なぜ集客で困るのか? 真のブランドになるために。
Voicy「コテツのブランディングと商売の話」
「コテツのブランディングと商売の話」コラム
読めばブランディングができて、商売が上手くなる。
このコラムは、コテツがVoicyのブランディングと商売の話で
語った内容を文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
Voicyもお聞きください。
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【お知らせ】
2022年4月より、小哲津のブランディングと商売の勉強会のコテツゼミの
六期生がスタートします。
コテツが直接講師となり、半年間でご自身やビジネスのリブランディングを
学ぶ講座です。10人限定となる予定です。
3月から募集開始。こちらのnoteかVoicyで告知します。
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Voicy No.0010 2021年8月日収録
「なぜ集客で困るのか? 真のブランドになるために。」
問題は集客じゃないよ
ビジネスをやっていくにあたり、最初にどうお客さまと接点を持つか。「見込み顧客のつくり方」というか「ファーストアプローチ」や「エントリー」という言い方でもいい。俺は「フロントエンド」という言い方をしているけど、ビジネスをやっている方は、ものすごく集客が気になりますよね。
俺もそうだったから本当によくわかるんだけど、今ならSNSとかネットを活用した集客テクニックが気になってしょうがないと思います。もちろん精いっぱいやったほうがいいけれど、ビジネスとかブランドが思ったとおりに行っていないのであれば、問題は集客じゃないことが多いです。
起業家とか、個人の方ではタレントさん、議員さんというプロフェッショナルな方からブランディングとかビジネスのご相談を受けていますが、話を聞いていると、先方の言っている「僕はこれが課題だと思っていました」とか「私はこれが問題だと思っていまして」というところに、問題の本質がなかったケースが結構ある。
企業の場合は「集客のためにブランディングをする」という謎フレーズがあります。謎フレーズを「なんで謎フレーズと言うの?」という人は、Voicyに「ブランディングとマーケティング、集客の違いについて」
https://voicy.jp/channel/2089/182599
があるので聞いてください。
さらにもう一歩、大本から「ブランドとは、ブランディングとは何か」も話しているので、それも聞いていただきたいです。
(参考Voicy↓↓)
「ブランドってなんなの?そもそもさ。」
https://voicy.jp/channel/2089/181380
「ブランディングってどういうことか??」
https://voicy.jp/channel/2089/182584
「集客のためにブランディングを頑張りたい」。これは、ちょっとズレています。なんで集客し続けなければ成り立たないのか問題を置き直すところから、別な視点、別な切り口が見えてきます。集客し続けなければいけない理由の1つが、お客さまがどんどん逃げているからです。
自分の場合はブランドなので「ファン」という言い方になるんだけど、ファンをつくれていない、あるいはリピーターがいない。繰り返し買ってくれたりする顧客、リピーターが少なすぎる。あるいはファンがいない。ファンの方がいればファンというのは積み上がっていくので、年々ビジネスは楽になっていくはずです。
ブランドビジネスの特徴として、やればやるほど年々ファンの層が厚くなっていき、売上は土台が上がっていきます。それが新規をずっと取って、穴の空いたでっかいザルみたいなので逃がし続けている限りは、集客をやらないとキャッシュフローが回らないので、新規を取りまくることになります。新規のお客さまに興味を持っていただく活動をしながら、もう一個、必ずやらなければならないことがあるのです。
「ファンづくり戦略」を実行しなければいけません。けれども「集客が大変だ」と言っているところは、ファンづくりの戦略もなければ、お金も時間も手間も割いていないことがかなりある。「ファンづくり戦略ってなんですか」みたいになるぐらい、それをビジネスやブランドにおけるメインの柱と捉えていないのです。
ヨーロッパの150年、200年以上と続いているラグジュアリーブランドが、なぜあんなに高いプレミアムでやっていけるのか。広告費用も思ったよりもかけていないところも結構あります。既存のファンに時間もお金も手間も使っているからです。
コロナで最近あまりないですが、コロナ前までは、フランスとかイタリアの本国からブランドオーナーの人たちが来て、既存の熱いファンの方と少人数で食事会をやっていました。ホテルとかを借りて、大々的に顧客をたくさん集めてパーティーももちろん、それだけではなくて、自分たちの熱狂的支援者(=ファン)を集めて個人的なつながりを深めようと、めちゃくちゃお金を割いています。
フランスとイタリアからブランドを持ってくる仕事をしたときに、俺はブランドというものがわかってないなと思って、自分自身がユーザーとなり年間何千万も使って、いくつかのブランドの重要顧客になってみたのです。それでファンになって、興味を持ってイベントにも行くようにしました。
