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学校でいいとされた事は、商売では全部ダメ。│ブランディングと商売


Voicy No.0289 2023年3月17日放送 
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!

学校で評価されていたことが、ビジネスの成功には必ずしも繋がらない理由とは?「真面目で優等生」だった人が商売で壁を破れないのはなぜか、そしてどのようにして競争を勝ち抜くかについて、経験から学んだことを紹介します。

今日のテーマは「学校でいいとされた事は、商売では全部ダメ」です。


優等生とビジネスの壁


日々ビジネスに取り組んでいる方、ブランドを持っている企業やブランドオーナーと話をして思うのが、真面目に取り組んでいるけど全然壁をぶち破れない方がいることです。

商売って、そうですよね。

こう言うと失礼な表現になるかもしれないですが、学生時代は先生とか親の評価が高かったと思う人が残念ながらビジネスで全然壁を破れずに、めちゃくちゃやっていたり、はみ出していた人がすごい成果を上げたりしています。

今日の話は、日本の学校を否定したいのではありません。

人の価値基準は、子どもの頃に形成されているものを引きずっていて、もはや持っていなくていいのにベルトにくくりつけて、子どもの頃からの価値基準を引きずって歩いている状況なのです。

最初に植え付けられる価値基準って、親が言うことと、あとは学校です。
しょうがないですよね、子どものときは。社会がそれしかないから。

小中高ぐらいまでは、「みんなと同じであれ。無個性であれ。ルールは守れ。守らなかったら退学だ」となるでしょう?

どちらかというとオレは、日本での生活はとても民度が高くてルールを守る、アンモラルじゃない方が多いのはいいことだと思っています。

なので、今日の話はあくまでも商売における例え話の部分だと、あらかじめお伝えしておきます。


商売で選ばれるとは「えこひいき」されること


校則をちゃんと守ることは、ほかの人と同じということ。
けれども、ほかの人と違うことをやるから、ユーザーやお客様から選ばれる。

もっと言うと、唯一無二で、この人でしか得られないテイストとかセンスを出すから、ファンがつくわけです。

小中高、大学ぐらいになるとずいぶん自由になって、社会人になったら急に「個性を出せ」とか言われて、意味わからない感じですよね。

会社に勤めていても、フリーで仕事をしていても、商売やビジネスで選ばれるというのは、競合とか競争相手を出し抜いて、えこひいきされること。

えこひいきされて、お金をもらうということです。
望む顧客から自分だけ特別選ばれることです。
そして、ファンになっていただいて、愛される競争なのです。

そのときに、みんなと仲良く、みんな納得みたいな発想でやっても出し抜けないですよね。

正々堂々はいいことだと思いますが、ずるさとか、グレーゾーンとか、自分がお客様になっていただきたい方に、競争相手以上に気に入られるために工夫するという、「出し抜く」「たくらむ」という行為が、全くできないというか。

真面目で学生のときにちゃんとしていたところを引きずっていると、やっぱりうまくいかないですよね。


どうやって相手を出し抜くか


自分がビジネスを始めた当初はまだiモードで、ネットが普及していませんでした。
そのとき商売競合の情報をどうやって集めたかというと、お店を出すビジネスなら、競合店に行って品ぞろえを全部メモってくるのです。

昔自分が関わっていた仕事のままを言うわけにいかないので、ぼやっとした感じで言ってすみません。

今は減ってしまった文房具店では、その地域一番店を目指そうと出店したときに、自分よりもその地域におけるシェアと売上の多い店に行って、お客さんのふりして文房具を見ながら、途中トイレや階段の踊り場で、品ぞろえをメモっていくのです。

一言でいうとスパイ行為です。

けれども、撮っていけない所で写真を撮るわけではありません。
お客さんであることが大事なので最後は何かを買いますが、品ぞろえと値付けをメモって帰るのを店舗ビジネスだとやることがありました。

ずるいけれど競合の品ぞろえを確認するから、自分たちの品ぞろえ、お客様に喜ばれる品ぞろえの議論ができたのです。

オレはスイーツ関連を結構手がけていたので、買ってみて、食べてみてもあるし、売れているお店に行って、つくっている工場が自前なのか、外でやっているかも知りたい。

食品衛生管理法上、裏張りシールを貼っているから、つくっているところが載っているのです。だから数多くある商品を裏返してはじから見ていくのです。

すると、どこでつくっているかわかります。

自分たちが出したい商品をある程度のクオリティーお客様に提供したくて、今取引しているところよりもおいしく再現できる会社を知ろうと思ったら、もちろんネットで調べることもしますが、売れているお店に行って、裏替えして賞味期限を確認しているふりをして製造工場を確認するのです。

こういう程度のこともあるし、もっと別な形もあります。

うまくいっている競合会社の関係者に話を聞くような機会を取ったりしながら、商売では何とかほかよりも、お客様に選ばれるものを出そうとしているわけ。

学校の成績が決まるのと違うから、お客様にほかとの競争の中で認めてもらうために、もちろん法に反すること、道徳的に問題があることはダメですが、やれることは全部やって売ろうという人のほうが突き抜けてくるのです。

日本でも最近、同じ業界内で転職する人が増えてきましたよね。
昔は日本企業ではあまりやらなかったことですが、外資では昔からあったみたいな発想の人が、やっぱり飛び抜けていくのが事実かなと思います。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を文章化し加筆したものです。
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久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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