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「ダサい」と言われてブランドになる。
Voicy No.0202 2022年8月22日放送
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ある人には「ダサい」と思われるものが、熱いファンにとっては唯一無二の商品やサービスになる。量産品で大量消費されるものになるのかブランドを目指すのかで、商売の仕方は全く違ってくるのです。
よくあるコピー、よくあるデザイン。
8月に「コテツのトーク飯」というミニイベントで、7~8名の方とご飯を食べました。
ブランドやビジネスについて悩みや課題を聞いて答えたときに、ブランドで使っているパッケージとかチラシ、Webに関して「どんな色がいいか、お客様にアンケートを採っています」という話を聞いて、ああ、やっているんだなと思ったんだよね。
別にその方が特別、間違った手を打っているのではなくて、ブランドになる意味を伝えておく必要があると思ったからです。
ブランドにならなくてもビジネスは成り立ちます。
そもそも量産品、大量生産、大量販売メーカーで知名度が高いところとブランドの違いをほとんどの人が理解できていないから、ブランディングが「知名度を上げること」になってしまうような間違いが起こるのです。
ブランドにはファンがいます。
「これじゃなきゃダメだから」と競合とか類似の商品やサービスの相対比較をすっ飛ばして、付いてきてくださり購入いただける方がファンです。
ですから、車、化粧品など、似ているものはいっぱいあるけれど、どうしてもそれじゃなきゃいけないという方の場合は、その方が選択しているものがブランドになります。
トヨタ、日産、ホンダがあったら、日産のフェアレディZという車が昔から好きで買いたい人にとっては、日産のフェアレディZという車はブランドです。
日産のフェアレディZは2シーターでシートが2つ。スポーツカーで速く走るという運動性能が高い車です。
でも、トヨタや日産の類似カテゴリー商品に全部見積もりをとって燃費を比べて買う方にとって、フェアレディZはブランドではないわけです。
なので、買う方が無条件で特別に選んでいる「これじゃなきゃダメ」という状態になっているものは、特別に選んでいるファンの人にとってはブランドだということです。
量産品とブランド品
特別に選んでいなくても、知名度があって、たくさん売られているものが量産品です。
トイレットペーパーやティッシュにクリネックスとネピアがありますが、「クリネックスじゃないと鼻をかみません」という人は、ほとんどいないと思います。
知らない人もいないけれども特別「それじゃなきゃいけない人」がいないので、よく見るから買っているとか、帰りに立ち寄ったドラッグストアで売っていたので、ネピアかクリネックスのティッシュかトイレットペーカーを買って帰る人が、ほとんどだと思います。
特別好きだという人がいるかどうか。
特別好きだという人をつくらずに、とにかくいっぱいの人に見てもらって、たくさん売れればいい。そのお客様がいつかいなくなっても、また、たくさんの人に見てもらって買ってもらえればいい。
このように顧客の中で熱い方をファン化しないのもビジネス上の1つのやり方なので、オレはそれを全然悪いと思っていないです。
ただ「知名度だけ上げて、たくさんの人が買ってくれればいい」といる人が、ブランディングだと思ってやったらうまくいかないから、ちょっと不幸じゃないですか。
本当に前提が長くなってしまったので、本題に行きますね。
「強烈に好き」は「ダサい」の裏返し
みんなに無難だなと思ってもらうことをやっていこうという時点で、もうブランドではありません。
好きでも嫌いでもないけれども、悪くないな、ぐらいのものを出すスタイルでやっていく時点で、もうブランドじゃない。
ブランドは、一部の人の強烈な好きをつくることです。
一部の人から強烈に「嫌い」とか「何あれ、ダサっ」と言われても、ブランドとして中心に据えたい哲学やスタイル、センス、メッセージを打ち出して、「それがいい」というファンをつくっていくことです。
ですから、どれが合っているか、間違っているかではないのです。
全部お客様の言う通りにやっていくとしたら、結局、業界1位のよく売れているものと同じようなものしかできないわけ。
ただ、それも全然否定する気はありません。
フォロワービジネスというか、業界、職種のトッププレーヤーと同じようなことをやって、「おこぼれをもらう」というビジネスのやり方もあるから、それはそれで全然いい。
それをやりたいなら、そういうビジネス観、事業観、人生観で、自分のビジネスに取り組めばいいと思います。
スタイルを貫き通せ
すごく失礼な言い方かもしれませんが、ブランドオーナー側、ビジネスオーナー側がまず深く考えていないから、そうなってしまうのもあります。
あまりそういうところに詳しくないホームページ制作会社とかデザイン会社に頼むと、その業界、業種のトップ企業がやっているような「よくあるコピーや色使いやビジュアルアピール」でまとめられて、まあまあなものが出来上がってしまう。
これは「あるある」ですよね。
ブランドオーナー側が「自分がやろうとしているブランドは基本的にこういう哲学で、こういうスタイルで、こういう感性で、こういう方に気に入ってもらおうと思っているので」と打ち出さないと、大体そうなってしまいます。
ブランドの哲学が決まらないのに宣伝と集客で乗り切ろうとしているから、集客がきつくなるのです。
ブランドというのは、ダサいとか、あれは認めないとか、望むところだぐらいのもので、
「そんなことを補足しなければいけないのか」と面倒くさく思うかもしれません。
クオリティーが低くてもいいとか、お客様に失礼があっていいのではありません。好みの味付けだって、甘い卵焼きが好きな人もいれば、しょっぱい卵焼きが好きな人もいるでしょう。
それを、甘い卵焼きを売りにしているお店に行って、「おたくのブランド(のれん)で甘い卵焼きをずっとつくっているけれども、しょっぱい卵焼きに変えてくれよ」という人がいたら、「大変申し訳ないですが、創業以来150年この甘い卵焼きの味付けでやってきていますので他でご購入ください」となるじゃないですか。
ブランドには自分のスタイルが必要です。
ダサいと言われても「好きと言ってくれる人がいればいい」ぐらいでやっていこうというお話です。
コテツでした。
本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
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