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【本紹介】アメリカの闇を暴くヒトコワ⭐︎胸くそ⭐︎ミステリー『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生』

凄く怖い本を見つけてしまったので、紹介します。
実は読んだのは昨年なのだが、気持ちを沈めるのに時間がかかってしまったのだ。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生』(ハヤカワ文庫NF)
著:デイヴィッド・グラン


あらすじ

1920年代のオクラホマ州では、オイルマネーによって先住民族オセージ族の地主たちが莫大な富を手にしていた。

1921年5月、オセージ族の男女が殺害されると、それを皮切りに富豪やその関係者が次々と不審死を遂げる。
「オセージ族連続怪死事件」として知られるこの事件の犠牲者は、最終的に60人以上とも言われている。

地元警察は捜査に消極的だったため、遺族たちは報奨金を用意し、私立探偵たちが調査に乗り出すも、事件は解決しなかった。

やがて、後のFBI長官となるフーヴァーが登場し、部下のホワイト特別捜査官を現地に派遣して捜査を開始。
その結果、ついに犯人が逮捕される。
それは意外な人物だった。
こうして事件は解決したかのように見えた。

しかし2000年代に入り、事件を調べていた作家デイヴィッド・グランは、新たな恐ろしい真実に気づくことになる。


感想

  • 西部劇の風情の残る街で起きた殺人事件

  • 連続する不審死

  • 複雑な人間関係

  • 盗聴器を携えた胡散臭い探偵たち

  • 後のFBI長官と部下の特別捜査官の活躍

  • 意外な犯人と陰謀

  • そして、時を経て明かされた恐ろしい真実とは!?

エンタメとしては面白い要素盛りだくさんである。
盛りすぎて現実味に欠けるぐらいだ。
だが、これはノンフィクション。
実話なのである。

ネタバレになってしまうし、ここでは書ききれないので詳細は伏せるが、著者が暴いた「真実」は、あまりにも陰湿で恐ろしいものだった。
読んでいるだけでトラウマになりそうだ。
「そりゃ、遺恨が残るよな…」と思わざるを得ない。
アメリカの人種問題の深い闇を見せつけられる。

なぜこれほど恐ろしく感じたのか。

当時、白人と非白人の間には確かに差別があったが、事件のあった地域では異人種間の結婚も珍しくなく、一見すると平和的に共存しているように思える。
だが、犯人たちは被害者を決して対等な存在とは見なしていなかったのだろう。

無意識の優越感は、明確な憎しみや敵意よりも恐ろしいことがある。
誰かを「自分より下」と当然のように思うとき、人はより残酷になれる。

これは人種問題に限った話ではない。
学校や職場にも、無意識に他人を見下している人間はたぶんいる。
もしかしたら、家庭の中にすらいるかもしれない。
この事件の詳細を知ると、普段は目を逸らしているその事実に気付かされてしまうのだ。

さて、自分自身はどうだろうか?
同じような思考に陥ってはいないだろうか?
どれほど忙しくても、ときには立ち止まり、自分を省みる時間が必要だ。
人間らしくあり続けるために。

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青椒肉絲
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