「100万人のエグゼクティブが選んだ健康と集中力を高める食事法」
現代のビジネスマンや学生にとって、パフォーマンスを最大化させる方法は重要な課題です。その鍵となるのが「食事」。
今回ご紹介するのは、世界中のエリートたちが実践する「超一流の食事術」です。「世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術」【アイザック・ジョーンズ著】を参考にしています。
健康のために運動や睡眠が大切なのは周知の事実ですが、それ以上に影響を与えるのが毎日の食生活。
本書は「食べ物が私たちの体を作り、能力を左右する」という視点から、糖質を控え、良質な脂質を中心とした食生活を提案しています。具体的には、糖質中心の食事が引き起こす体調不良や集中力低下を避け、天然の良い油を摂取することで、心身の健康と仕事や学習の効率を飛躍的に向上させる方法が解説されています。この記事では、食事が体と脳に与える影響や、具体的な改善策を分かりやすくまとめました。「毎日の食事がパフォーマンスを左右する」とはどういうことなのか?これを読めば、今日から始められる実践的なヒントを手に入れることができます。
第1章 糖質を減らし脂質をエネルギー源にする
私たちの体は糖質と脂質をエネルギー源として活用しますが、その選び方によって大きな差が生まれます。一般的に、糖質はエネルギー源として利用される頻度が高いものの、実際には非常に効率が悪いのです。糖質は体内で使えるエネルギーの「タンク」の容量が小さいため、すぐに枯渇してしまいます。その結果、エネルギー不足を補うために頻繁に糖質を摂取する必要が生じ、結果的に血糖値が乱高下します。この血糖値の急激な変動こそが、集中力低下や眠気、さらにはイライラを引き起こす原因となるのです。また、過剰な糖質摂取は肥満や糖尿病といった生活習慣病のリスクも高めます。
一方で、脂質は糖質に比べて20倍のエネルギータンクを持つため、エネルギー切れを起こしにくいという特徴があります。脂質をメインのエネルギー源とすることで、体内のエネルギーが安定し、集中力を長時間保つことができます。また、脂質は腹持ちが良いため、頻繁な間食が不要になり、食事の質も自然と改善されるでしょう。
歴史的に見ても、人類が穀物などの糖質を食べ始めたのはごく最近のことであり、400万年以上もの間、肉や魚といったタンパク質や脂質を中心とした食生活を送ってきました。この点からも、脂質をエネルギー源とすることは自然な選択といえます。さらに、糖質を減らし、脂質をエネルギー源に切り替えることで、糖尿病や肥満、うつ病といった病気が改善されたという報告もあります。
脂質を中心にした食事への転換は簡単ではありませんが、一度実践してみればその効果を実感できるはずです。体に無理のない形で、まずは糖質の摂取量を減らし、良質な脂質を取り入れることから始めてみましょう。それが、仕事や勉強のパフォーマンスを最大化する第一歩です。
第2章 悪い油を避ける
現代の食生活では、多くの加工食品や料理に「悪い油」が使われています。この「悪い油」の代表的な例が、トランス脂肪酸を含むマーガリンやショートニング、そしてサラダ油やキャノーラ油といった人工的に加工された油です。これらの油は、安価で調理しやすいという理由から広く使われていますが、健康に深刻な悪影響を及ぼすことが分かっています。
特にトランス脂肪酸は、人工的に作られた油の一種で、パン、ケーキ、揚げ物、クッキーなどに多く含まれています。この油を摂取すると、体内では炎症が引き起こされ、その影響は長期間にわたります。実際に、トランス脂肪酸が完全に体外に排出されるには240日もかかると言われており、その間、体内の細胞や組織にダメージを与え続けます。これが動脈硬化や心疾患、糖尿病などの病気、さらには老化の原因にもなっています。
また、サラダ油やキャノーラ油といった多くの一般的な植物油も注意が必要です。これらは製造過程で高温処理や化学処理が施されており、その結果、体内で炎症を引き起こす有害な物質が発生します。これらの油を摂取し続けると、慢性的な炎症が進行し、肥満や生活習慣病、さらにはがんのリスクを高めるとされています。
