Google流資料作成術

【書評】Google流資料作成術〜ゲシュタルト崩壊との上手な付き合い方〜

あけましておめでとうございます、ナカキタ(@Game_monster_sn)です。

 新年の”読書初め”が終わったので、書評も兼ねてサクッと"note書き初め"をしたいと思います。

本書との出会い

 こちらの書評をツイッターで、たまたま見つけて、色々と資料作りが控えるタイミングだったこともあり、早速アマゾンでポチりました。

本書の内容

 著者は、グーグルに約5年在籍し、その中で「ビジュアライゼーション」の講座を開発して、全世界のグーグルでレクチャーをされていた方で、今は独立して「ひどいパワーポイントを世界からなくす」をミッションに活動中です。

 本書では、そんな著者がデータに基づき「より良い意思決定に導く(=意思決定者にアクションをしてもらう)」ことを目的に、”データを使ったコミュニケーション”の方法としての「ストーリーテリング」について、事例も交えながら、以下のようなコンテンツを用意してくれています。

<データを使ってストーリーを語るための6つのレッスン>
「コンテキストを理解する」
「相手に伝わりやすい表現を選ぶ」
「不必要な要素を取りのぞく」
「相手の注意をひきつける」
「デザイナーのように考える」
「ストーリーを伝える」

特に印象に残った部分

 さて、みなさんは本評のタイトルにある「ゲシュタルト崩壊」をご存知でしょうか?

>当たり前やん!
>名前は聞いたことあるで!
>ドイツの壁的な?(ソ連崩壊?)

などと、人によって、色々な答えが返って来そうですが、まずは以下の画像を”30秒ほど”凝視ください。

■テスト用画像


これは、なんの変哲もない「貯(た)める」という漢字の羅列ですが、それぞれのパーツ(ここでは「貝」「ウ」「丁」)が独立して、バラバラに見えて来ませんか?
これが、「ゲシュタルト崩壊」です。

<補足>「ゲシュタルト崩壊」とは...
 全体性を持ったまとまりのある構造(Gestalt, 形態)から全体性が失われてしまい、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象をいう。(wikipediaより)

 本書の中で、重要な情報を伝える為に、相手が情報を受け取りにくくする「不必要な要素」を取りのぞく方法として、以下のようなゲシュタルト崩壊の法則が紹介されています。

<近接>
・物理的に近くにある物を同じグループに属するとして捉える傾向

<類似>
・類似の色、形状、サイズ向きを持つもの同士を同じグループとして捉える

<囲み>
・物理的に囲まれているものを同じグループとみなす

<閉合>
・自分の頭の中にある構造に当てはめることを好む

<連続性>
・あるものを見た時に、人の目は、最も自然な形を追求し、それが明らかに存在しない場合でも、勝手に連続性を作り出す

<接続>
・線などで物理的につなげられているオブジェクト同士を同じグループの一部とみなす

 これを見た時、外資系(特にグーグル)企業とのお仕事で拝見する資料で感じた”違和感”の正体が、すっと腹落ちしました。
”ビジュアライズのお手本”ともいうべきこれらの資料を普段見慣れてないが為に、その徹底的に”削ぎ落とされた美”に対して、自分が何か違うものを感じていたのが、その違和感の正体でした。
自分のようなデザイン思考の皆無な人間が見ても、この本で学べるビジュアライズは、息を呑むような美しさがあります。

 本書のビジュアライズに関する具体例は、THE GUILDの安藤さん(@goando)が丁寧にまとめてくださっていますので、そちらを是非ご覧ください。
↓↓↓

まとめ

 本書で「説明的分析」と表現された、「誰に」「何を」「どうやって」伝えるのか?という部分は、そのままマーケティングの本質に通じるところがあり、すごく共感できました。
仕事柄、マーケティング施策に関するデータを見たり、社内向けに資料を作ることが多い私には、使えるテクニックが満載でした。
 一方で、様々なご提案いただくことも多く、クライアント側の課題解決に、どうしても伝えたいこと(モノ)がある、広告代理店やマーケティングの支援に関わる会社の方も、社外の提案資料などで活かせる内容が詰まった、必読の一冊だと思います。

それでは、本年もどうぞよろしくお願いしますmm
でわでわ〜

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