水に浸かった世界で、猫は空を飛ぶか
こんにちは。
私達の住むこの世界は、因果関係であふれています。
マッチを擦れば火がつく。
ガラスのコップを落としたら割れる。
サッカーボールを思いきり蹴ればまっすぐに飛んでいく。
このような、「AすればBが起こる」という様々な法則を、私達はごく自然なものとして受け入れていますよね。
だけどそれって、本当に存在するんでしょうか?
ヒュームという哲学者は、因果関係は実在せず、単に人間の心が作り出したものに過ぎないと言いました。
人間が勝手に、出来事同士をつなぎ合わせて把握しているだけということですね。
「これまでの経験上、Aの後にはBが起こることが多かった。だからAとBの間には、原因と結果の関係があるのだろう」という風に。
「因果関係は実在しない」
…この考えに対して、あなたはどう思いますか?
一見ちょっと受け入れがたい考えのように感じられますが、私は、この考えは正しいような気がしています。
なぜなら、ある因果関係が成り立つかどうかは、環境によって変わってくるからです。
例えば「マッチを擦ると火がつく」という現象は、空気中なら起こりますが、水中では起こりません。
私達が「マッチを擦ると火がつく」と信じているのは、空気のある場所で普段生活しているからです。
もし私達が水中に住む生き物だったなら、「マッチを擦ると火がつく」などという因果関係は「無い」ことになります。
そう考えると、因果関係は私達の知覚が作り出した虚構だという考えも、あながち間違いじゃないような気がしてきませんか?
じゃあ、この現実世界とは違う自然法則で成り立っているような架空の世界ではどうなんでしょう。
人間が上下逆さまで生活している世界。
あらゆるものがとても重い世界。
地面が鉄板のように熱い世界。
魚が言葉を話す世界。……
そのような世界では、今の私達が常識的に信じている因果関係が成り立たないことが、十分にありえます。
逆に、思いもよらないような因果関係が、常に起こっているかもしれません。
雨の代わりに飴が降る世界では、ボールを蹴ってもまっすぐに進まないかもしれないし、
吐く息がスライム状になる世界では、ガラスのコップを落としたら割れた破片が宝石になるかもしれません。
そのような因果関係が本当に正しいかどうかは、どうやったら証明できるんでしょう。
少なくともこの世界にいる限りは難しいでしょうね。
私達は、この世界の自然法則しか明らかにはできないし、それに従って起こった出来事しか知覚できないから。
だけど、想像して楽しむことはできます。
猫が空を飛んでいるような世界では、私はどのようにその姿を眺めているんだろう。
私も空を飛べるんだろうか。
もしかしたら、地面は水に浸かっていて足場がないのかもしれない……といったように。
現実世界の法則に縛られていると、たまにこういう無意味な妄想をしてみたくなりますね。
なんだか心が自由になる気がするんです。可能世界は無限なんだと思うと。
一見不毛に見えることを考えてみるのが、哲学の扉を開く第一歩です。独創的なアイデアも、そうやって生まれるんじゃないかなぁ。
今日は、因果関係の不思議についてのお話でした(*´-`)
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