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日本職業リハビリテーション学会 第51回島根大会へ参加しました

職業リハビリテーションとは

 8月23日、24日と「日本職業リハビリテーション学会」に参加するため、島根県の松江市に行ってきました。
「職業リハビリテーション」とは、障害をもっているが故に職業に就くことが困難になっていたり、維持していくことが難しくなっている人にも、職業を通じた社会参加と自己実現、経済的自立の機会を作りだしていく取り組みのことです。(日本職業リハビリテーション学会HPより引用)
 今回の学会テーマは「職業リハビリテーションにおける『本人中心』を問い直す」です。
 私自身も、支援者として、本人の「自己決定の尊重」や「本人主体」等を意識して支援に当たるも、時に悩みながら、上司や同僚に相談しつつ、本人や各関係機関と対話を重ねている日々でもあります。
 それゆえ、今回の学会のテーマを知ったとき何かしらのヒントになればと思い参加しました。

感想

 研修基礎講座では「ダイアローグ(対話)」を選択して参加しました。そこでは、自分と相手の立場を想像し、対話を続けることの重要性や、不確実性に耐える力等を改めて学びました。言葉にするのは簡単ではありますが、行動化するには日頃からの意識づけと自己学習が必須です。支援の質の向上には欠かせません。
 また、講義のグループワークでは地元の支援者の方々と一緒になり、その後の交流会や翌日の講義でも一緒に受講し、意見交換を交わしました。このように普段関わりのない方々とやりとりをして刺激を受けるのも、研修ならではの経験だと思いました。
 
 今回の大会で一番印象的だったのは、大会長の林輝男先生の基調講演でした。
 本人中心には、本人抜きで物事を決めず、共に支援の方向性を決めていくと同時に、本人の取り巻く環境や、関わる人たちとの相互理解を深める作業が不可欠であること。
その実践はすでに適応されているが、無意識のうちに運用中心、サービス中心となっていないか、またそうなる危険をはらんでいるという自覚を常に持ち続けているか、の旨を話されていました。
 
 本人と、家族や職場、その他関係機関など、関わる人たちとの相互理解を退けてしまえば、「本人中心」ではなく「個人中心」となってしまいます。
 本人が、仕事を通じて周囲と関わる中で、自己成長や自己決定をしていく過程を生むためにも、環境や関わる人たちとの相互理解は非常に大事な要素なのだと考えます。
 一方、力関係を比べてみると、往々にして本人が周囲に対して弱い立場に立たされることが多いように感じます。(これは障がい者だけの就労に限ったことではありませんが)
 周囲の人たちや、サービス制度等の「善意」が時として、本人の意向と異なる結果を生じさせる恐れもあります。そうなればもはや「本人中心」ではなく、「運用中心」「サービス中心」となってしまうのではないか、と考えます。
我々支援者は、不確実性に揺らぎながらも本人と周囲との対話を続けて行かなければなりません。そして最終的には伴走者として、揺らがず、本人の味方に立つべきです。
 
私自身も、クライアント・ファーストを心掛けているつもりではありますが、無意識に、あるいは忙しさや自分の弱さ等から、本人中心の支援からずれて行く可能性が全くないとは言い切れません。(あってはならないことですが)
そうならない対策として、普段からの振り返りや相談、周囲との対話を重ね続ける習慣を続けていくことが重要だと思います。
ほんの一端だったとしても、他者の人生に関わる者としての責任でもあるからです。同時に、彼らが自身の人生に責任を持つことにより、働いた先にある望みを応援したいと思っています。
その為の伴走型個別就労支援や本人中心(person-centered-approach)の支援を続けて行きたいと改めて思いました。


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