#9 空っぽの朝をコーヒーとともに
実りある朝にするために
僕は、朝という時間がたまらなく好きだ。
自分の心身もそうだが、空気もリセットされたように感じるからだ。
そんな朝に、よりいっそう魅力的な色を加えてくれるのがコーヒーである。
相棒であるミルに豆を入れて、ガリガリと挽く時間は、
頭を空っぽにすることができる。
豆を挽き終わり、次なる相棒たちが待つ台所へ。
愛情込めて挽いた豆にお湯を注いでいく。
豆が少し膨らむその姿はなんとも可愛らしい。
そして完成したコーヒーと共に、書き物や読書に勤しむ。
この時間があるのとないのとでは、その後のパフォーマンスも変わってくる。
それくらい僕にとっては重要な朝のルーティンである。
空っぽの時間があってもいい
ミルで豆を挽いている時間。
粉にお湯を注いでいる時間。
透明なお湯が光沢ある黒に変わるのを眺める時間。
そうしてできた苦味で喉を潤す時間。
このとき、僕の頭の中は空っぽである。
先にコーヒータイムがあるのとないのとではパフォーマンスが違うと書いたけれど、それはつまり何も考えない時間があるかないかということだ。
思うに僕も含め、今生きている人たちは色々頭で考えすぎている気がする。
それはとても素晴らしいこと。みんな、とても頑張っている。
「いや、何も頑張ってない」って思っている人もいるかもしれないけど、
生きるって頑張ることだと思うので、やっぱり頑張っているのだと思う。
だからこそ、何も考えないことが大切なんだと思う。
それは自分を労わることでもあると思うから。
僕にとってはコーヒータイムが何も考えない空っぽの時間。
頑張っている自分に、空っぽというご褒美を是非。
——最後に余談。
僕の大好きな豆はグアテマラのアンティグア。
苦味がやや強めだがスッキリ飲みやすく、甘いものともぴったり。
機会があればぜひぜひご賞味あれ。
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