お金への価値観の違いは根深い。
人はそれぞれ違う。
お金に対する価値観も同じように違う。
「貯金なんて意味がない」という人もいれば、「借金だけは絶対するな」と言う人もいる。
「投資はありだ」と思ってる人もいれば、「投資はギャンブルだ」と拒否する人もいる。
でも、この違いは単なる意見の違いじゃなく、それぞれが生きてきた環境による「当たり前」の違いなんだと思う。
お金の価値観ってのは、
「意見ではなく当たり前の違い」だと理解する事が、本当に大事だと思う。
「意見」より「当たり前」は明らかに根深いから、「信念」に近い。
そう簡単に人は、お金の価値観を変えれない。
ということだ。
今日はそれを書いてみる。
例えば、生まれた家がお金持ちだった人と、そうでない人では、お金に対する考え方がまるで違うのは想像に容易いよな。
子どもの頃から何不自由なく育ち、欲しいものを買うのが普通だった人は、「お金がない」という感覚を持ちづらい。
旅行も当たり前、ブランド物も普通に身近にある。
「お金があれば人生は楽しい」と実体験として知ってるからこそ、お金を惜しまず使える。「お金で買える幸せ」ってやつを、よく知ってるんだな。
一方で、貧しい家で育った人は、小さい頃から「お金がない」ことを実感しながら育ってる。
だからこそ、自然と節約志向になり、貯金が最優先になる。
「お金は守るもの」という考え方が染みついてる。お金を貯める事が喜びだったりするだろう。
両者は、同じ「お金」というものを見てるはずなのに、その意味がまったく違う。
例えば、「経験に投資しよう」「自己投資だ」なんて言っても、貧しい家庭で育った人には「そんな余裕はない」としか思えない。
逆に、貧しい家庭で育った人が「コツコツ貯めるのが大事」と言っても、お金持ちの人には「使わないと意味がないのに」と思われる。
夫婦で育ち(裕福か貧困か)がズレれば、意見が合わないのはしょうがないことで、例えば子育て論なんかは、なかなか一致しないだろう。
お金に対する価値観の不一致は、人間関係で大きな問題なんだろうと思う。
時代背景もまた、お金の価値観を大きく左右してることもあると考えてる。
60~70代の世代はバブルを経験してる。
土地を買えば値上がりするのが当たり前、給料は右肩上がり、ボーナスも毎年増える。
貯めても増えるし、投資しても増える。
人生を左右するような大きなリスクを取った勝負をかけなくても、そこそこ裕福な環境を作れた、そこそこ豊かに生きるのは比較的簡単だった。
そんな時代を生きてきたんだろう。
今の20~30代からすれば、そんなのはもはや伝説みたいな話だろうな。
40~50代はバブルの余韻を知る世代だ。
この世代は、バブル崩壊前後の「お金が回っていた時代」を子どもながらに見ていた。
親が景気のいい時代を生きていたため、経済的に豊かな家庭も多かった。
育ちは良い人が多いのかもしれない。
でも、大人になる頃にはバブルは崩壊し、「もう昔みたいには稼げない」という現実を突きつけられた。
20~30代は、デフレしか知らない世代だろう。
デフレマインドは染みついてて、「お金を持っていても、使わないほうがいい」という価値観が根付いてる。
100円ショップやファストファッションが当たり前の時代に育ち、「安いもので十分」という考え方を持つ人が多い。実際に充分だしな。いかに安くいかに良い買い物ができるのかが、上手い世代だろう。
だから「投資とかより賢い金策で生きる」が基本スタンスになりがちだ。
「インフレを知らなければ、アジアで物が安く買える経験がない」みたいな感じもあるだろう。
今の10~20代なんて、「海外に行っても、むしろ日本のほうが安い」と感じてる。
「昔は良かった」じゃなく、完全に「今が普通」だと思ってる世代だ。
「宝くじは貧困層に売れる」という現実も、お金の価値観の話だ。
最近は、仮想通貨やYouTubeなどで、先行者利益で一発当てた人も頻繁に目撃する。
「堅実に生きてたら、お金がないのは当たり前で、どこかで大きく当てないと」ってのは、僕らを含めた、デフレ世代のトレンドになりつつある。
「普通に働いても、お金は貯まらない」
「節約しても、大きく生活は変わらない」
となれば、残された選択肢は 「一発逆転」 「ワンチャンでもいいから、何か変えたい」と考えるのは当たり前なんだろう。
そんな感じで、お金の価値観はそれぞれ人によって全然違う。
これは、「正しい・間違い」とかの「意見」じゃなく、
「その人が生きてきた環境によるもの」だってことが分かると思う。
どっちが優れてるとか、誰が得なのかって議論じゃない。
僕が言いたいのは、自分にかかったこのバイアス(偏り)を見抜いていくべき だってことだ。
自分もどこかの偏りに属してると考えるべきだってことだ。
僕らは 自分の価値観の偏りを知る必要がある。
「なぜ自分はこう考えるのか?」
「なぜ相手は違う考え方をするのか?」
これを意識できるかどうかで、お金や人との付き合い方は大きく変わる。
「貯金するのが正しい」も、
「投資するのが正しい」も、
「お金は使ってこそ意味がある」も、
すべては、その人の価値観の問題であり、誰もが正しく、誰もが偏ってる。
大事なのは、違いを知り、自分のバイアスを見抜くこと。
それができれば、もっと賢く、お金と向き合えるし、人間関係も考え直すところが出てくるはずだ。自分の意見は決して正しくない。
親子関係、夫婦関係、恋人、友人、同僚、ライバル。
それぞれが、もう少し自分の偏りを理解して、相手を理解して、それぞれの信念に配慮することで、
もう少し幸せに暮らせるんじゃないだろうか。
*写真は疲れうさぎ。
追いかけ続けたら撮れた。うさぎ好き。