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「自分で名付ける」感想

引っ越し先の町で図書館カードを作った。私は図書館が好きなので、ようやく、である。

せっかく図書館まで来たのだから何か借りよう、どうせなら今役立つ本にしよう、と手作りベビー服のコーナーと育児関連のコーナーを物色した。

たまたま手に取ったのがこちら。

いろいろ選択肢はあったのだが、エッセイであったのと、2021年発行で比較的最近の本だったので選んだ。

松田青子さんは存じてなかったのだが、読みやすいし境遇や意見も似ていて親近感が湧いた。

彼女も私と同じで住民票を「妻(未届)」にしている事実婚であったし、「マザーズバッグ」や「ご懐妊おめでとうございます」とか「母性」などの言葉に敏感に反応し、自論を述べており、いちいち共感できた。

私も以前書いたが、優先席についてもかなり似たような意見だった。

この時思ったのは、優先座席を必要としている人に席を譲れないくらい疲弊してしまうのが「普通」の仕事ならば、それはやはりそれを「普通」にしている社会構造がおかしいだろうということだ。

p.141

マタニティグッズ、赤ちゃんグッズ、結婚、出産、子育て方法、夫の反応、妊婦や赤ちゃん、ベビーカーへの世間の反応など、世の中には「普通」が蔓延している。

私は長女気質なのもあり、「普通」に対して反抗的なところがある。絶対必要だと書かれていても、自分が必要だと思うまで買わない。

子育てはまだしていないので未知の分野だが、ベビー服やおもちゃ類も必要だと思ってから考えようと思っている。まだカバーオール1枚しか買っていない。

「ママ」になることにもちょっと抵抗がある。10ヶ月もお腹に胎児を抱えているのにも関わらず特に私自身の態度に変化はなく、母性らしいものは育っていない気がする。

どちらかと言えば、赤ちゃんに会うのに少し緊張している。まるでマッチングアプリで出会った人と初めて対面するような気持ちだ。しかもそれが生涯にわたる関係になることが約束されている。周りのほうが純粋に新しい赤子の誕生を楽しみにしているように見えるが、それが普通なのだろう。

愛あふれるママとか母性に満ちた母とか、そういう存在には見えていないかもしれないが、「保護者」になる覚悟は決まっているので、安心してほしい(←パートナーとベビーへ)

本書はそんな私の考え方と似ているところが多々あり、なんだか励みになった。世間の「普通」とズレているのは分かっているが、案外その「普通」は声の大きいだけの少数派になりつつあるのかもしれない。というか、なったらいいなと思う。

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