プロマネだけど、引き継ぎを一切しないで産休に入った
後期流産(死産)した話が出てきます。
辛い経験を思い出してしまう方は、ご自身で読む/読まないの判断をお願いいたします。
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私は、とある企業で脆弱性診断のプロジェクトマネージャーをしている。
大体いつも4〜5案件のマネジメントをしており、各案件の進捗管理と顧客対応、工数管理やら営業連携を行っている。
私はこの仕事にやりがいを感じている。
まだ20代そこらで、社会人としてもぺーぺーな人間だけど、セキュリティ分野に新卒から興味関心があって、自分の長所を活かしたポジションでやりたい仕事をさせてもらえていると感じている。
プロマネに就きたての頃、私は全身の至る所に謎の症状を抱えた。
産婦人科、眼科、皮膚科、整形外科と渡り歩き、産婦人科(※)へ3回駆け込んだところで大学病院へ行くよう紹介状を書かれた。そしてベーチェット病という指定難病の確定診断を受けた。
入院を勧められたが、断れそうな雰囲気だったので断った。ニュウイン、キライ。
コロナ禍をキッカケに弊社はデフォルト勤務形態が完全在宅勤務になったため、私は難病患者でありながらもフルタイム正社員として就労を続行できている。毎日ステロイドの服用が必要だし、体のあちこちに痛みを感じることも多々あるが、無理しない範囲でキャリアを継続できている。と、思う。
※潰瘍のできた場所が陰部だったから産婦人科へ行っただけで、ベーチェット病自体は婦人科系疾患ではない。私は皮膚科、眼科に定期通院してる。膠原病内科に通う人もいる。ここらへん患者によって全く異なる😇
今年に入って、弊社では体制変更が行われた。
プロマネの人員が不足している、プロマネの業務内容が属人的、休みを取りづらい等の理由から、「試行錯誤しながら、少しずつ体制変更していきましょう!」と会社全体が動き出した。
その頃、私は第一子を妊娠していた。
人事や上長には検査薬陽性の時点で妊娠を報告しており(かなり早い妊娠報告だと思われるだろうが、難病患者ゆえ、ただでさえいつ何が起こるかわからないので)、12週を過ぎてからは仲の良い同僚限定で妊娠したことを報告した。
幸い、つわりはそこまで酷い方ではなかった。悪阻で仕事を休むことはなかった。嘔吐は度々したが、難病の方で体調不良には慣れっこだったので、私にとってはいつもの体調不良にちょっぴりアクセントが加わった程度のことだった。ゲロゲロ。
妊娠15週の頃、深夜にとんでもない腹痛を感じ目が覚めた。
余りの腹痛につわりの時とは比べ物にならない嘔吐をする。便器に頭を突っ込むことさえ間に合わず、噴水のように嘔吐した。
朝方まで我慢したけど、見かねた夫が救急車を呼んだ。
救急車に乗る前、私は何とかしてPCを起動し、会社のslackチャンネルに「救急車乗ります。今日休みます。明日から働けるか、未定です。」とか打ち込んだ。
業務開始時間になってslackを起動したら、担当のプロマネが消えている!という状況を、チームメンバーには遭遇させてしまった。
幸いこの時は大事にならず、入院も回避して、私の代打で案件を見てくれた他のプロマネにも大きな迷惑をかけなかった。
「1日の休みでも、突然なら大迷惑だよ!」というツッコミが聞こえてきそうだけど、相対的にこの後も〜〜〜っと迷惑をかける。
ちなみにこの時の腹痛は尿管結石でした。今も腎臓に石があるよ。マジ最悪〜〜〜😭
妊娠17週、今度は突然の破水&大量出血を起こす。
夜11時近くだったが、この時も会社のslackチャンネルに「救急外来行きます。明日から働けるか未定です。なんとなく入院する気がします。」とダイイングメッセージみたいな文言を残した。
その後は緊急入院→死産→赤ちゃんの火葬→赤ちゃんのいない産後休業(8週間)という怒涛の展開を迎える。
業務の引き継ぎは一切していない!!!!(ドンッッッ)
頼むから引き継ぎしてくれ〜!って泣いて懇願されてもできなかった。
とてもじゃないけど仕事のことを気にする余裕はなかった。どんな案件を担当していたのかすら、もう記憶の彼方にある。
フェードアウトしてしまった側だし、弊社の皆々様が2回もダイイングメッセージを読んだ時の心境や対応、どうやって私の業務を代わりにやってくださったのかは不明だ。でも、私が急にいなくなったからと言って弊社は倒産していない。良かった、良かった。
先日、そろそろ産後休業が終わるので復職前面談をした。
人事(女性)と上長(女性)の3人で1時間近くコミュニケーションを取ったが、引き継ぎが一切なかったことは何も咎められなかった。
もともと上長からは小まめに体調を気にしていただいており、緊急入院の前にもslackで体調を心配していること、仕事は気にしないで!という旨のDMが来ていた。お陰様で、(怒られたらどうしよう・・・)とか思わず面談に臨めた。
休業の延長をしたいか、今後の働き方について等のヒアリングを受けた。休業延長はせず、助走期間を設けながら今まで通りフルタイムで働いていきたいことを伝えた。そう思えたのも、弊社の雰囲気が凄く良くて、何かあっても業務責任より私の体調を優先して良いとじっくり伝えてくれたからだ。
私はたまたま難病患者で後期流産をしたが、健康な人でも、妊娠した瞬間に「突然なにが起こるかわからない」確率がハチャメチャに上がる。
流産・死産に限らず、どんな人にも病気や事故の可能性はある。
そこに若さは関係ない。実際、私の難病の発病年齢は男女とも20~40歳に多く、30代にピークを示すデータがある。まさに働き盛り、これからキャリアアップしようという時に原因不明の治らない病が襲ってくる。
私はこの先も急にいなくなる可能性が高い、時限爆弾みたいな人間だ。
死産に関する通院は一区切りついたけど、腎結石は残っているし難病は死ぬまで治らない。それでも変わらないポジションで復職を待ってくれている弊社には感謝しかない。
そして流産・死産でも8週間の産後休業を適用してくれる制度を整えてくれた先人たちにも、ありがとうございます。
願わくば、妊娠12週未満の流産したお母さんにも、休業を法的にサポートする制度ができると良いな。
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