私たちは他の仲介会社が30分で済ませることに3時間かけるような仕事でお客様と誠実に向き合っています。
初めて入った不動産業界。
飛び込み営業を通じて知識を身に着けた
らくだ不動産の地域エージェントとして大阪を中心に活躍されている岡田誠さんにお話を伺います。まずは、これまでのキャリアについてお聞かせください。
岡田
私が不動産業界で働き始めたのは平成元年(1989年)ごろです。バブルが弾ける前のことです。当時、不動産業界はかなり景気がよかったんですよね。それで私も、未経験でしたが業界にチャレンジしたいと思ってマンションのデベロッパーに就職しました。
そちらの会社では、具体的にどのような業務をされたんでしょうか。
岡田
マンションを建てれば建てただけ売れる時代でしたからね。私に課せられた仕事は、マンション用地を探すことでした。それこそ大小問わず、大阪中の不動産会社に飛び込みで営業をかけたものです。でも、いきなり若造がやってきて「マンション用の土地を探しています」なんて言っても、相手にされないんですよね。
でも、何度も通い詰めるうちに、少しずつ打ち解けていって、土地の情報をいただけるようになりました。その過程で不動産の仕事の中に「仲介業務」というものがあることを知ったんです。これはおもしろそうだな、今度は情報を提供する側に回ってみたいなと思って、不動産仲介会社に転職しました。
初めてやってみた仲介のお仕事は、いかがでしたか?
岡田
バブルが崩壊した後の時期だったにもかかわらず、けっこう売れました。入社して3カ月くらいで売上成績が社内でトップになって。会社の先輩方から妬まれたことも……。
いきなりトップはすごいですね。何かコツのようなものがあったのでしょうか。
岡田
いえ、わかりやすいコツみたいなものはないですよ。ただ、前職でさまざまな不動産会社に飛び込み営業をした経験が効いたんです。少しずつ仲良くなって、不動産業界の話を聞いて、勉強させてもらって。それがあったので、仲介の仕事の内容も流れも、全部頭に入っていたんです。
いい成績を上げられたことはよかったんですが……、しばらくやっていると飽きちゃったんですよね(笑)。それで、次はたまたま求人広告で見つけた注文住宅の営業に挑戦しました。ただ「売る」だけではなくて、「建てて売る」仕事もおもしろそうだなと思って。
不動産業界の仕事で
自分がまだやったことのない業務って何だろう?
いろいろと経験なさっているんですね。
岡田
営業という仕事自体は経験がありますが、イチから図面を起こして住宅を建てるというのは、それまでやったことのない新鮮なおもしろさがありましたね。それに付随したリフォームの仕事も。ここでの仕事は10年ちょっとでした。
というと……?
岡田
不動産業界の仕事で自分がまだやったことのない業務って何だろうと考えた時に、「そうだ、管理をやってない」と思って。もう若くはない歳でしたが、マンション管理会社に飛び込んでイチから管理業務を覚えました。
ものすごいバイタリティですね。
岡田
実際にやってみると、本当に勉強になりました。賃貸マンションにはいろんなトラブルが起こりますからね。オーナーからのクレーム、入居者からのクレームに対応していくうちに、双方の心理が理解できるようになって。
その会社での仕事を経て、不動産業界での業務はだいたい網羅したなと思いまして、独立を考え始めました。
不動産に強い行政書士として独立開業。
そして、らくだ不動産との出会い
満を持して、という感じですね。
岡田
行政書士の資格を取得して、行政書士事務所を開いたんです。
それはまた、ずいぶん大きなキャリアチェンジですね。
岡田
そうですね。ただキャリアチェンジという感じではなくて、不動産業務に付加価値をつけるイメージです。不動産業務をしていると、これまで培った知識だけでは対応できないシーンに突き当たることが多くて。特に相続などに際して、知識が足りずに対応できない、法律的に対応してはいけない、そういうことがしばしばあったんです。それがもどかしくて。自分で勉強して資格を取って対応できるようになれば、お客様の相談にトータルで乗ることができるなと考えたんですよね。
なるほど、これまでの不動産業界での経験をもとに、行政書士資格をプラスして、ご自身で事業をされていらっしゃるんですね。
では、らくだ不動産についてのお話に移りますが、岡田さんがらくだ不動産を知ったきっかけは何だったのでしょうか。
岡田
まず、さくら事務所の存在はずっと前から知っていたんです。不動産業界で仕事をしていると、イヤでも目に付く存在ですからね(笑)
確かに(笑)
岡田
もちろん長嶋さん(長嶋修/さくら事務所創業者)のことも存じ上げていましたし。さくら事務所のようなことをやっている会社があまりにも少なかったですからね、すごい会社だなと思っていました。
そのさくら事務所が今度はらくだ不動産という不動産仲介会社を始めたということも知っていたんですが、東京を中心に展開しているイメージがありまして。そんな時に、ホームページだったかな、大阪でエージェントを募集しているということを知って、すぐに応募したんです。
いつごろのことですか?