そうしていたら、自分が呼ばれた具体例を挙げます。日本にそういうブランドの大本の人が来たときに、金田中という料亭に8名だけ呼ばれて、ブランドオーナー家とブランドのCOOと一緒に、向こうが4名だったから、合わせて12名で食事をしました。
これはまた別の機会に掘り下げてお話しする内容ですが、重要顧客やS客をABC分析、購入回数とか購入頻度とか購入額で区切って、売上が高い人を大事にすることとは全く別の話です。
購入金額を全部取っ払って、そのブランドが理想と考えていて、これからも信頼関係を結びたい、ブランドとして大事にしたい方を呼んで、少人数で交流をするところに特別なものを持ってきて、その場だけで見せてくれて、お土産も渡したりしている。たかだか8人に50万~100万かかっていると思いますが、そういう接し方をするんです。
ことわざに「釣った魚にエサをやらない」というフレーズがありますよね。常に集客を頑張らなければいけないところは、既存のお客さまにお金とかをかける気がないのです。そういう戦略というか、予算組みが全くない。
ブランドって「モテる数競争」ではありません。「モテる数競争」はマッチングアプリで「いいね」をいくつもらうかではないのです。マッチングアプリで1日に50も100も「いいね」をもらって1週間に10人ずつ会えたとしても、誰にも愛されないと、ずっとマッチングアプリで「いいね」をもらい続けなきゃいけない。
ブランドというのは「愛される深さ競争」です。ブランドになりたいとお考えであれば、一度接点を持った方をしっかり見て、その方と信頼関係を結べるようにやる。恋愛の場合は、何人も深く愛される人ができたら、それはそれでトラブルの元です。けれども、ブランドというのは、深く愛されている人を最初の1人、2人のところから、どう積み上げていくかということです。
次のチャプターでは、「ファンづくり戦略ってなんなの?」に軽く触れようと思っています。
ファンづくりってどうやるの?
ファンづくりをするためには、最初に「どなたに愛されるか」というのをはっきりしないといけない。俺はこの言い方を使わないんだけど、「ペルソナを考えろ」みたいなのはビジネスでよく聞く話じゃないですか。そういう考え方と自分はスタンスが全然違っていて、ブランドと恋愛って完全に構造が一致していると思っています。
好きな人ができました。その方とデートを繰り返し誕生日が来ます。この人と付き合いたいときに、プレゼントをあげようと思ったら研究するじゃないですか。相手がどんなものが好きか、デートに関しても映画は見るのかなとか、見るとしたら、どんなのを見ているのかな、ジブリ映画が好きなのかな、ディズニーなのかな。いやいや、実はそういう恋愛ものは見ないかなというのも、会話の中で気になるじゃないですか。
どこか食べに行くとか飲みに行くときも、どんなものを食べたいのかな。好きなものは何だろう、嫌いなものは何だろう。とことん好きと嫌いを研究するでしょう?
ましてやプレゼントとなれば、特に女性でファッション感度の高い人だと、全くその人のスタイルに合ってないものをあげたら一撃で使ってくれないから、デートを繰り返す間によく観察してヒアリングするでしょう。それを既存のお客さまでファンの方、ファンになってくれそうな方にするのです。「そんな面倒くさいことをやるんですか。データでどうにかしたいんですけど」という時点で、もうブランドではありません。
LVMH、ヴィトンとかが入っているブランドのコングロマリット。たくさんブランドを持っているLVMHという世界最強のグループ企業です。そこは何兆円も売っていますが、大事にしたいファンの方と少数で食事とかを繰り返すのです。
自分は100億以下が中小企業だと思っているので、100億~500億ぐらいまでの会社が、ブランドに関してなぜ全部データで乗り切ろうとしているのか疑問です。ごく少数の本当にブランドを愛してくれる人たちをつくりきれない限り、なかなかブランドにはなれません。
話を本線に戻します。ブランドづくりをするためには、ファンの方のライフスタイル、好きとか嫌いをとことん研究すること。誰を対象にしたブランドなのか。どういう方と、どういうふうに信頼関係を結び、愛着を感じてもらいたいかなので、誰にでも好かれるという方法はありません。そこをまずしっかり見ていって研究します。
ファンの対象者、ファンになる可能性のある方のくくりがおおざっぱなのと、その研究に、また時間もお金もかけていないというのが、集客を頑張り続けなければいけない理由だと思います。
「ボートをこがないと死んでしまう」というのはわかりますが、こぎ続けていてもダメです。新しいボートをつくり替えるぐらいの、きちっとした手間を掛けてファンづくりをやったほうが、長い目で見たらいいブランドになりますよね。
ファンづくりは「こういった方にファンになっていただきたい」という研究をちゃんとすることと、そのファンの方に対してどういう価値を提供して、どういう関係を築くかです。そこが明確になっていれば、集客量自体はそんなに要らなかったりします。
集客も頑張りながらファンづくりも作戦を立てて、同じぐらいの熱量と時間とお金と手間を掛けてやってみてください。そうすると真のブランドに近づいていきます。
↓この記事のVoicyはこちらで聴けます↓
https://voicy.jp/channel/2089/185248
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