人間が手を加えた油は、その「不自然さ」ゆえに体に負担をかけると言われています。そのため、これらの悪い油を食生活から排除することが重要です。特に、加工食品やファーストフード、揚げ物などを頻繁に摂取している人は注意が必要です。悪い油を避けるだけで、体内の炎症を抑え、健康状態を大幅に改善することが可能になります。
まずは、自分が日常的に摂取している油の種類を見直し、悪い油を避ける努力をしてみましょう。それだけでも、体調の変化やエネルギーの安定を実感できるはずです。そして次のステップとして、体に良い天然の油を取り入れ、健康的な食生活を目指していくことが大切です。悪い油を避けることは、健康の基盤を作る第一歩なのです。
第3章 天然の良い油を摂る
体に悪影響を及ぼす「悪い油」を避けるだけでなく、積極的に「良い油」を摂取することが健康のカギとなります。良い油とは、自然の中で生成され、人間の手が加えられていない天然の油を指します。この章では、健康を支えるために特に推奨される6種類の良質な油をご紹介します。
まず一つ目はグラスフェッドバターです。これは、牧草のみを食べて育った牛の乳から作られるバターで、一般的なバターよりも栄養価が高く、健康に良い脂肪酸を多く含んでいます。特に、エネルギー源として即座に使える中鎖脂肪酸が豊富です。次に紹介するのがココナッツオイルとMCTオイル。これらはココナッツ由来の油で、代謝を促進し、効率的なエネルギー供給をサポートします。MCTオイルは中鎖脂肪酸が凝縮されており、特に脳の働きを活性化する効果が期待できます。
さらに、オリーブオイルは最も広く知られた良い油の一つで、抗酸化作用を持つポリフェノールやビタミンEを豊富に含んでいます。心血管の健康を保つ効果があるとされ、特にエキストラバージンオリーブオイルを選ぶことが推奨されます。アマニ油とえごま油はオメガ3脂肪酸を豊富に含み、炎症を抑え、脳の機能を向上させる効果があります。これらは加熱せず、生で摂取することで最大の効果を発揮します。
これらの天然の良い油を食生活に取り入れると、体内の炎症を抑えるだけでなく、エネルギー効率が大幅に向上します。糖質ではなく脂質をエネルギー源とする食生活にシフトすることで、体内のエネルギーバランスが安定し、集中力や持久力が増します。また、天然の油は腹持ちが良いため、間食の必要性が減り、結果として全体的な食事の質も改善されます。
日常生活にこれらの良い油を取り入れる際には、まずはシンプルな方法から始めるのが良いでしょう。例えば、グラスフェッドバターやMCTオイルをコーヒーに混ぜた「バターコーヒー」を朝食代わりに試してみるのは効果的です。また、昼食や夕食では、野菜や魚、肉にオリーブオイルやアマニ油をかけるだけで十分です。
良い油を摂ることは、健康やパフォーマンスを最大化するための重要な要素です。まずは少量からでも良いので、これらの天然の良い油を毎日の食事に取り入れてみてください。その変化を実感できるはずです。
第4章 シンプルで自然な食事を心掛ける
私たちの体は、シンプルで自然な食事を摂ることで本来の力を発揮することができます。その基本となるのが、肉、魚、野菜に良質な油を組み合わせる食生活です。複雑な加工食品や添加物の多い料理を避け、できるだけ自然な形で食材を摂ることが、健康とパフォーマンスを向上させる秘訣です。
具体的には、肉や魚、野菜に良質な油をかけて食べることが推奨されます。例えば、グラスフェッドバターやココナッツオイルは火を通しても効果が損なわれにくいため、調理用油として適しています。これらの油は、加熱に強い飽和脂肪酸を含み、揚げ物や炒め物などの調理に最適です。一方で、オリーブオイルやアマニ油、えごま油は、熱に弱く、加熱すると体に悪影響を及ぼす物質が発生するため、生で摂るのが最善です。例えば、サラダにかけたり、調理後の料理に最後に垂らす形で使用することで、その効果を最大限に引き出すことができます。
シンプルな食事を心掛けるためには、食材選びにも注意が必要です。自然に近い形で育てられた食材、例えば牧草で育った牛肉や、鮮度の高い魚、新鮮な野菜を選ぶことが重要です。また、間食にはナッツ類を選ぶと良いでしょう。これらの食材には天然の良質な油が含まれており、無理なく体に必要な栄養を摂ることができます。
さらに、調味料の選び方も健康に大きな影響を与えます。例えば、醤油や味噌、マヨネーズなど、普段の料理で使う調味料にも注意を払い、できるだけ添加物や人工的な成分を含まないものを選ぶことが大切です。特に、オリーブオイルやアマニ油を活用したドレッシングやソースを自作するのもおすすめです。
