土偶vs埴輪

こんにちは。
今日はマニアックに、土偶の魅力(特に遮光器型)について語ろうかな。

…と思っていたのですが、やはり可愛さにかけては埴輪も捨てがたいということで、両方とも取り上げることにします。

縄文時代のアイドルと古墳時代のアイドル、より魅力的なのはどちらか。この積年の疑問に、ここで個人的な決着をつけようかと思います。例によって専門的な話は全くありませんが、どうぞ見守ってください。

まずは土偶から。

土偶は大まかに言うと、縄文時代頃に日本で作られた人型の土製品です。
その目的に関してはいくつかの説がありますが、何らかの祭祀に使われていたのではないかという説が有力だそう。

当時の日本には「アニミズム」という考え方があって、呪術によって厄災を祓ったり農作物の豊穣を祈ったりしていたようです。なので土偶もその際に使う道具の1つだったのではないか、と考えられているわけですね。

↑棚畑遺跡(長野県)で出土した土偶。通称「縄文のヴィーナス」。土偶として初の国宝。

土偶のモデルはほとんどの場合女性ですが、ハート型土偶、みみずく型土偶など他にもいくつかのバリエーションがあります。

↑亀ケ岡遺跡(青森県)で出土した遮光器土偶。国の重要文化財。

私の一押しの子です。土偶と聞くとこの形を思い浮かべる方もいるんじゃないでしょうか。
ゴーグル(遮光器)のような大きな目に、均衡の取れた体つき。
最初見たときは「なにこれ、宇宙人？」と思いましたが、見ているうちに段々と美のオーラが感じられて、今ではすっかりファンになりました。

特に短い手足が最高にキュートですね。ダックスフントの可愛さとベクトルは似ています。(※あくまで個人的な意見です。)

やはり土偶は、歴史的な意義、ミステリアスさ、見た目の美しさ、どれを取っても最高級ですね。縄文時代においてはトップクラスのスター性を持っていると言えるでしょう。

では、続いて埴輪。

2019年に、「百舌鳥・古市古墳群」が世界文化遺産に登録されましたね。私は少し前に行ってきたのですが、中々良かったです。あの辺りは本当にたくさんの古墳がありますね。

堺市博物館を訪れた際に、古墳を上から眺められるVRツアーを体験したのですが、かなりよくできていてとても楽しめました。気になる方はぜひ行ってみてください。(三半規管が弱い方は酔うかもなので注意)

その映像の中で、もちろん古墳のリアルさもすごかったのですが、古墳の周りに並べられた無数の埴輪も相当なインパクトがありました。
人、動物、家、壺など色んな形のものがあって、墳丘の上がまるでミニチュアハウスのようでした(例えがいまいち)。

堺市のマスコットキャラクター(？)、ハニワ部長。
公式Twitterより。中々シュールですね

埴輪は大きく分けて円筒埴輪と形象埴輪の二種類があり、作られた目的については、埋葬された人物の権威を示すためであるとか、霊の依り代にするためであるとか、まぁ土偶と同じく色々なことが言われています。

↑円筒埴輪

↑形象埴輪(馬)

↑形象埴輪(踊る人々)

これがおそらく一番有名ですよね。何を考えてるのか全く読めない不思議な表情が魅力的です。

なんというか、こういう表情のないキャラクターって日本で人気が高いことが多いと思いませんか？
キティーちゃん然りリラックマ然り。
私自身、無表情のキャラクターは大好きです。いつ見ても情緒をかき乱されないというか、こっちの感情と衝突することがないので楽なんですよね。
まぁそれはいいとして。

やはり埴輪も、現代でも十分通用するポテンシャルを持っていると思います。
特に踊る人々の埴輪はすごく汎用性が高いんじゃないかなぁ。シンプルな造形なのでオプションを付けやすいし、どんな背景にも馴染みやすいのではと思います。

現に、フィギュアや、コップなどのグッズになっているものをたまに見かけますしね。

(引用元：【公式】はにわぷりんオンラインショップ https://haniwa-purin.com/)

はにわぷりんという商品の容器ですが、とてもかわいくないですか？この容器ほしさに購入しましたが、プリンもおいしかったですよ。

ただ私は、昔読んだ藤子不二雄Ⓐの漫画『怪物くん』の登場人物に顔が埴輪にそっくりな人がいて、その人に若干苦手意識があったので、埴輪を見るとたまにそれを思い出してしまいます。

その点を考えると、私になんの負の感情も抱かせない土偶が個人的にはチャンピオンかな…？

土偶は少し重々しさがあるのでインテリアには向かないかなと思いますが、じっくり鑑賞してその造形美を楽しむには最高です。
一方埴輪は土偶よりも色が明るく雰囲気がライトな感じなので、インテリアとして取り入れても違和感がなく、日常的に目にしやすい美しさを持っているような気がします。

結局はっきりとは決着がつきませんでしたね。
まぁどちらも最高という結論で、良しとしましょう。

今回はここまで。
読んでくださりありがとうございました。
ではまた次回。