わかる、できる。 #4
頭ではわかっていても、できないこともある。
中学生の私は、
夏休み、早めに課題に手をつけないと、
最終日で泣きをみるとわかっている。
しかし、結局、ギリギリまで手をつけない。
ダイエット中の私は、
無性に甘いものを食べたい衝動に駆られる。
そんな時、食べたらダメとわかっていても、
食べずにはいられない。
今の私は、
目指す未来に向けて、学びを重ねる段階…
けれど、今と未来の差が埋まる実感が、
微塵もなくて、
ずーっと下のところで、足踏みをしている。
そんな時、
足を止めて、楽をしたい…
ほの甘い声がする。
けれど、足を止めてしまったら、
私の心が、光を失うのを知っている。
わかっている。
だから、進むしかない。
それでも、がむしゃらに、
空振り続けることは、つらくむなしい。
まだまだ、私は自分に甘いのだろうか?
自問自答し、自責の念にかられる毎日。
いつも間にか、
過ぎゆく日々に追われている。
息をするのも忘れて、走り続けている。
だんだんと、心も先走って、感情に蓋をして、
ただ、ただ、動く体に、私を委ねる。
ぷつん、、、
何かが、私の中で切れる声がした。
はっと、私を立ち止まらせる。
部屋には、せわしい日々の残骸が散らばり、
流しの食器は、もう、涙も枯れて、
風呂は、砂漠のようだ。
私は、ゆっくりと、深呼吸をする。
酸素が全身をめぐり、
活力が芽生え出す。
床に散らばった残骸に、命をふきこむ。
日々の中で、落っことした感情を拾ってゆく。
食器に水を与え、白い泡が、流れるたび、
心のもやも晴れてゆく。
砂漠は、あたたかなオアシスに変わり、
私をいたわる。
心の垢が流されて、
無垢な旅人を落ち着かせる。
「風呂は命の洗濯よ。」
ミサトさんの言葉が、帰ってきて、
思わず、笑みがこぼれる。
感情を置いて走る時もある。
感情に溺れて動けない時もある。
そんな不安定な毎日に、
「今日もお疲れ様」
優しく声をかけて、受けとめる私でありたい。
今日も、おやすみなさい。
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最後まで、読んでいただきありがとうございます。
今日は、ゆっくり湯船に浸かろ〜っと♬
また、noteでお会いできますように。