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今週読んだ海外記事と雑感(9/14)

平日は毎日2本海外記事をNewsPicksでピックしているのですが、Twitterだとコメントの途中までしか読めないし、NPのアプリからだとまとめてコメントを読むのが大変なのでnoteに転載していこうと思います。

有料部分では、その週に読んだ記事を総合して考えたことや個人的な雑感などを書いていきます。

▼私のNewsPicksアカウント

今週はうっかり月・火のピックができてなかったので一部先週分も含めています。
ちなみに各タイトルは元のタイトルをベースに、内容を要約できるような言い回しに変えています。

ファッションウィーク、一部を一般解放へ

NYとロンドンそれぞれのファッションウィークの一部で入場料をとり一般開放をする動きが。
これまでショーはメディアやセレブリティなどブランドの招待客しか入れない場所でしたが、ショーの情報自体は瞬時に世界中に拡散される時代だからこそ「情報を一番はじめに入手できる」という点にはメリットがなくなり、むしろショー自体を体験してもらってブランドロイヤリティをあげる方が理にかなっているブランドもでてきたのかなとおもいます。
ラグジュアリーブランドは変わらず招待客のみの姿勢を貫くようですが、それもどちらかというと顧客の承認欲求を満たす意味合いが強そうな気も。

IPO申請したPeloton未来はバラ色か否か?

先週IPOを申請したPelotonについての考察記事。有料会員が50万人に達しながらも解約率1%未満は驚異的な数字。長く契約するほどお得になるプランの効果もあるとはいえ、一番はユーザーが増えれば増えるほどアクティブ率が上がっている、つまり幽霊会員ではなく日々利用しているユーザーが着実に増えている点にありそう。さすが「教会のリプレイス」を謳いコミュニティベースでサービスを作っているだけあります。
記事の最後でも語られているとおり、今後の成長戦略の鍵は「いつハードなしでもコンテンツにアクセスできるようにするのか」。今後なにをサービスの要としていくのかが気になります。

Lululemonが高級ライン「Lab」をローンチ

スポーツウェアをタウンユースにも使えるデザインに昇華させ、「アスレジャー」ブームを牽引してきたLululemonが高級ライン「Lab」をローンチ。スニーカーのOff-White、ストリートブランドのSupremeなどこれまでカジュアルに分類されてきたアイテムがどんどん高級化を目指しており、アスレジャーは一過性のブームではなく「スポーティ」というジャンルが確立しつつあることを感じます。
Labは本家のLululemonとはビジュアルの雰囲気もガラッと変えており、男性からの指示を集めそうな気がします。

インフルエンサーはどのようにPinterestを活用しているか?

「インフルエンサー」といえばInstagramが一番に浮かびますが、Pinterstはより検索エンジン的な働きをしている模様。特にレシピやDIYといったカテゴリは息の長いコンテンツが多いため、過去のPinから辿ってアクセスしてくるユーザーが多いという話は面白い。
また以前Targetかどこかが海辺でおすすめアイテムのコレクションをPinterestのボードでつくり、QRコードで案内するというキャンペーンをやっていましたが、ハッシュタグではなくボードという「キュレーションされたコンテンツの集まり」を作れるところはPinterestの大きなポイントだと思います。
Instagramに大きく水をあけられた感のあるPinterestですが、SNSではなく「新時代の検索エンジン」という方向性に振り切ればなかなか面白い勝負になっていきそう。

ファッションウィークにはまだ開催の意味があるのか?

今年のNYFWは、現地レポートと同じくらい「ショーのあり方はこのままでいいのか?」という問題提起的な記事を目にする機会が多くて潮目が変わりつつあるのだなという気がしています。とはいえ記事にもある通り2、3年前からSEE NOW, BUY NOWなどの取り組みが注目されつつもいまいち広がっていないところを見ると、もっと抜本的な変化が必要なのだろうなとも思ったり。
テクノロジーの進化によって年二回のショーが本来の「新作を披露する」という役割を失いつつあるものの、一流ブランドが一同に会するファッションイベントとしては大きな意味があるはずなので、オスカーやカンヌのような受賞イベントにするとよりドラマ性が加わって盛り上がるのかしら…?など様々な可能性を考えさせられます。

「会員しか買えない」下着ブランドが誕生

会員制の下着ブランド「Wone」の仕組みが面白い。年会費がかかるのはもちろん、ブランドから「承認」された人しか購入できないことで、その商品を持っていること自体がステータスになる、というやり方はいろんな分野に応用できそう。購入できる人を制限することで、予期せぬ層にリーチしてしまうことによるブランド毀損も防ぐ意味合いもあるのでは。顧客全員が創業者の個人携帯の番号を知っているほど近い距離感というのもポイントかも。

ラグジュアリーブランドのベビー服が売れているワケ

中国を中心にラグジュアリーブランドのキッズライン売上が伸びているという話。一番大きいのはMini-Meやリンクコーデのブームによって「両親とお揃い」需要が伸びたことにありそうだなと思います。
さらに日本でも数年前から生後100日やハーフバースデー、お誕生日ごとのおひるねアートなど成長の記録としてのイベントが流行って根付きつつあるので、そのタイミングでかわいい洋服を新調しようというニーズも大きくなっているのかもしれません。
今後のブランドはメンズ/レディースのくくりに加えて「キッズ」もカテゴリに加える必要が出てきそうです。

ポスト・D2Cを探せ!

D2Cが注目され始めてからあとを追うように様々なブランドが生まれてきましたが、すでに投資家の中では次なるユニコーンをうむ「ネクストD2C」の模索がはじまっています。実際、どのブランドも店舗をもち、さらに販路を広げるために卸売も行うようになり、「D2Cとは…?」となりつつある状況は日本でも起き始めています。
個人的には、誰もが簡単にブランドを立ち上げられるようになったからこそ、SNSとおなじように「鍵をかける」という意味でクローズドな販売手法としての会員制販売に注目しています。

今週ピックした中で一番面白かったのは会員制下着ブランドの「WONE」。ネクストD2Cのピックコメントにも書いた通り、個人的には招待制コミュニティをベースにしたブランドはこれからの成長市場な気がしています。(性質上ユニコーンにはなりづらいだろうけど)

ピックコメントにはオブラートに包んで書きましたが、

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