見出し画像

IPS実践研修者研修会2024 第2回 どうしたら就活に踏み出せるのか(支援者も含む)

昨年度から当法人で行なっているIPSの研修会、前回に引き続き、今回は第2回目の様子を報告いたします。

まずはウォーミングアップ
①障害者が働くことの障壁って何だろう?障害者の障壁って何だろう?

【受講生からの意見】
・みんなと違う
・偏見
・商慣習、雇用常識
・仕事の行き詰まりに対してどう対処するか、それに対処しにくい、特性上それを相談しにくい
・関係性の構築が難しい

②シェルタードワークショップとサポーテッドエンプロイメントは何が違うだろう?

【受講生からの意見】
・選択肢があることを知って、選べる
・一般就労は辛い、選択肢があっても当人にはわからないと周囲(支援者含め)が思い込んでいる。
・障害者は保護的場所でしか働けなかったという歴史的経過
・働けないのではなく、働く環境がないだけなのでは?
・一般雇用に到達するかしないか、目標を見失わない限り到達しなかった人はいない

等々の意見が出されました。そこから精神保健の歴史、雇用代行企業、ICF(国際生活機能分類)、IPSの8原則等にも触れながらディスカッションが進んでいきました。

そしてここから今回のメインテーマである
「どうしたら就活に踏み出せるのか(支援者も含む)」
に入っていきました。ここからは講師本多による、IPS型就労支援の構造を詳しく説明する講義も交えながらディスカッションが行われていきました。

ウォーミングアップでの“障害者が働くことの障壁“から、障害者が就活に踏み出せない理由、そして支援者が障害者に対して就活の支援に踏み出せない理由は一体何なのかブレインストーミングしました。

クライエント側からの視点
・心配、不安(怒られる、仕事が覚えられない、同じ失敗をする)
・障壁を乗り越えるための方法がわからない
・サポートへの安心感の不足

支援者側からの視点
・クライエントの先ゆきを心配して応援しなかったことがある
・無謀な挑戦と捉えてしまう

等の意見が出ました。
そこから、どうしたら就活に踏み出せるのかについて
・まずやりたいことを探すことが大事なのでは
・躊躇し続けた先にどうなるかを考えた時、踏み出そうと考えるのではないか
・挑戦しないリスクを考える
・まず一歩踏み出してみる
・なぜクライアントは働きたいんだろう?彼らの願いは何だろう?そこを考えてみる
・内発的動機付けが大切なのでは

などの意見が出ました。
そして最後に講師本多からひとつの問いかけがありました。
「あなたが就労支援するのは何故ですか?」

受講生からはこんな答えが出てきました。
・少しでも働きたいと思う人がいたら支援したい
・働くことで変わっていく人を見ているから
・クライエントがどんどんクライエントがどんどん変わっていく姿を見るのが 嬉しい、そして支援者も変わっていくことが楽しい
・その人に未来があるから
・言霊 できると言っているとできるようになっていく。その言霊を作る

これを読んでいるあなたがもし就労支援員であったならどんなことを考えますか?
これを書いている私も就労支援に携わり9年目となりました。PS型就労支援をしていてうまくいくこといかないこと両方ありましたがいつも念頭に置いていたのは、人生の主人公はクライエント本人だということです。だから支援をする上で障害を通してクライアントを見るのではなく、その人自身を見てその人の希望を信じること、ジャッジをしないことが難しいことでもあり、しかしながらとても大切であることをこの講義を通じて改めて考えさせられました。

次回は第3回「IPS実践経験者の話」となります。IPS型就労支援をする支援者と元ユーザーの対談をメインにディスカッションを行います。
(昨年度の研修の様子も下記のnoteに記しております)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?