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セール、割引、クーポンをするならば。これ気をつけてよ|ブランディングと商売
個人事業や中小企業は、どんなビジネスモデルを採用するか最初に検討してください。子どもの頃から身近にあった大企業の薄利多売のやり方では、利益は残らなくなります。
Voicy No.314 2023年5月17日放送
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ
(倍速で5分です)
ビジネスの型が違う
ビジネス自体の解釈が曖昧な人は、かなりいると俺は見ています。
今日はセールとか割引とかクーポンの話ですが、ビジネスというものの解釈を先にお話したほうがわかりやすいので、まずはそこからにします。
ビジネスシステムの違いは、ビジネスする上でめちゃくちゃ重要です。
子どもの頃からテレビやネットで見たり、街を歩いていて目にしたりするマスマーケティング(大量生産・大量販売・薄利多売モデル)が商売だと思っている人が、すごく多いのです。
それは、コンビニで売っているようなビジネスのやり方です。
例えばキリンビールとかカルビーのポテトチップス、日清カップヌードルとかは、何百億も広告費をかけて、何千億、何兆円を売るビジネスになります。
私たちは子どもの頃からそういうものに触れているし、大人になっても同様のビジネスに囲まれています。
マスマーケティングして大量生産で、全国民、1億4000万人に知ってもらって数をめちゃ売るから薄利でいいというやり方が、多くのビジネスをやっている人の前提になっているのです。
ブランドVS薄利多売
ところが、ハリー・ウインストンという宝石ブランドとか、リシャール・ミルという時計は、全く別なビジネスを展開しています。
リシャール・ミルは腕時計1個が大体1500万円ぐらい。
2000万~3000万という高いもののほうがよく売れます。
3000万ぐらいのものも、出るということです。
出るといっても、3000万円の腕時計が、毎日50個も100個も売れるわけではありません。
エルメスなどのブランドも同じで、300万円のバーキンを買っていただくというビジネスモデルです。
本当に欲しい人は、たとえ高額であったとしても、価格ではなくて価値にお金を払うのがブランドビジネスだし、単価×個数でいうと、価値を認めていただいて単価を上げていくモデルです。
ブランドビジネスと薄利多売は、全く別の競技なんだよね。
価値とか、おもてなしとか、お店の内外装をきちっとつくって、カットで1万円をもらうのが、一般の美容室です。
QBハウスと一般の美容室は全く別の使い方をするのに、ビジネスをやるとなったら、多くの人が日本のナショナルブランドとか、世界的ブランドの大量生産方式でやっているところのまねをしてしまうのです。
その方法で利益は残りますか
ここからやっとテーマに入りますよ。
セール、割引、クーポンをするならば、大量販売で薄利でも、利益が最後に残るのが前提です。
中小企業とか個人事業主が、少量しか売ってないのにセールや割引やクーポンをなぜやるのでしょうか。
売れる数が少ない中で利益を獲得しなければいけない競技に出ているのに、セールと割引とクーポンを乱発したら、たくさん数を売るほうにビジネスモデル自体を変えないといけません。
「少量しか売っていないのに割引するな」ということね。
単価×個数モデルなら、それ相応の数を売る気で、セール・割引・クーポンをやりましょう。
宅配ピザのビジネスモデル
宅配ピザは1つ買ったら2つ目無料にして、拡大しているでしょう?
あれは宅配ピザのビジネスモデルだからいいのです。
一気に需要を爆発させて、1個1個の利益は少なくても大量にあのやり方である期間大量に注文が入って、そこで何千万かの利益とリスト取りの両取りをするわけです。
それなのに個人事業主とか中小企業が数も出ないのにやってしまったら、ただ利益だけを減らすことになります。
ブランドとは価値ビジネスだ
ビジネスは解釈をしっかりしないとダメだし、ビジネスオーナーやブランドオーナーならば、自分の意思決定の下、どっちでやるかをはっきり決めないといけない。
価格ビジネスをやるならば、その時点でブランドからは降りることになって価格でスイッチされます。
価格で選んでもらいたいビジネスをやるならば、割引やクーポンやセールをやったらいい。
けれども、価値ビジネスというスタイル・センス・哲学・ブランドのあり方に共感してもらって買っていただこうと思うなら、全くセールや割引やクーポンは合わないですよね。
どちらでやるのか整理したほうがいいのに、皆さん本当に一緒くたにしがちです。
「これをうまく両立させることはできませんか」と言われますが、それはできない話です。
「ヴィトンのバッグを1個買ったらもう1個無料」になって、みんなが無料でもらったバッグを持つようになったら、憧れブランドの位置からは落ちていきますよね。
その辺をごちゃごちゃにしないほうがいい、ということでした。
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Profile・・・久々野智 小哲津(くくのち こてつ)
ブランドプロデューサー/事業家
ブランドや企業の魅力を高め世の中に届ける仕事。海外企業日本進出、IT事業、エンタメなど合計7社を経営。それ以外にも、国内の人・物・企業・番組・タレント・テレビCM・広告•ブランドのクリエイティブなど130のプロジェクトを担当。現在も、多種多用な業界の15社前後の上場企業や業界トップ企業のブランド顧問・アドバイザー・プロデューサーなどを務める。
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上の文章はVoicy放送をさかのぼり文章化したものです。
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