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便利とお得の真逆がブランドなのさ|ブランディングと商売
ブランドとは何かがわかっていないのに、ブランドを目指す人が多すぎます。ブランディングの基本をもう一度確認してみませんか。
Voicy No.319 2023年5月29日放送
本文を音声で楽しみたい方はこちらからどうぞ
(倍速で5分です)
コテツ流ブランドの定義
ブランディングをうまくやっていきたいとか
ブランドになりたいときに
うまくいかない要因があります。
まず、ブランドとかブランディングが
何だかよくわかっていないし、
そこが適当だからうまくいかないという
根本的な要因があるのです。
それはそうですよね?
チャーハンをつくろうとして
チャーハンが何だかわからずにつくり始めても
絶対にチャーハンは出来上がらないし、
自動車はどうやって動いているか知らずに
自動車をつくっていてもダメでしょう?
「ファンがいる」状態がブランド
これはコテツブランド論の根幹なのですが、
ブランドは知名度があるかないかではなくて
「ファンがいるかいないか」です。
「これじゃなきゃダメ」という人が
いるかいないかです。
小さくてもブランドになっているものもあれば
規模が大きくて知名度があっても
ブランドではないものはたくさんあります。
ブランドは「これじゃなきゃダメ」という
ファンの方との関係が構築されている状態。
「これじゃなきゃダメ」というファンをつくる
「ファンづくり」のことを
ブランディングというわけです。
どうしたらファンができるのか
人が愛着とか好きと思うのは
なぜなのでしょうか。
それは人でいうと
その人のスタイルとか哲学とか個性が
好きだからです。
スタイル・哲学・メッセージ・個性・センスが
ブランド独自のものか、
あなた個人の独自のものであれば
好きと嫌いが出てきて、
多くの人が見たときに、
「好きだ」という人と「嫌いだ」という人
「ステキ」という人と「ダサい」という人が
出てきます。
それで「好きだ」という人と
「ステキ」という人が前に出てきてくれて
ファンになります。
比較の中で
「優れている」から選ばれるようになりたいのは
ブランドのつくり方としては合っていません。
それはマーケティングのやり方です。
ブランドは「便利」とか「お得」の真逆でも
「好きだから」ブランドなのです。
わざわざ行かなきゃいけなくて
手に入れたいときに手に入らないけれど
「好きだから」ブランドなんだよね。
ブランドの対極にあるもの
コンビニは真逆です。
コンビニは基本的には
距離における選択で使う人が多いです。
便利だからです。
どこへ行っても同じ商品がある。
個性を出されても困ってしまうしね。
不便だけど
「わざわざ行く専門店」がブランドですが、
コンビニは
「知名度の高いメーカー」という感じです。
ただ「いちばん遠いですけど、
俺はセブンしか行かないです。
セブンじゃなきゃダメなんで」
みたいな人はいると思います。
狙っているスイーツを買いに
セブンのいつものあれを食べるから
遠回りしてセブンに買おうという人はいても、
基本的には、外を歩いていて喉が渇いたら
いちばん近いコンビニに入るじゃないですか。
でも、「ファンだから、
ローソン以外、一生行かないので」
という人もいると思います。
便利だとか、いつ行っても
どこに行っても一緒というコンビニは
ブランドの真逆になります。
わざわざ行きたいとおもうか?
ブランドは逆です。
グッチが欲しい人に
「グッチはちょっと遠いので
近くにあるヴィトンで
同じぐらいの金額のカバンで良くない?」
と言ったら、
絶対嫌がりますよね。
不便で得がないけれど
そこのスタイルとかセンスとかポリシーとか
個性とかが好きだから買うとなれば
ブランドなのです。
ブランドを突き詰めていくときに
便利さとかお得を前に出して
ブランドの個性とか哲学とか
スタイルに妥協をする時点で、
本当に好きなファンは離れていってしまいます。
効率追求、タイムパフォーマンス、
コスパとも逆です。
それはマーケティングとして
アピールしていけばいいので、
ブランドではないということです。
ブランドは「わざわざ手に入れたいもの」だな。
この辺はマーケティング重視で
「誰にでもお手軽に買ってもらいたい」という
「大量販売のマスマーケティングビジネスモデル」と
ブランドのビジネスモデルが
ごっちゃになっている人が本当に多い。
ですから
今日改めて話しておこうと思いました。
価値は高く、ロイヤルティー、愛着高く
長く付き合ってファンが付いているものは
大体不便で、損得抜きで、
閉鎖的とまでは言わないですが、
希少性が高く極めて限定的な状態で
手に入れられるものがブランドには多いです。
今でいうとロレックスは
本当に手に入りにくくなりました。
フェラーリもそうです。
デパートの外商が来るようになるには
どうしたらいいかといっても
一般には募集しませんよね。
なので「わざわざ」が
ブランドのキーになります。
ファンの方との熱い関係
ブランドでフラッグシップショップを
つくっていこうと思ったら
そのブランドにそぐう場所でなければダメですが、
本当にブランドのファンの人と
熱い関係ができているという自信があれば、
駅から歩いてまあまあ時間がかかる所でも
そのブランドにそぐう場所であれば
構わないのではないか。
人間のブランディングも同じです。
お得だとか便利だとかじゃないほうが
ブランドに近くなったりするという
謎のところがあります。
以上、久々野智小哲津でした。
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Profile・・・久々野智 小哲津(くくのち こてつ)
ブランドプロデューサー/事業家
ブランドや企業の魅力を高め世の中に届ける仕事。海外企業日本進出、IT事業、エンタメなど合計7社を経営。それ以外にも、国内の人・物・企業・番組・タレント・テレビCM・広告•ブランドのクリエイティブなど130のプロジェクトを担当。現在も、多種多用な業界の15社前後の上場企業や業界トップ企業のブランド顧問・アドバイザー・プロデューサーなどを務める。
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上の文章はVoicy放送をさかのぼり文章化したものです。
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