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読書日記『不思議の国のアリス』

『不思議の国のアリス展』に行って、『不思議の国のアリス』を読みたくなったので読んでみました。
※ネタバレ含みます

本を読み終えて「もう、アリスのようにはいられないんだな…」としみじみした私です。

というのも、物語の最後には、アリスから不思議な国での冒険話を聞いた姉の「アリスには今のままのびのびと育ってほしい」というような気持ちが書かれているのですが、その姉の気持ちに自分でも驚くぐらい共感したからです。
「バカなことを言って…」とならないだけ良いのかもしれませんが、不思議な国よりも不思議の国を創造するアリスのことを愛おしく思えたのです。
物語を読みながらアリスと一緒に冒険もしたはずなのに…と少し寂しくもなりましたが、アリスをさらに愛おしく思えたような気もしました。

そんな私ですが、読んでいる最中はしっかり不思議の国を楽しみました。
物語にでてくる生き物は本当に不思議な生き物ばかりですね。
シロウサギやチャシャーネコはまだ現実世界でも見る形を留めていましたが(ウサギとネコ)、うみがめモドキや青虫のおじさんは、謎の生き物すぎると思いました。
そして、個性豊かで自我が強い生き物ばかりですね。
アリスも大概そうですが、あまりこちらの話を聞いてくれません。
「みんな、もう少し話を聞いて!」と心の中で思うことが多々ありました。

また、ネタバレにはなるのですが、不思議の国での冒険は「夢?だったのかしら」で終わりをむかえます。
その結末を迎えて、とても納得感を得ました。
私も寝ている間に夢をみることがたまにあるのですが、本当に変な世界に誘われることもあります。友達と職場の人が一緒にいるようなあべこべ感もあるし、夢の中の自分は自分の意志で動かせるけれど、他の人はどうにもできません。そして、ぽんぽん世界観が変わっていきます。
今回読んだ『不思議の国のアリス』はまさに夢のような話だなと思ったのです。いろんな夢落ち話はありますが、こんなに「夢だった」という結末がしっくりきたのは始めてでした。

『不思議の国のアリス』の続編には『鏡の国のアリス』があるそうです。チェスがもとになっているらしく、私に理解ができるか不安ですがそちらも読んでみようと思っています。
ちなみに原題は『Through the Looking-Glass, and What Alice Found There』だそうです。長くて少し驚きました。

『不思議の国のアリス』
Alice`s Adventures in Wonderland
ルイス・キャロル

日常生活から逃げたいと願っているあなた、いつか、アリスになれるかも。
ある昼下がりのこと、チョッキを着た白ウサギを追いかけて大きな穴にとびこむとそこには……。アリスがたどる奇妙で不思議な冒険の物語は、作者キャロルが幼い三姉妹と出かけたピクニックで、次女のアリス・リデルにせがまれて即興的に作ったお話でした。1865年にイギリスで刊行されてから、世界中で読まれた傑作ファンタジー

新潮文庫HP


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