灰色の世界から彩りのある世界にワープする遊びを見つけた
先日アメリカ本土から遊びに来た友人が、お土産にインテリアの本をくれた。彼女は不動産のエージェントであると同時にインテリアデザイナーで、洗練されたセンスの持ち主だ。時々、自分では選ぶことのない素敵なものをプレゼントしてくれて私の世界を広げてくれる。
"The Space That Keeps you: When Home Became a Lovestory" と言うタイトルのこの本はJeremaih Brent (ジェレマイア・ブレント)というインテリアデザイナー、かつテレビホストが、自宅を含めて10名の家を紹介しながら、家とは何か、家という空間が記憶や感情にどのように結びついているかを探っていくと言う本らしい。
「らしい」と書いたのは、写真は楽しんだがまだ文章はパラパラとしか読んでいないからだ。さすが売れっ子のインテリアデザイナー、彼と家族の家は斬新でありながら時代を超えた美しさだ。
ページを繰りながら美しいイメージを楽しんでいたが、一つ、目に飛び込んできた文章がある。それは作者が小さい頃、彼の母親がした遊びについての記述だ。その遊びでは彼らがどこにいて何をしていても、母親はジェレマイアに立ち止まり美しいものに気づき、それについて話すように促した。すると彼の意識が今に戻り、そこにあるものに目を向けられるようになったという。
それを読んで「なんて素敵な遊び!」と思った。美しさを通じたマインドフルネスだ。
私はハワイ島の田舎に住んでいるので、周りを見渡せば自然の美しさがそこかしこにある。でも忙しかったり、心配事があったりすると、ハワイ島ではなくストレスの世界に入り込んでしまう。そこでは体が緊張し、視野が狭まり、世界は色を失う。でもこんな簡単な遊びでその灰色のストレスの世界から、彩りのある世界に戻って来れるのだ。
この遊びはハワイみたいにいかにも美しい場所でなくてもできる。今、この文章を読むのを止めて自分の周りを見回してほしい。自宅にいればお気に入りのカップや花瓶に差した花、お子さんの寝顔が見えるかもしれない。電車の中であれば車窓の向こうの青空が目に飛び込んでくるかもしれない。
そしてそのことを味わったり、文章にしたり、誰かと一緒にいればお互いに見つけたものを話し合ったりするだけど、一瞬で色のある世界に行けるのだ。だからと言って現実の問題が解決するわけではない。でもその世界に戻ったとき私たちは少しだけパワーアップしている。
実は今朝、noteのことを考えていて、「私はなんて文章が下手なのか」と少し落ち込んでいた。でもそこでストレスの世界にいることに気づいて、美しいものを探してみた。見つけたものは鳥のさえずりだった。緑の多いところに住んでいるので、毎朝多様な鳥がそれぞれの声音やリズム、メロディーで鳴いている。それを聞いてハッとした。
私も私の歌を歌っていけばいいのだ。
下手でも拙くても、私がさえずった言葉が誰か一人にでも届けばいい。いや、上のメッセージのようにまずは私自身に届くだけでもいい。へこたれずに書き続けようという気持ちになった。そして友人にはまた世界を広げてもらったことに感謝だ。
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