなって感じたこと

           「このままだと危険な状態です。明日から仕事は休んで自宅で安静にしてください。でないと入院になりますよ」  とある日の妊婦検診で突如言い渡された言葉だった。不調の自覚は全くなく、毎日仕事に行き、研修に参加し、休日も友人と出掛けたりと妊娠前と同じような生活をしていた。それが原因なのかはわからないが、とにかく急に仕事に行くことができなくなり、半ば他人事のように職場へ連絡をし、上司や同僚の配慮もあり長期でお休みをいただくことになった。当初は一週間、長くても一ヶ月以内には復帰できるだ

          「働く」ことができなくなって感じたこと

          札幌市の就労系障害福祉サービスの今後について

          はじめに 2006年に始まった障害福祉サービス(当時、障害者自立支援法)は、すべての障がい者が、自身で必要とするサービスを選択すること、身体・知的・精神の3障がいのサービス格差をなくしたものとして重要な転換点であった。そしてさらに、制度の名にもある「自立」の要素として「就労」が大きくクローズアップされ、障がい者の一般就職を後押しすることとなった。  法施行から17年の時間がたち障害者総合支援法と名前を変え、より包括的な支援制度となって、インクルーシブな社会へと進んでいるはず

          札幌市の就労系障害福祉サービスの今後について

          2023度日本版個別型援助付き雇用フィデリティ(JiSEF)調査に行ってきました

          フィデリティ調査とは  先日、千葉県の就労移行支援事業所(以下、X事業所)にIPSのフィデリティ調査に行ってきました。  IPSとはご存じの方も多いと思いますが、アメリカで生まれた精神障害者の就労支援モデルです。そしてフィデリティ調査とは、効果的支援を利用者に届けるための組織評価や効果的モデルの再現度を計測し、現状を確認するものです。    つまり、フィデリティを測定することで客観的かつ体系的なプログラムの発展に関する情報が得られることができるのです。    初めての調査員

          2023度日本版個別型援助付き雇用フィデリティ(JiSEF)調査に行ってきました