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中高年の便秘はダイエットの大敵
便秘はダイエットの大敵であり、特に年齢(60歳以上)を重ねると便秘に悩む人が増えます。便秘薬の市場も大きく、多くの高齢者が薬に頼る一方で、根本的な原因を知らずに問題を抱え続けています。しかし、便秘の原因の多くは、消化器系の病気よりも食習慣や運動不足、服用する薬の影響といった、個人でコントロールできるものに起因しています。
加齢により活動量が減少し、筋力が低下することで便秘が生じやすくなることはよく知られています。例えば、腹筋の力が弱いと大腸が下がり、腹腔に圧迫されて蠕動運動が起こりにくくなり、便が硬くなりやすくなります。女性も男性に比べて腹筋が弱い傾向にありますね。
また、便が直腸に達しても腹筋が弱いと十分な圧力(腹腔内圧力、直腸圧力)をかけられず、「いきむ」力が不足して便が排出されにくくなります。このような場合、腹筋を強化し、姿勢を改善することで便秘の解消が期待できます。
さらに、高齢者では直腸の感覚が低下するため、便が直腸に到達しても便意を感じにくくなることがあります。腹圧も低下するため、便を押し出す力が弱まり、排便が困難になることも少なくありません。また、加齢に伴う副交感神経の機能低下は腸の蠕動運動を弱めるため、便秘がさらに悪化するリスクがあります。
ただし、一口に便秘と言ってもさまざまな要因があることも事実。高齢化で食が細くなったことにより便の量が減り若い頃より便意を感じにくくなる場合もあります。そのような場合、便が無いにもかかわらず強迫観念で便秘の症状を訴えることもありますのでそれはまた別問題です。
こうした便秘の問題に対処するためには、適度な運動による腹筋の強化が効果的です。特に弛緩性便秘の場合、腹筋を鍛えることで便を押し出しやすくなり、腸の蠕動運動が活発になって便秘解消につながります。適度な運動は、大腸の動きを促進し、便意を引き起こすことができます。
施設で生活する高齢者の多くも便秘に悩んでおり、特に座位を自力で取れない高齢者では便秘のリスクが高まります。ヒトは重力のある環境で生きているため、腸の働きも重力がかかる状態で最も活発になります。しかし、普段からベッド上で過ごす時間が長い高齢者は、腹筋をはじめとする筋力が衰えてしまいます。
こうした高齢者に対しては、まず座位を取ることから始めることが推奨されます。背もたれに寄りかかる状態で起き上がるだけでも、腸に重力がかかり、腸の活動が促進されます。さらに、支えられながらも背骨を伸ばし、バランスを崩すような刺激を与えることで、腹筋や背筋が自然と働き、便秘解消につながる運動効果が期待できます。
また、座位姿勢を取れるようになった場合でも、積極的に手足を動かす運動プログラムを取り入れることで、腹筋を刺激することができます。例えば、イスに座ったまま足踏みをしたり、片方の足を上げて膝の下で手を叩く運動は、リズムカルに繰り返すことで腹筋を効果的に刺激します。車イスに座ったまま足で漕ぐ動作も、腹筋を使うため便秘解消に役立ちます。
さらに、座位での運動が可能な方には、体幹を曲げたり伸ばしたりする運動や、ねじる動作も取り入れることができます。タオルを絞るように下腹部をねじる運動や、上体をねじって背後に置かれた物を取る動作は、腹筋を刺激し、腸の活動を促進します。
以上のように、便秘解消には適度な運動が不可欠です。特に年齢を重ねた方や運動が難しい方でも、工夫次第で腹筋を刺激する方法は多くあります。これらの方法を実践することで、便秘の改善が期待でき、ダイエットや健康維持にもつながるでしょう。
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