私は私の心の主治医
こんにちは。
いきなりですが、ジークムント・フロイトが友人に送った手紙の中に、こんな言葉があります。
「私がかかりっきりの患者は、私自身なんだ。」
フロイトは20世紀を代表する精神科医で、「精神分析学」という学問を創始した人物です。↓
/ドヤッ\
「精神分析学」というのは、今日でいう「心理学」の大元のようなものです。
心は一体どんな構造をしているのか?心の病はどのように治療すればよいのか?
そのような疑問を解明するために、フロイトはそれまで注目されてこなかった「無意識」という部分に初めてスポットを当てました。
うつ病やヒステリー、夢やトラウマなどの原因は、その人自身も気付かない「無意識」の領域にあるのではないか、と考えたんですね。
フロイトのこの考えは、「人間は理性的な生き物なんだから、無意識的な欲望に操られるなんてありえない!」と考えていた当時の知識人たちに相当なショックを与えました。
無意識の発見は、コペルニクスの地動説、ダーウィンの進化論と並んで、人間のナルシシズムを揺るがす大事件だったと言えるかもしれません。
そして彼は独自の治療法で、心の病に苦しむ人々をたくさん救いました。
ユングやアドラーなどの著名な心理学者たちは皆フロイトから多大な影響を受けていますし、彼が編み出した治療法は今日でも世界中で用いられています。
そんな偉大としか言いようのないフロイトですが、彼は仕事が終わると毎日、自己分析にふけったそうです。
昨日見た夢は、どんな深層心理の表れなのか?
自分の無意識領域には一体何があるのだろう?
自分は何を欲しているのだろう?
そんな疑問を投げ掛けながら、自分という患者と向き合っていたんですね。
冒頭で紹介した、
「私がかかりっきりの患者は私自身なんだ」
という言葉には、
「患者は治れば去っていくが、自分自身とは一生向き合っていかねばならない」
という彼の思いが滲み出ているような気がします。
ちなみにその言葉を送った相手はフリースという耳鼻科医で、フロイトの親友でした。
親友ということもあってちょっと本音を洩らしてみたのかもしれません。
(そんな親友がいたのか、いいなぁ←)
自分を客観視しようとするたびにどんどん自分のことが分からなくなって自信をなくしてしまう私ですが、心のスペシャリストだったフロイトでも自己分析には骨を折っていたんだと思うと、ちょっとだけ安心しました。
落ち込んだり病んだり、訳もなく泣いてしまったりするめんどくさい自分をカウンセリングしながら、紆余曲折を乗り越えていく。
人生の目的って結局、「自分自身を知ること」なのかもしれないな、なんて。
心って不思議だし厄介だけど、うまく付き合っていけたらいいなと思います。
おまけ。
成城石井で初めて買ったバスクチーズケーキ。
上の方がちょっとカラメル?っぽくて、おいしかったです(語彙力)。
ちょっとした幸せが、無意識のうちに生きる糧になっているのかも。
読んでくださりありがとうございました。
ではまた次回~