岡田
2020年11月くらいのことですね。村田さん(村田洋一/らくだ不動産エージェント)に面接をしていただきました。
岡田さんにとっては、それがらくだ不動産との初めてのリアルな接点だったんですよね。
岡田
そうですね。村田さんはすごくソフトな方で、不動産屋さんっぽくないなあというのが第一印象でした。
不動産屋さんっぽくない、ですか。
岡田
これを具体的に説明するのは難しいんですが……、業界が長いと、良くも悪くも不動産屋さん独特の匂いが嗅ぎ取れるようになるんです(笑)。でも村田さんは違いました。らくだ不動産もそういう会社なんだろうなと感じましたね。
さくら事務所はインスペクションの会社ですから、不動産屋さんからは嫌われがちな存在なんですよ。物件の瑕疵や不具合をチェックする仕事ですから、「余計なことをしてくれるな」と煙たがられることも多い。それでも誠実に仕事を続け、ホームインスペクションの価値を向上させてきた。それがさくら事務所だと思っています。
そのさくら事務所が今度は自ら不動産屋さんをやるということですからね。私自身もとても楽しみでした。
らくだ不動産に問い合わせをしてくださるお客様は
総じて期待値が大きい
らくだ不動産の地域エージェントとして仕事を始められて、2年強ですね。お仕事のペースとしては、だいたいどれくらいでしょうか。
岡田
平均して、月に1件の売買取引でしょうか。
らくだ不動産でのお仕事を始めてみて、どのあたりにやり甲斐を感じましたか?
岡田
らくだ不動産の認知度って、まだまだですよね。それでも、らくだ不動産に問い合わせをしてくださるお客様がたくさんいらっしゃいます。長嶋さんやさくら事務所の存在をどこかで知って、それで問い合わせてくださるんですね。
ちょっと開けた駅には、ロータリーの前に大手の不動産会社がいくらでもあるじゃないですか。それでも、らくだ不動産のような小さい会社に連絡をしてくださる。この時点でお客様の期待値がとんでもなく高いんです。
ものすごく勉強熱心なお客様が多いということでしょうか。
岡田
そうですね、私も相当勉強している自負がありますが、私を上回る知識をお持ちの方もいらっしゃいます。知識があってこだわりの強いお客様を敬遠する仲介会社も中にはありますが、私にとっては逆で、そうしたお客様と誠実に向き合って関係を築いていくのは私の営業スタイルに合っていると思っています。
「らくだ不動産に問い合わせをしてくださる」という時点で、既に客層が他とは少し異なっているということですね。他に何か、やり甲斐を感じることはありますか?
岡田
そうですね……ある程度の知識や経験を持った人間を地域エージェントとして採用しているからなのかもしれませんが、仕事の進め方に対して本部はほとんど一切、口を出さないんです。その点は非常にやりやすいですね。
ただ逆に、さくら事務所やらくだ不動産が大切にする価値観や理念を理解しているかどうかは、厳しく問われます。価値観や理念が合ってさえいれば、業務上の細かな部分はそれぞれのエージェントが自分の知識と経験をもって進めていけばいい、そういう考え方ですね。
先程の「客層」のお話とも絡みますが、お客様もさくら事務所、らくだ不動産の価値観、理念に共感されている方がほとんどです。ですから、お客様とお話をしていても、価値観でズレることがありません。これは大変幸せなことだと感じています。
おっしゃる通りですよね。では最後になりますが、らくだ不動産の地域エージェントの仕事に興味を持っている読者の方にメッセージをいただけますでしょうか。
岡田
まず前提として、地域エージェントは社員ではありません。不動産に関わる業務は一通り自分でできる、そういう人じゃないと難しいでしょうね。
あとは、モラル、責任感のある方ですね。
あえて言いますが、不動産業界は、「お客様の利益を最優先に」という当たり前のことが当たり前ではない世界なんです。両手取引然り、会社の利益を優先するやり方が横行しています。その世界で正しくモラルを持って仕事できる人がいいですね。
不動産に対するこだわりがそれほどなく、ただ「物件を売るのが得意」とか、「コミッションがたくさん欲しい」とか、そういう人にはハッキリ言って向いてません。私たちは他の仲介会社が30分で済ませることに3時間かけるような仕事の仕方をしますから。稼ぎたいという方にとっては、効率が悪いと思いますよ(笑)