一見すると、加工食品や糖質中心の食事を止めることは難しいように思えるかもしれません。しかし、実際に良質な食材と油を取り入れた食生活を始めてみると、その満足感と集中力の向上を実感できるはずです。特に、良質な油は腹持ちが良いため、間食の必要が減り、自然と過剰な糖質や悪い油の摂取を避けられるようになります。
シンプルで自然な食事を心掛けることで、体と心の健康を取り戻し、日々の生活や仕事、勉強で最大限の力を発揮できるようになります。特別なことをする必要はありません。まずは、自然な食材に良質な油を加えることから始めてみましょう。
第5章 バターコーヒーで朝食をシンプルに
忙しい朝、エネルギーを効率よく補給しつつ、集中力を高める方法として「バターコーヒー」を取り入れることが提案されています。このバターコーヒーとは、グラスフェッドバターとMCTオイルを加えたコーヒーのこと。単なる朝食代わりではなく、健康とパフォーマンスの向上を実現する効果的な手段です。
バターコーヒーの特徴は、良質な脂肪をエネルギー源として体に取り入れる点にあります。グラスフェッドバターは、牧草を主食とする牛から得られるもので、良質な脂肪酸やビタミンを豊富に含んでいます。一方のMCTオイルは、ココナッツ由来の中鎖脂肪酸が主成分で、素早く消化吸収され、即座にエネルギーとして利用されるため、朝の活力補給に最適です。この2つをコーヒーに混ぜることで、糖質に頼らず安定したエネルギー供給が可能となり、長時間にわたる集中力を維持できます。
作り方も非常に簡単です。ホットコーヒーにグラスフェッドバター大さじ1〜2杯とMCTオイル大さじ1〜2杯を加え、ブレンダーでしっかり混ぜるだけ。クリーミーでコクのある味わいが楽しめます。このバターコーヒーを朝食代わりにすることで、糖質を摂取する必要がなくなり、体内のエネルギーバランスが安定します。また、腹持ちが良いため、間食の欲求を抑えることにもつながります。
このバターコーヒーを取り入れた生活を1か月間続けると、驚くべき変化が期待できます。まず、肌の状態が改善され、ニキビや肌荒れが解消されることが多く報告されています。次に、集中力が高まり、仕事や勉強の効率が上がります。さらに、エネルギーが持続するため、朝から夜まで活動的に過ごせるようになり、疲労感も減少します。そして、糖質や悪い油の摂取を控えることで、病気予防にもつながります。
また、この生活を続けることで、余分な脂肪が減り、体が引き締まる効果も期待できます。体内の細胞や細胞膜が良質な脂肪で作られるようになり、健康的で活力ある体が手に入るのです。
朝の食事をバターコーヒーに置き換えることは、健康を手に入れる第一歩です。複雑な準備や特別な食材は必要ありません。まずは1か月間、このシンプルな朝食を試してみてください。その変化を体感すれば、さらに食生活全体の改善に挑戦したくなるはずです。
まとめ
本書は、健康とパフォーマンスを最大化するための食事術を提案しています。特に重要なのは、糖質中心の食事を見直し、脂質を主要なエネルギー源とすることです。脂質は糖質よりも持続的なエネルギーを供給し、集中力の維持や体調の安定に寄与します。一方、トランス脂肪酸や加工された植物油などの「悪い油」は、炎症や病気の原因となるため避けるべきです。
代わりに、グラスフェッドバター、ココナッツオイル、MCTオイル、オリーブオイル、アマニ油、えごま油などの天然の良い油を積極的に摂取することが推奨されます。これらの油は体内の炎症を抑え、効率的なエネルギー供給を可能にします。また、肉、魚、野菜に良質な油を組み合わせたシンプルで自然な食事を心掛けることで、健康的な体作りが実現します。
さらに、朝食にはグラスフェッドバターとMCTオイルを加えた「バターコーヒー」を取り入れることで、集中力を高め、持続的なエネルギーを得ることができます。この食生活を1か月続けるだけで、肌の改善、病気予防、エネルギーの向上など、多くのメリットを実感できるでしょう。
糖質を控え、良質な脂質を活用する食生活は、健康の基盤を整えるだけでなく、仕事や勉強での成果を大きく向上させる鍵となります。簡単な方法からぜひ取り組んでみてください。